動画案件の企画案を書いてみた

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

定年を機に動画制作のお手伝いをはじめました。

スキルアップ以上に大変なのが、事業立ち上がりの営業活動です。

認知度ゼロ、信用ゼロから立ち上げなくてはならない上に、依頼者の要望も読み取らなくてはなりません。なにはともあれ実績を積み上げないことには先に進めません。

そこで実績を積み上げるのは企画書を書くこと。依頼者の依頼を読み込んで解決策を考える以外にありません。書いた企画書はそのままではもったいないのでブログでも公開することにしました。

依頼内容

YouTube投稿用に使用したいと思っています。 
【依頼背景】YouTube動画を社内でシナリオを作り動画を作成しましたが、なかなか上手くいかず、クオリティも低いものになってしまった為、お願いします。シナリオや企画案はこちらで作成する予定ですので、動画作成をお願いしたいです。 【提案の際のお願い】提案される際は金額やできるもの(スキルやできる範囲)についてご提示頂けますと検討がしやすいです。宜しくお願いいたします。

それに対してこんな提案を書きました。

提案文

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お子さまの夢に向かって
~〇〇〇〇の挑戦~  (内容 2分)
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〇〇地域に子どもたちの療育をめざす小さな事業所があります。
「はーいみんな。授業を始めます」
ここでは放課後の時間を使って、こどもたちの社会的自立をめざす支援を行っています。
支援にあたるのは〇人の職員。障害児支援のプロフェッショナルです。
この日、教室で行われたのは遊びながらルールを学ぶプログラムです。
教室に並べられた椅子を使ってルールを学びます。
担当のA職員。経歴は資格を持つプロフェッショナルです。
子どもたちの仕草を観察し、ノートにメモします。
「ノートにメモをとるのはそれなりの理由があります。子どもにはそれぞれ特徴がある。特徴を正確に掴むことが療育の第一歩です」
この障害児支援事務所にはこうしたプログラムが6つ用意されています。
①学ぶ、②遊ぶ、③働く、④自分で考える力や行動力を身につける知育、⑤社会性を身につける徳育、そして⑥体育です。
なぜこの6つのプログラムが必要なのでしょうか。
(事業所の掲げる志について説明)
担当A職員
「だれにも幸せになる権利があると思います。私たちは子どもたちの中に眠っている可能性を引き出すことで社会を豊かにするお手伝いをしたいと考えています」
子どもたちを待つ未来を明るいものにしたい。それがスタッフ全員の思いです。
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動画の視聴者は障害を持つ子どもさんの保護者だと思います。
視聴者がまず関心を持つのはサービスを提供する職員の信用度です。
この動画ではサービスを一本に絞りました。
そしてサービスの担い手である職員の活動に共感してもらうことで施設の持つ意義を伝えようと考えました。
椅子遊びに隠された意味が保護者の気づきに繋がれば動画は成立します。
こうしたカードがほかに5つあることを情報として紹介し、
最後は障害児支援事業所が目指す意味を現場の声として締めくくります。

依頼の背景に「動画を作成しましたが、なかなか上手くいかず、クオリティも低いものになってしまった」とありますが、それは無理もないことです。

「言いたいことがありすぎてなにを選んでいいかわからない」「門外漢にとっては驚くような世界でも専門家にとっては当たり前」当事者と視聴者との視点の食い違いを修正するのには苦労します。日常に追われている現場の人が、自分たちの姿を客観的に見るのは難しいからです。

私が提案する解決策は、情熱を持つ一人のキャラクターに語らせること。その語りを軸に事実を積み重ねることです。質問のポイントは三つ①動機、②壁、③展望です。質問の答えには情熱が上乗せされて返ってくるはずです。動画を見る人は共感をえることが出来れば満足します。

保護者の方が困った時に見れるような動画とは、共感が得られるもの。つまりメッセージが伝わってくるものであるべきです。

動画を見る限り、スタッフさん一人一人はそれぞれ高い志をもって仕事に就かれているものと推測します。それぞれのスタッフさんの思いがある限り、ネタには困らないと思われます。

動画制作を依頼いただけるとしたら
素材勝負の動画です。欲しいものはふたつあります。一つは授業の狙いがわかる授業風景と思いの込められたインタビュー素材です。

シナリオはインタビューで語られることばを想定して作ってください。
テレビのドキュメンタリーは例外なく誰に何を語らせるか想定して作られています。
動画の質は映像の綺麗さではなく、実は音です。インタビューはマイクを使うなどしてできる限り雑音のないクリアな音を拾ってください。

正味2分の内容ならば、構成と素材がまとまっていれば荒編集とよばれる初編は2~3時間でお届けできます。その初稿の修正意見をもとに正味尺に近い第二編をつくります。

テロップ原稿や音響効果は尺が固まったところで作ります。第二編とテロップの内容が確定次第完パケと呼ばれる完成版をつくります。

往復にかかるシンキングタイムは別として、実作業時間は3時間程度を想定します。

字幕テロップを作るのがYouTube動画では当たり前になっていますが文字おこしと編集は単純作業で時間がかかります。また、児童の顔はモザイク処理を行います。モザイク処理は編集ソフトでそれほど手間をかけずに処理できますが、素材や判断基準により調整が必要な場合があります。

作業は数日、日をまたぐことになりますが、のべ編集作業実働時間8時間、時間単価2,000円で1万6000円(音響効果、資料借用料を除く)を見積価格とさせていただきます。

編集は特にご希望がなければCaVinci Resolveというソフトを使い、1920×1080フルハイビジョン画質のh.264 MP4ファイルで提供します。
試写については私が所有するYouTubeチャンネルを使い、限定公開形式で公開します。

提案のポイント

動画を編集するにあたり、最重要ポイントは素材となる動画の内容です。アート系の動画は別として、動画の出来は100パーセント素材次第だからです。そのため確認すべき点は、依頼者が何を伝えたいか、そのためにはどんな素材があるのか、撮れるのかを確認します。
その上で完成尺、つまり時間数を計算して、編集にかかる作業量を推測します。報酬は作業時間に比例するので、設計図と素材を正確につかむことが欠かせません。

依頼者のメッセージを聞き出すことは依頼を受けるか否かにも関わります。依頼を労働として受けるのか、それとも仕事として受けるのかで、受託する自分のモチベーションも変わるからです。労働として受けるのであればマックジョブを覚悟して望めばいいだけです。しかし、やる気を出したいのであれば仕事として受けたいものです。なぜなら自分がやりたいテーマを選んで仕事をした方が楽しいからです。楽しいこととは楽なこというのではありません。気乗りのしない仕事は自分を苦しめるだけだからです。

依頼者が動画政策を通じて何がしたいのか、そのために制作者である自分はどんな価値が提供できるのかを考えながら提案の形にしていきます。

本件の場合は、動画制作という物理的作業より、シナリオ作りという点に依頼者の悩みが隠されています。そのためどのようなシナリオなら動画になるのか、どのようなシナリオをかけばいいのか、シナリオを書くためには何をしたらいいのか想像しながら、依頼者のなすべきことを聞き出すように書きました。

まとめ

ほとんどの動画の依頼者は動画づくりの作法を知りません。そのため作業時間や価格設定も不案内です。そのまま交渉を続けると後々トラブルになりかねません。したがって確認するのは、誰に何を伝えたいかという依頼者の狙いと素材については十二分に聞き出すことが大切です。
これから始めようとする人には参考にしてください。ただし良い提案は受注の決定打ではありません。受注の秘訣はなるべく多くの打席に立ち続けること。信頼につながる打球を打つことそれだけです。




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。