こうして作る、低予算動画の制作術「カメラを止めるな!」

カメラを止めるな制作術
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

「ゾンビもので生中継でワンカット」

動画制作の経験がある人ならば誰もがたぶんあこがれる手法が「ワンカット」しかも長回しです。

最近はデジタル技術を使って複数のカットをつなぎ目がわからないように撮影し、編集段階でつなぎこむ作品が長回しの夢を実現しています。しかし「そんなの亜流だ」とばかりリアルな撮影にこだわり続ける制作者もいて、ワンカット撮影は憧れであり続けています。

カメラを止めるな

「ゾンビもので生中継でワンカット」というコンセプトを全面に押し出し、大ヒットとなった映画が「カメラを止めるな」です。

監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの《シネマプロジェクト》第7弾作品。短編映画で各地の映画祭を騒がせた上田慎一郎監督待望の長編。​脚本は、数か月に渡るリハーサルを経て、俳優たちに当て書きで執筆。​他に類を見ない構造と緻密な脚本、37分に渡るワンカット・ゾンビサバイバルをはじめ、挑戦に満ちた野心作となっている。

その創作の舞台裏に迫った本が出版されました。映画を見て仰天した制作者はこの本を見てさらに仰天するしかないのではないでしょうか。

なぜかというと、使用した機材が「えっ?これだけ」というほどしょぼいからです。

この本によると、高額なのがワンカットの劇中番組撮影に使用したカメラ。

レンタル価格一日7千円のSONY PXW-X2001)生産終了です。

SONY PXW-Z280

今どきアマチュアでも8Kカメラに手を出す時代です。劇場版でフルHDサイズカメラでは、画質的にも見劣りがします。

映画の制作費は300万円。一般に制作費のほとんどはスタッフの人件費。つまり日当や宿泊料、アゴアシ(食費と交通費)です。

最近はやりの街歩きバラエティですらカメラ3人、音声3人、照明+AD+AP数人、D1人(出演者側ではタレントさんのマネージャーが付く)などでスタッフ20人近くになります。

レンタルカメラでも機材費は音声、照明セットで4~5万円。これにスタッフ20人×(日当+アゴアシ)を見積もると一日ロケするだけで軽く数十万円は飛びます。

ロケが終わって編集に入ると、編集スタッフとスタジオ費用が発生するので考えてみるとテレビ番組よりもきわめて低価格と言わざるを得ません。

予算の苦労だけではありません。撮影を成功させるためには天候やスケジュールなど様々な問題を乗り越えなくてはなりません。

  • 台本とロケハン、スケジュール
  • ワンカットに使うカメラの選定
  • カメラ以外に必要な小道具
  • 天候との闘い

様々な制約を乗り越え作品を完成させた現場の知恵と工夫がこの本には詰め込まれています。ロジスティクスをしっかり固めることではじめてロケに望めることがわかります。

まとめ

書店に並ぶ映像制作の本は、映画や芸術を志向するプロ向けの本が目立ちます。この本も自主製作から商業映画の中間あたりの位置づけの本ですが、少ない予算の枠内でやりくりするところは動画制作。とりわけドラマなどの演出系を目指す人には参考になる事例集です。

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1. 生産終了




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。