料金はいくらですか?編集委託業務を考える

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

動画編集の仕事が増えています。リモートワークによる動画需要増や、YouTubeなどの動画投稿の増加が編集スキルの求人に繋がっています。

動画編集のスキルを持つ人にとってはチャンス到来です。しかし安易に仕事を受け入れると落とし穴が待っています。

今日は、最近脚光を浴びる編集委託業務について考えます。

動画編集者募集の時代

Twitterを見ていて注目したのがタレント、モデルとしても活躍したゆうこすさんが出したこの求人です。

「共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る」という著書を読んで、彼女の戦い方には大きな共感を感じました。そのゆうこすさんが動画投稿をチームで展開しようというのです。自分が若ければ早速手を上げていたかもしれません。

彼女が津イーとしたように、仕事の受発注ツールとしてよく使われるのがTwitterです。#動画編集者募集で検索を掛けると具体的な案件や報酬額を示したツイートに出会えます。

仕事探しにはクラウドワークスなどを使う方法もあります。しかし、覗いて見るとわかりますが単価が非常に安く、編集1本5千円などという”破格の”委託料も見かけます。

それでも受けてしまう人が多いのは、編集が単純労働に換算できると考えているからなのでしょう。たしかに映像を見てジェットカットするくらいの編集なら、だれでもできます。

しかし、込み入った編集になるとそう簡単なものではありません。

依頼主の意図に応える力も求められます。そのためには考えて繋いだり、これまで培った技術力でエフェクトをかけまくったりするなどの付加価値が求められるからです。

ですから、見知らぬだれかさんから格安の案件を受託するのはリスクが伴います。(委託相手から見ても、編集万のスキルが分からない状態で仕事を依頼するわけです。安いのはリスク分散の意味も込められています)

ですから、お互いのメリットを考えるなら、よほどの理由がない限りは相手の顔、つまり仕事の内容や編集者の実績がわかる相対取引の方が間違いがないのです。

映像編集の適正な業務量とは

顔が見える相手同士でも、問題を含む依頼もあります。

それは友だち価格という条件です。

友だち価格とは、顔見知りだから安くしてという身内取引です。

新たに編集をはじめたものの動画制作の依頼を受けて、受託した編集者自身が戸惑うケースも増えています。

動画編集の時間について知り合いより、初めて業務委託で動画編集を受けました。2日間で完成させて欲しいと言われ、やり始めてみたものの、全く終わる気がしません。※動画編集自体、ほとんど始めての状態です。当方の技術不足もあると思いますが、そもそも、2日間で終わる分量なのでしょうか。

・使用ソフト:ダヴィンチ

・動画の時間:一本当たり2H弱×6本(計12H)

・作業:カット、テロップ、画像挿入(全域)

委託者に伝えたところ終わると見込んで渡しているとのことですが、総計12時間以上の動画だったら1週間ほどかかりそうですが、間違っていますでしょうか。編集のお仕事している方、教えていただきたいです。

作業を委託する方も、委託される方も動画制作の実情を理解してなさすぎです。

こんな回答をしました。

気安く返事するとつらい目に遭います

放送局の動画編集では、ラッシュ試写、編集、試写、ポスプロ、試写、完プロという流れで作業が進みます。15分の番組をつくるのにかかる期間は一週間を見ています。
本件はこの日程に当てはまるものではありませんが、工程と労力を比較する目安にはなると思います。

ひと口に動画と言っても条件により制作期間は様々です。
今回の条件を、
①全体構成と完成尺が決まっている 例えば「15分の作品にしてほしい」など
②委託元がテロップ原稿、楽曲データを提供する
③エフェクトは施さない
つまり、編集は機械的に繋ぐだけ。それ以外の余計な作業はしないと仮定しても、

ラッシュ試写 12時間
編集 完成尺時間+画像挿入実時間+作業時間
試写 1時間
テロップ、音楽入れ 完成実尺+作業時間
試写 1時間
は最低かかるものと考えます。

構成が固まっていないと際限の無いやり直しが発生しかねません。
素材の中にどんな絵がどこに入っているのか。どんな音が使えるのか確認するため、編集担当は素材は通しで見て頭に入れる必要があります。

尚、作業時間は1日=8時間とします。
作業時間は編集担当のスキルにより変わります。

動画は倍速で編集できるものではありません。実時間で確認しながら行うのが普通です。倍速で編集できたとしても実時間で再生して見ないことには違和感を取り除くことができないからです。

質問には書いてませんが報酬についても委託を受ける際に決めておきます。
動画投稿に注目が集まり編集の委託業務が増えています。
委託料金も下がっていて一本数千円という単価のものも見かけます。
編集者が自らのスキル上げや、実績づくりに請け負うのならばアリですが、
仕事として安易に受けてしまうと苦しいことになります。

動画編集は安くない

動画編集の依頼でよく聞くのが、友だち価格で安くしてほしいという話です。編集のスキル上げに動画の編集代行をするのは意味がありますが、それも程度ものです。

クラウドワークスなどに出ている案件を見ると動画編集5000円というのがざらにあります。

尺縮め程度の仕事ならばそれもアリですが、テロップ入れ、音楽入れ、モザイク処理まで求められたとしたらサービス労働以外のなにものでもなくなります。

これまでも書いているように、動画制作の費用はほとんどが人件費です。作業時間をあわせて時給計算してみましょう。

まとめ

今後動画による情報発信がますます増えることが予想されます。作業が増えたからといって、動画作りにかかる作業量がスケールメリットで効率化が進むとは考えられません。

動画編集の委託を受ける際には、依頼主からの注文をよく聞きあやふやな部分をクリアにした上で返事をしましょう。自分を安売りするのは人間関係を構築したりするなど見返りが期待できる場合に絞りましょう。




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。