After Effectsを使っていると必要な部分だけ残して不要な部分は透明にしたいことってありますよね。
初心者が知りたいのは次のような困りごとです。
- プレビュー画面の背景色を黒バックではなく透明な背景にしたい。
- 背景が黒色の素材動画から黒を切り抜いて透明にしたい。
- After Effectsで作った動画を書き出す時、背景色を黒ではなく透過にしたい。
しかし、透明にする方法はそれぞれ違います。
透明といっても、After Effects上では「本当に透明な部分」は画面で見ると「黒く」見えます。
この黒は透明の黒なのか、本当の黒なのか。
初心者のほとんどは分かりません。
ここでは黒い部分を切り抜いて透明にする方法を解説します。
黒背景を透明にする三つの解決策
まずはじめは、質問でよくある「After Effectsで背景が透明な動画」の書き出し方です。
こちらはAfter Effectsの操作法というより、透過動画の作り方なので、After Effects以外のソフトを使っている人にも役に立つのではないでしょうか。
さて、本題です。
1.プレビュー画面を黒から透明にしたい
起動したばかりのプレビュー画面は背景が黒色です。
黒色だと、例えばテキストを表示すると色が重なって見えません。
そんな時は、プレビュー画面の下にあるアイコンの中から、チェッカー模様のアイコンをクリックすると背景色が透明表示になります。
このアイコン[透明グリッドアイコン]といいます。
繰り返してクリックすると黒色の画面に切りわかります。
2.背景が黒色の素材動画から黒を切り抜いて透明にしたい
次に素材の動画の中の必要な部分だけ切り取りたい場合です。
合成に使うため、必要な部分以外は透明にしたいところです。
動画素材集を見ると、黒をバックに作られた素材がよく出品されています。
こうした素材を加工すれば背景の黒色を透過させることで別の動画に合成することができます。
一般的に合成用の素材動画で使われるのは背景がグリーンになっています。
色がついた部分を透明にする作業をクロマキーといいます。クロマとは色のことです。
ところが黒の部分は色の成分が抜け落ちているため、クロマキー技術は使えません。
黒だけでなく、色の成分がない白も同じです。
色のない背景を透過するにはややこしい手続きが必要なのです。
黒背景を透過する方法はいくつかあります。
- [エフェクトプリセット]の[ルミナンスキー]を使う方法
- 「チャンネルコンバイナー」と「カラーマット削除」を使う方法
- フリーのプラグインKnoll Unmultを使う方法
- フリーのプラグインColor Vibranceを使う方法
[エフェクトプリセット]の[ルミナンスキー]を使う方法
After Effectsを起動します。素材をタイムラインに置きます。
レイヤーを選択します。白を抜きたいときは[明るさ]を[キーアウト]します。
黒い部分を透明にしたいときは[暗さをキーアウト]を選択します。
「チャンネルコンバイナー」と「カラーマット削除」を使う方法。
チャンネルコンバイナーとはレイヤーのチャンネルの値を抽出、表示、調節する機能のこと。
切り抜きたい素材の黒を消したい場合は、
[エフェクト]→[チャンネル]→[チャンネルコンバイナー]を選択して、変更オプションを「最大RGB」、ターゲットを「アルファ」とします。同時に[エフェクト]→「チャンネル」→「カラーマット削除」を選択・適用します。
仕組みは、チャンネルコンバイナーで黒部分をアルファチャンネルに変換し、カラーマット削除で黒背景と切り抜きたい素材の色が混ざっている部分から黒(色)を除くというもの。いわゆる重ね掛けです。
素材と背景がくっきり分かれているものであれば有効ですが、境界線があいまいな素材はキレが悪いです。
フリーのプラグインKnoll Unmultを使う方法
黒い部分の上にアルファチャンネルをつくってワンタッチで透過してくれます。使い方はこちらで解説されています。
フリーのプラグインColor Vibranceを使う方法
黒バックの素材を合成することができるプラグインです。アルファチャンネルの自動生成機能を搭載しています。ダウンロードはフラッシュバックジャパンのサイトから。
※5分30秒あたりに黒バックの合成について解説されています。
色が混在した背景から素材を抜く方法
テーブルの上で動くおもちゃや、壁をバックにした講演者など、色や形がまじりあった背景を透明にしたい時は、背景が動かないという条件であれば切り抜いて透明にすることができます。
切り抜きたいものがある映像と、切り抜きたいものを取り除いた映像を重ね、その差分をソフトに判断させて切り抜くという手法です。
3.完成した動画から背景の黒を透過させて書き出したい
After Effects上で背景を透過にしたつもりでも、いざ動画にして書き出すと、背景が黒になってしまうことがあります。これはマットを調整することで解決できます。
メニューバーから [エフェクト]→[チャンネル]→[マット設定 又はリニアカラーキー]を使います。
マットは、そのレイヤーまたは別のレイヤーの透明部分を定義するレイヤー(またはレイヤーのいずれかのチャンネル)です。 白は不透明部分を定義し、黒は透明部分を定義します。通常、アルファチャンネルをマットとして使用しますが、アルファチャンネルよりも透明部分の定義に適したチャンネルやレイヤーがある場合や、ソース画像にアルファチャンネルが含まれていない場合は、アルファチャンネル以外のマットを使用することもできます。
After Effects User Guide
After Effects上で書き出しをする場合[ロスレス圧縮]をクリックします。
別ウィンドウが出てくるので、形式はAVIもしくはQuicktimeを選択します。
二つの項目だけ次のように指定します。
RGB+アルファ
カラー:「合成チャンネル(マットあり)」を「ストレート(マットなし)」
以上でエンコードすると背景色が黒から透明に変わった動画が生成されます。
まとめ
After Effects でコンテンツを作る際、初期設定では背景が黒色になっています。そのため背景を透明にして書き出すことができません。
「透明グリッド」ボタンをONにすると透明な部分が白とグレーの格子状の模様で表示されますが、これは編集画面上だけの話で、このまま書き出すと透明に見えた部分は黒色になって書き出されます。
透明にするためには【アルファチャンネル付きの動画】をつくり、書き出す時は「レンダーキューに追加」から書き出す必要があります。
【Adobe Media Encoder キューに追加】から書き出すことはできません。Adobe Media Encoderにはアルファチャンネル付きの動画を書き出す設定がないからです。
背景を透過させて動画を書き出す方法/Adobe After Effects CC | カズノコブログ
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 黒背景部分を透明 を書きます。