プロも使う 定番フォント はどれだ

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 定番フォント を書きます。

テロップやタイトルに使うフォント選びに困ったことありませんか。

星の数ほどあるフォントの中から好みのフォントを選ぶ際、迷い始めたらきりがなくなります。

仕事で動画を作るのなら、定番フォントを決めておくとあれこれ悩む時間をカットできます。

選ぶポイントは視認性

印刷媒体と違って、映像が動く動画には、適したフォントと適さないフォントがどうしても出てきます。

基本的に使えるのはゴシック体のような縦横の太さが均等、装飾がないフォントだと思います。

使えるフリーフォント

動画制作を初めたばかりの人にとって戸惑うのがテロップに使うフォントの選び方です。デザイン関係者の中には、300近くのフォントをパソコンに入れている人もいるほど、フォントの数は膨大です。

よく使うフォントをまとめてみました。

  • 小塚ゴシック
  • BIZ UDゴシック
  • マキナス4Squareゴシック
  • ニコモジ+ゴシック
  • マメロン
  • ラノベPOP
  • UDデジタル教科書体
  • N-BTBシネマ丸ゴシック Std M

小塚ゴシック

タイプデザインディレクター の小塚昌彦氏制作し、Adobe製品に同梱されている定番フォント。 Adobe Readerをインストールすると付いてきます。一旦パソコンに入れてしまえばDaVinch Resolveでも使えます。

小塚ゴシックpr6NH

Pr6NとProの二つの種類があります。Pr6NとProの違いはよくわからず使っています。

文字の太さのことを業界ではウェイトといいます。小塚フォントにはそれぞれ EL/L/R/M/B/H の6ウェイトがあります。一番太いHをよく使います。

BIZ UDゴシック

BIZ UDゴシック

会話の字幕などでよく使うのはBIZ UDゴシックです。選ぶポイントはUDという表記に注目します。UDとはユニバーサル・デザインの略です。

ユニバーサル・デザインとは「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障害の有無、体格、性別、国籍などにかかわらず、できるだけ多くの人にわかりやすく、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることをいいます。

BIZ UDはDaVinch Resolveをインストールしたら付いてきたように思います。

癖がないことから書かれている内容が見やすいフォントです。

マキナス4Squareゴシック

マキナス4Squareゴシック

ちょっと変化球を投げたい時は、フリーフォントをワンポイントリリーフ風に使います。

マキナス4Squareゴシックはカクカクした印象があるため、硬質な情報を伝えたい時に便利です。

ニコモジ+ゴシック

ニコモジ+ゴシック

こちらもフリーフォント。日本語のフリーフォントは漢字まで揃っていないものが多いので選ぶのに苦労します。

このフォントは少し潰れた漢字がユーモラスな上、かなと漢字のサイズが違うので印象的なテロップを打ちたい時に使えます。

マメロン

マメロン

チラシやポスターなどの作業をすることがあるため、柔らかめなコピーを紙に書くことがあります。素朴な味わいがあることから定番として使うのがフリーフォントのマメロンです。

ラノベPOP

ライトノベルなどで使われる少し癖のあるゴシックです。

UDデジタル教科書体

UDと書かれているのはユニバーサルデザイン。誰が見ても見やすいバリアフリーフォントです。公共施設などで使われることが多いので意識しておいた方がいいフォントです。

N-BTBシネマ丸ゴシック Std M

動画の源流である洋画の吹き替えでよく目にするデザインです。見やすいというより、吹き替え作業がやりやすいという作り手側の理屈で使われてきたフォントデザインですが、いつのまには見る側の安心感を獲得してしまいました。

日本語以外のフォントで面白いフォントがあれば手に入れましょう。After Effects などの素材として使えるからです。

android

android

英文表記のコンテンツを作ることはあまりないことから、日本語以外のフォントはあまり使っていません。

andoroidフォントは、After Effectsのチュートリアル動画で見て印象に残ったものです。

フリーフォントまとめサイト

私がよく使うフォントのまとめサイトです。

フリーフォントケンサク|無料のフリーフォント集

フォントフリー – 無料の日本語フリーフォント投稿サイト

Android Font – 1001 Free Fonts

フォント使用上の注意点

よく質問されるのですが、Windowsの場合、パソコンのFontフォルダにインストールすると動画編集ソフトでも使えるようになります。

気に入ったフォントがあればどんどんインストールして使ってみることが自分の好みを見極める早道です。

注意したいのは、面白がって色々なフォントを動画に盛り込むとデザイン上のバランスが崩れます。

特売チラシや繁華街の投げ込みビラみたいな効果を狙って混在させるやり方もありますが、ブランドのイメージを高めたければ長く見ても疲れないフォントやサイズに気を配った方が正解です。

フォントメーカーの説明によると、フォントの総量が2GBを越えるとパソコンのメモリーに負担がかかるといいます。2GBは相当なフォント数なので初心者は気にせずどんどんインストールしてもいいと思います。

あまり使わないフォントは適宜削除して整理すると、編集段階で選ぶ手間が省けます。

まとめ

昔のテレビ画面は4:3の箱型画面でした。解像度も荒いことから伝えられる情報量も限られていました。

そのためか、画面に表示するテロップの割合もおとなしめだったような記憶があります。

ハイビジョンが始まり、それまでの4:3、解像度にすると640×480の画面は1,280×960に変わりました。

画面が拡大し、高精細度になると表示されるテロップが格段に賑やかになりました。

情報バラエティ関係を担当する同業者の人によると、収録した素材を編集して尺にするまでが折り返し点で、そこから先のテロップ付けの作業量が半端ないのだそうです。

その流れはネット動画の普及と同時に加速しています。

なぜ加速しているかと言うと、通勤や通学でスマホ動画をチラ見するとき、いちいち音を聴くのも面倒と言う人が増えているからです。

音で伝える情報を画面で見たいというニーズがテロップの作業量に反映されているのです。

YouTubeの見出しなどでキャッチーなフォントが使いたい方は、市販のフォントを当たって見てはいかがでしょうか。

放送局の仕事は分業なのでデザイン系の仕事はほぼアート担当者に丸投げしていました。担当者から提案されたデザインにあれこれ文句をつける嫌な奴だったかもしれません。自分で動画をつくるようになると、いやでもフォント選びからはじめないといけません。あれこれ使い続けるのが遠回りなように見えて近道。続けているうちにアートさんの偉大さがわかりました。