【参考】時代の先を行った「 エルミタージュ幻想 」の思い出

エルミタージュ幻想
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 エルミタージュ幻想 を書きます。

四月の新番組が出揃っています。

派手な演出だけど中身はどこかで見たような企画だったり、見た目は地味だけど細かいところにこだわりを感じる企画だったり、新番組は見ていて飽きません。

時代の先を行った「 エルミタージュ幻想 」の思い出

放送局の制作部門では常に新しい技術や手法に目を凝らしていて、隙あれば新しい番組づくりに生かそうとしています。

その現場に立ち会ったことがありますが、1を10や100にするのではなく、まさにゼロから1を生み出すベンチャー企業の仕事ぶりに似た熱気と緊張感に包まれた現場でした。

思い出したのがこの番組。

ロシア人監督アレクサンドル・ソクーロフさんが日本のテレビ局と共同提案した作品。エルミタージュ幻想です。

もともと当時試験放送から本格的な放送に切り替わったばかりの衛星ハイビジョン放送のコンテンツとして企画された番組でした。

出演:セルゲイ・ドレイデン, 出演:マリア・クヅネツォワ, 出演:レオニード・モズゴヴォイ, 出演:ダヴィッド・ギオルゴビアーニ, 出演:アレクサンドル・チャバン, 出演:マクシム・セルゲイエフ, 出演:ワレリー・ゲルギエフ, 監督:アレクサンドル・ソクーロフ
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最新技術を手にしたものが勝つ世界

今でこそありふれた技法の一つになりましたが、この作品が画期的だったのは、開発されたばかりのデジタル技術でした。

編集と、撮影機材を組み合わせて、ワンカットで90分を見せきるという演出は番組関係者の注目を集めました。

当然ワンカットで1幕ものの芝居のように大勢の出演者や道具を出し入れするのは不可能です。

この不可能を可能にしたのがモーションコントロールという技術でした。

新しいもの好きの放送局員の中でも、この技術を知っている人は一握り。私も作品を見て驚いた記憶があります。

技術というものはそれだけでは何も生み出しませんが、その技術を応用するアイデアが生まれて初めて大化けします。

作品をさらに長生きさせ、普遍的なものにするには技術とは別の要素が必要です。

放送の記念碑として残る「エルミタージュ幻想」を見るにつけ新商品を定番商品としていく難しさを感じます。

元祖モーションコントロール作品

モーションコントロールカメラ

カットの継ぎ目がないシームレスな撮影を可能にしたのが、撮影動作をコンピュータで制御する「モーションコントロール装置」の登場です。
登場人物の動きを重ねて撮影したものをデジタル処理で編集すると、ワンカットでシーンを撮りきることができます。

アナログ全盛の撮影現場に、初めてデジタル処理のワンカット映像が登場したことで大きな話題となりました。