
深夜の窓辺で一人、本をめくる女の子――あのLoFi動画でよく見る“あの画”を、自分で量産して長尺動画にする方法を、今回はじっくり解説するよ。
機材マニアでもプログラマーでもない、普通のクリエイター向けに、Nano-Banana(Gemini 2.5 Flash Image)を使って同じキャラクターを複数の室内背景に自然に配置する手順、コツ、演出アイデアまで全部まとめた。
コーヒーでも入れて、ゆっくり読んでほしい。
Nano-Banana で作るLoFi動画風“深夜の窓辺読書女子”画像生成ガイド
1. 最終ゴールをイメージする
今回の目標はこんな感じ:
- 夜のビル群が窓の向こうに見える部屋で、若い女性が机に座って本を読む画像を数枚作る
- 生成した画像を繋いで長尺LoFi動画(ゆるいカット割り・ループ)に編集する
- Nano-Bananaで「同じキャラクター」を複数画像に安定して配置する
ポイントは「同じキャラクターを複数の背景に自然に置くこと」。ここができれば、LoFi動画っぽい“時間の流れ”を演出できる。
2. 準備するもの
- Nano-Bananaアカウント(最新版)
- 主人公キャラクターの参照画像(自作イラスト、生成済み画像、DreamBooth学習済みトークン)
- 背景素材(窓越しに夜景が見える室内写真やCG)
- 編集ソフト(Premiere Pro / DaVinci Resolve / After Effectsなど)
- 音楽(LoFiトラック)と軽い効果音(ページめくり、時計のチクタクなど)
初心者にはわかりにくいかもしれませんが、Googleの生成AIにはImageFXとNano-bananaがありそれぞれ入り口が異なる別物です。キャラクターや背景画像の生成に際しては、前半創出段階はImageFX、後半編集段階はNano-bananaが最適解なので使い分けましょう。
3. キャラクターを登録する(Nano-Bananaのキャラ機能)

Google AI Studioにログインしたら、Nano-Banana(Gemini 2.5 Flash Image)を選択します。
まずはキャラクターを“認識させる”ステップ。
- 参照画像を用意
- 正面・3/4・横顔など、表情違いを数枚用意すると安定します。
- 実写風でもアニメ風でもOK。Midjourneyなどで生成したものでも使えます。
- Nano-Bananaにアップロード
- 「キャラクタースロット」や「カスタムトークン(例:<char:aya>)」として登録します。
- これで後のプロンプトで呼び出せるようになります。
- 似た雰囲気の複数ポーズを作る場合
- DreamBoothやLoRAを作っておくと、一貫性がグッと上がります。
- 初心者はまずトークン登録だけでも十分です。
4. 背景画像の用意と整理
- 窓のある室内ショットを複数枚用意します。用意した画像を1回の生成では1枚だけ読み込ませるのが基本です。
- 角度や照明が違うとバリエーションが豊かになります
- 机の位置は固定しておくとキャラクター配置が自然
- 夜景の雰囲気を揃えるポイント
- 窓外の建物の明かり
- ネオン色は青〜紫のグラデ
- 反射や窓ガラスの薄いぼかしを意識
- 解像度
- 1920×1080以上、できれば2K以上を推奨
ポイント
- 量産する場合は背景を順番に差し替えて生成すればOK
- 例:背景Aで生成 → 背景Bで生成 → 背景Cで生成
- キャラクターの位置・ライティング指定は同じプロンプトで統一すると一貫性が出ます
5. 合成プロンプトの書き方(日本語例)
Nano-Bananaに画像を2枚読み込ませます。
- キャラクター画像(登録済みキャラクターを呼び出す場合はトークン名を使う)
- 背景画像(窓のある室内ショットなど、使用したい1枚)
次に、プロンプトで「配置」を指示します。
例プロンプト:
<char:aya>を背景画像の左側の木製机に座らせてください。キャラクターは20代女性、セーターを着て本を読んでいる。柔らかい暖色ランプ光が顔を照らし、窓の外にはビルの夜景とネオンが見える。カメラは3/4アングル、焦点は顔。写真風、フィルムグレイン少し、自然な影、暖色系。
ネガティブプロンプト例:
不自然な手指、変形した顔、重複した指、文字がにじむ、ロゴ、過度の肌露出
ポイントは「キャラクター位置」「ライティング」「動作(ページめくりなど)」を具体的に指示しましょう。
6. 一貫性を保つテクニック
- 同じキャラに見せる
- 「同じシード」「同じトークン/LoRA」を使う
- カメラ位置・焦点距離を統一(例:50mm相当、3/4アングル)
- Pose制御
- ControlNetでポーズを固定すると微調整が楽
- ライティング
- 暖色ランプ+窓の冷色光の組み合わせは必須
7. バリエーション作り
- ページのめくり方や服の色を微調整
- 窓外ネオンの色を変える(紫→青→橙)
- 時間帯の変化(夕方〜深夜〜朝)を演出
8. 素材書き出しと動画編集
- 生成画像はPNGで書き出し
