【選書】これから先の動画ビジネス「メディアシフト」

メディアシフト
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

作りこんだ献立を提供するレストランと、膨大な献立の中から自分が好きなものをいつでもどこででも食べられるデリバリーサービス。動画を視聴する環境は多様化するフードサービスのように広がっています。

動画投稿の世界に転身した元放送番組制作者が、新しいプラットフォームのしのぎ方と旧来型メディアの行く末を語りつくした本。メディア関係者はどう受け止めてくれるのでしょうか。

メディアシフト

「動画2.0」の著者である明石ガクトさんが手がけるのはインスタグラムなどで展開する動画のプラットフォームビジネスです。対して著者の関口ケントさんが手がけるのはYoutubeチャンネルのプロデュース。タレントや個人などYoutubeで顧客を獲得しビジネスとして成立させることを目指しています。

テレビの人気者=売れるYoutuberではない

興味深い例がタレントの勝俣州和さんです。勝俣さんはバラエティの常連で知名度の高いタレントです。ところがYoutubeチャンネルの人気はテレビの比ではなく伸びません。その理由を関口さんはメディアの違いであると分析します。

トップYoutuberはアスリート

関口さんが語るYoutuber成功の条件はシンプルです。伸びるユーチューバーは、動画をあげてからが勝負。セルフマーケティングをし、反応を数値化した上で次の動画を淡々と作り続ける、P D C Aを回し続けることができる人ですといい切ります。

横に面を取るとは

本書に書かれた成功の方程式が「横に面を取る」こと。横というのは視聴者が見たいものを探すとき使う検索のことを指します。googleに代表されるように一昔前までは調べたいワードをケインさする方法が一般的でしたが、これからは違います。横に面を取るとは検索をさらにアップデートすること。その代表例がTikTokが得意とするアルゴリズムだと推論します。

まとめ

本書は大きく二部構成。前半はYoutubeチャンネルをビジネスとして成り立たせるための手法がまとめられています。

中盤は既存のメディアと新興メディアの比較論。というか、もともと番組プロダクションで働いていた著者から見た業界批評です。

私も放送局で働いていたことから、放送業界に対する批評を興味深く読みました。

当たっていると感じたのは「生き残るのはテレビ東京とNHK」という断言。これから先この二局以外に就活する若者は何も考えていないとまで言い切ります。私も同感です。

放送局は人がやっていない番組を作り続けるのが本来で、Youtube動画の焼き直しをしたり高齢者向けの編成に甘んじているようでは未来はないのです。

放送局の経営を支えるのは年配の管理職です。私も含め彼らは勝ち組です。考え方はどうしても旧守的になり既得権ばかりに目が向かいがちになります。

そんな姿勢では視聴者の心に刺さるコンテンツなど作れるわけがない。通読すると大好きな映像業界への複雑な思いを感じました。




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。