海外取材の危機管理術

海外取材危機管理
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

昔のことです。放送局の番組作りに慣れてきたころ、海外取材に行くことになりました。海外取材は肉体的、精神的にタフでないとやっていけないことが、経験して初めてわかりました。

ロケには事情のわかった通訳兼コーディネーターが同行。おかげで取材はできましたが、ロケ期間中の緊張が続き消耗しました。日本で動画撮影に慣れた人でも海外ではまったく状況が変わります。これから経験される人がいたら危機管理の参考にしてください。

海外ロケはリスクがいっぱい

訪れたのは日本から飛行機で一昼夜。地球の裏側の国ブラジルです。人口のほとんどが都市に集中し未開の原野と広大な農園が入り混じっています。人種のるつぼともいわれる世界では言葉も通じません。経済状態や治安も違います。約束もほぼ守られる日本とは想像できない世界が広がっていました。

「車中のカメラはボロ布で隠すように」ロケ車を運転する現地のコーディネーターは責めるように言い続けます。金目のものを身につけていると強盗の標的になるのだと言います。白昼、交差点で一時停止した車が狙われ、運転手が手首ごと刃物で切られて腕時計を盗まれたこともあったと言います。何気ない日常が不意に非日常の姿に変わる。それが世界の常識だということを今更ながら感じました。平和な日本だけが例外だったのです。

私が海外ロケをした頃は今のような小型軽量のカメラもなく、メモリーに収録することもありませんでした。時代は代わりましたが、現役の制作者に話を聞くと、基本的なことは何一つ変わっていないと言います。

リスクに対する嗅覚。危険を察知する注意力と判断力が求められるのが海外ロケです。

盗難注意!高額機材の管理

最近はハンディカムやGoProなどで撮影するケースも増えていますが、業務用カメラの中には高級乗用車が買えるくらいの値段のものもあります。

途上国の中には国民の年収数年分に当たる価値があるので絶えず盗難のリスクに晒されます。エリアによっては殺傷されることもあるので、機材は人に見えないよう隠すなど、気を配らなくてはなりません。

ロケ中は車中足元にボロ布をかけて隠しましたが、宿舎の中も安心できません。一目見てわかるところには置かず、常にわかりにくいところに隠すように置くのが正解です。

データの整理に一苦労

撮影が終わって宿舎に戻るとデータの整理が待っています。

カメラからその日撮影した全てのデータを抜き出し、持ってきたパソコンからハードディスクにコピーします。一日の取材時間によりますがコピーするだけで2時間近くかかります。

高級機材は万が一盗難にあっても金銭的な損失ですが、撮影データは二度と撮り直しが効きません。

当然ハードディスクやパソコンの盗難も起こり得るので、コピーしたハードディスクをさらにバックアップ用のハードディスクにコピーし常に携帯しておくのが日課になりました。

充電も時間がかかる

取材する国によっては電源の事情が不安なところもあります。

撮影機材はバッテリーで動くので、充電が満足にできないと取材ができません。電源が安定して確保できる宿舎を選びます。

宿舎に戻ったら、パソコン、携帯電話、所持する撮影機材一式のバッテリーを充電します。充電が完了するまで結構な時間がかかるので明日のロケに間に合うのか不安が常に付きまといます。

緊張感の連続

ロケ期間中は、言葉が不自由な中での生活が続きます。常に取材の段取りに追われます。宿舎では取材メモの整理に加え機材のチェックが待っています。

当然睡眠もわずかしか取れません。番組が放送された後の開放感はひとしおのものがありますが、一度経験すると時間の使い方が上手くなる点だけがメリットかもしれません。

まとめ

ロケは大変だけど、撮影できればとくダネになりうるのが海外取材の映像です。私の経験した緊張感を数十倍上回る体験をまとめた本があります。

テレビ東京ディレクター上出遼平さんの「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。迫力ある内容にも圧倒されますが、今も昔も海外取材は一筋縄では行かない仕事だということを痛感させられます。

取材の現場で起こりうることを理解した上で、自分なりの取材をするように心がけましょう。




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。