
自分が登場するYouTube動画を作るのはそう簡単なことではありません。はっきり言って成功するのは至難の業です。
ハリウッドで有名な著名YouTuberらのマネージメントを手掛けるベター・マンディッチさんはこう言います。「成功する人は独創的で怖いもの知らず。プロデューサーとして常に自分を進化させている」と。
自分の好きなことに自信を持ち、情熱を傾け続けるパワーが必要なのです。
目次
動画で夢をつかめ
そんな動画発信に今地域を挙げてなだれ込んでいるのが中国。それも都会から遠く離れた農村部であると知ってビックリです。
所得格差がハンパない農村部では娯楽も少なくインフラも貧弱です。足りない部分を補うように発達しているのが携帯ネットワークです。
いまや庶民の生活になくてはならない必需品になりました。
その中から生まれたのがショートムービーで知られるTikTok。日本では中高校生の間で使われるサービスは、中国では農家のおばちゃんまで使いこなして自己発信しているのです。
ささらに驚いたのは、こうした動画配信のサービスが続々登場していること。日本ではYouTubeが独り勝ちですが、YouTubeのない中国では巨大な市場を巡って覇権争いがおきているのです。
経済発展が遅れた中国農村部で支持される動画プラットフォーム「#快手(クアイショウ)」。2016年には3億人突破と急スピードで拡大しつつある注目アプリの存在感はTikTokと並ぶ影響力を持つている。いずれ日本にも本格上陸するかも。YouTubeと同じくらいのインパクトがあると知っておいた方がよさそう
— furutani (@kenfru3) December 18, 2019
快手(クアイショウ)現る
SNSで紹介された快手(クアイショウ)もその一つ。農村層のニーズをわしづかみにして急速な拡大を続けています。
快手の誕生は2011年(当時はGIF快手と呼ばれた)。2015年にユーザー1億人を突破すると、1年後の2016年には3億人突破と急スピードで拡大。現在、公式サイトでは「1日あたり2億人のアクティブユーザー」を謳っている。
農村から有名人になりたい。動画アプリ「快手」に夢を見て集う“沈んでいる市場”の住人たち | ハフポスト
快手(クアイショウ) はアップルストアなどで利用できます。アプリを入れなくても投稿動画の一部はYouTubeでみることができます。
YouTubeに投稿された映像を見ると、幅広い層に支持されている雰囲気が伝わってきます。
日本でも広がり始めたTikTokに比べ、快手の情報はそれほど伝わってきません。
こうみくさんが書いたTikTokの解説書によると、TikTokの強さの秘密は強力な機械学習アルゴリズムにあるということがわかりました。
農村部の人々が動画発信にのめりこむ背景の一つに、動画で一発当てて金持ちになりたいという夢があります。
動画が人生の切符になるとわかれば、力を入れる人が増えるのは当然です。
強力な必殺技を持つ TikTokを押しのけるかのように、農村部でファンを増やし続ける快手の登場に、中国テクノロジーの底力を感じざるを得ません。
快手(クアイショウ) とは何か
「快手」(kuàishǒu)知ってますか? 前にちょっとだけ紹介したんですが、世界で大ヒット中の「tiktok」の中国国内の最大のライバルプラットフォームです。
33回事業に失敗した後に「快手」を作った男。今や企業価値は1700億ドル!|中国情報局@北京オフィス|note
手に入れにくい現地事情を得る数少ないニュースソースが「中国情報局@北京オフィス」です。
このリポートに目を通せばわかるように、中国ではネット産業がしのぎを削りあう戦国時代の中にあります。
中国では、「技術の進化が人々を重労働から解放できる」とか、「ビッグデータや人工知能によってより働きやすい環境が作られる」と主張しながら、それらの技術開発や実装に関わるプログラマーが過重労働に落ち、過労死が起きていることです。
日本には過労死という言葉が定着しましたが、中国では「そんなこと関係ねえ」とばかりに超ブラックな世界が広がっています。
まとめ
経済格差に悩む農村で急増する動画投稿。急成長するサービスを支えるエンジニアの労働環境。
極端に偏ったエネルギーが世界の動画環境に急速な変化を促しています。
その変化はいずれ確実に日本にやってきます。
経済発展が遅れた中国農村部で支持される動画プラットフォーム「#快手(クアイショウ)」。2016年には3億人突破と急スピードで拡大しつつある注目アプリの存在感はTikTokと並ぶ影響力を持つている。いずれ日本にも本格上陸するかも。YouTubeと同じくらいのインパクトがあると知っておいた方がよさそう
— furutani (@kenfru3) December 18, 2019
だからこそ、中国の動画プラットフォームの動向には注目したい。なぜなら動画は社会の歪を映し出す鏡だからです。