- 背景透過が必要ならInpaint/マスクで切り出す
- 編集ソフトでレイヤー分け
- 背景、人物、前景小物の順
- アニメーション案
- 微パン&ズーム(ダイナミックフォト)
- 前景に窓ガラスの反射を薄く重ねる
- ページ差し替えで「めくる」演出
- 微妙な呼吸アニメ(スケール0.5〜1%)
- ループ化
- 最初と最後をフェードやモーフでつなぐ
- LoFi加工
- フィルムグレイン、軽いネガティブ露出、Vignette
9. 演出ライブラリ(シーン例)
- シーンA:窓外ビル群、暖色ランプ、膝にブランケット、本の紙質を強調
- シーンB:雨、窓の反射とネオン滲み、ページめくり+雨音
- シーンC:朝方シフト、外が薄明るくなる、眠たげな表情
メリット・デメリット
メリット
- 同一キャラクターを簡単に再利用=ブランディング可能
- 背景差し替えで短時間に大量生成
- レイヤー処理が少なく制作効率UP
デメリット
- 手や表情が不自然になることあり(要リタッチ)
- フレーム単位アニメは難しい
- 著作権・肖像権に注意
- 生成コストと動画編集コストは別で考える
了解です!では、指摘いただいたポイントを整理して、別枠で丁寧に解説します。順番に、①キャラクタースロット&カスタムトークンの登録方法、DreamBoothやLoRAの作り方と登録、②Nano-Bananaでの画像読み込みについて、③ControlNetでポーズを固定する方法、の3つに分けて説明します。
キャラクタースロット・カスタムトークン、DreamBooth/LoRA登録方法
キャラクタースロット・カスタムトークンとは
- キャラクタースロット:Nano-Banana上で「この画像はキャラクターだよ」と認識させる場所
- カスタムトークン:登録したキャラクターをプロンプトで呼び出すための名前(例:<char:aya>)
登録手順(初心者向け)
- Nano-Bananaにログイン
- メニューから「キャラクター管理」または「Character Slot」を選択
- 「新規登録」ボタンを押す
- キャラクター参照画像を複数枚アップロード
- 正面・3/4・横顔など、表情違いがあると安定
- トークン名を入力(例:<char:aya>)
- 保存して完了
ポイント:参照画像は「できるだけ同じ雰囲気・画風」で揃えると生成結果が安定します。
DreamBoothやLoRAを使う場合
- DreamBooth:既存のAIモデルにキャラクターを学習させる方法
- 少数の画像から「このキャラクターの特徴」を学習
- 学習後、Nano-Bananaでカスタムトークンとして呼び出せる
- LoRA(Low-Rank Adaptation):学習データを軽量化して、モデルに追加する方式
- キャラクターの一貫性維持に便利
登録手順(DreamBooth/LoRA)
- キャラクター画像を準備(複数ポーズ推奨)
- Nano-Bananaの「カスタムモデル登録」からアップロード
- トークン名を付ける(例:<char:aya>)
- 学習完了後、プロンプトで呼び出して生成
ControlNetでポーズを固定する方法
ControlNetを使うと「キャラクターの姿勢やポーズを固定」して生成でき、複数背景でも同じ体勢を維持可能です。
手順(一般的な流れ)
- ポーズ参照画像を作る
- 人物のスケルトン姿勢や簡単な線画でもOK
- 3/4アングルや座っているポーズなど、使いたい姿勢を1枚作成
- ControlNetを有効化
- Nano-Bananaの生成画面で「ControlNet」オプションをON
- 「Pose」または「Pose Control」を選択
- 参照画像を読み込む
- 上で作ったポーズ画像をアップロード
- 生成時にキャラクタートークンと組み合わせる
- プロンプト例:
<char:aya>を背景画像に座らせてください。ControlNetポーズ参照画像に従う。
結果を確認
- 微調整:必要に応じてシード固定やポーズの強度を調整
- 複数背景でも同じポーズを維持して生成可能
ポイント:ControlNetは「ポーズの骨組み」を強制するイメージ。手や足の位置を正確に保ちたいときに便利。
補足メモ
- 生成順序としては:
- キャラクター登録(トークン化)
- 背景画像1枚を読み込む
- ControlNetでポーズ参照画像を指定
- プロンプトでライティング・動作・位置を指示
- 生成 → 別背景に差し替え → 同じ手順で量産
- こうすることで、同じキャラクターを自然に複数背景に配置可能になります。
まとめ
作るって楽しい。微かな光、ページの音、小さな動き――その“些細”がLoFi動画の心地よさを作る。Nano-Bananaは道具。
主役は君の感性だ。まずは数枚作って、画面の中の時間を少しずつ動かしてみよう。
できたら、ぜひ見せてほしいな。こっそりチェックするから!
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Nano-Banana で作るLoFi動画を書きます。