編集時の 音量調整 の方法・ビギナー向け DaVinci Rresolve 20

編集時の音量調整の方法・ビギナー向け
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 音量調整 の方法・ビギナー向け DaVinci Rresolve 20を書きます。

「いや〜、撮ってみたはいいけど…自分の声ちっさ!BGMでかっ!」
DaVinci Resolve 20 に乗り換えたら、まずここでつまずきますよね。わかります…。

この記事では、DaVinci Resolve 20 の新機能を紹介しつつ、
初心者さんでも「とりあえず今日からマシな音になる」レベルまでゆるっと解説していきます。

編集時の 音量調整 の方法・ビギナー向け DaVinci Rresolve 20

まず結論:初心者はこの 3 つだけ覚えれば OK

  1. EDIT(エディット)ページでクリップの白い線を上下して音量を上げ下げする
  2. Alt(Option)+クリックで “キーフレーム” を打って、一部分だけ音を変える
  3. 右クリックの「オーディオレベルをノーマライズ」で、バラバラな声の大きさを揃える

基本がわかってきたら、DaVinci Resolve 20 から入った
「AI Audio Assistant(AIオーディオアシスタント)」を使ってみましょう、これは優れもの。かなりラクできます。(blackmagicdesign.com)

細かいプロ向けの Fairlight テクは一旦置いておいて、
「YouTube にアップしても恥ずかしくない音」にするところまで、順番にやっていきましょう。

音の基本ルール:「台詞が王様」

プロのポスプロ現場でよく言われるのが、

Dialogue is King(台詞が王様)

です。
BGM や効果音よりも、まずは人の声がちゃんと聞こえることが最優先

大ざっぱな目安としては…

  • 会話・ナレーション:メーターがだいたい −12dB 前後
  • 会話の裏で流す BGM−18〜−20dB くらい
  • 会話がないシーンでのBGM−12〜−15dB くらい

そして絶対に守りたいのが、

ピーク(いちばん大きいところ)が 0dB を超えないこと

ここを超えると「バリッ」と音割れしてしまい、あとからほぼ修復不能です。

STEP1:EDIT ページでクリップ全体の音量を上げ下げする

まずは一番よく使う基本技から。

タイムラインの「白い線」で調整

EDITページ
  1. 下部のタブから 「Edit」ページ を開きます
  2. タイムラインのオーディオトラック(波形が見えるところ)を
    下辺をドラッグしてグイッと広げます
    → 波形が見やすくなって作業しやすくなります
  3. 各クリップの波形の真ん中あたりにある白い横線が、「クリップボリューム」です
  4. その白線をマウスで上にドラッグ=音量アップ / 下にドラッグ=音量ダウン

🔊 シーン例:部屋で喋ってるだけの Vlog
自分の声が小さいな…と思ったら、喋っているクリップの白線を少し上げてみましょう。
目安としては、再生しながらメーターの黄色あたり(−12dB 前後)に山が来るくらい。

インスペクタからも調整できる

白線だけだと感覚的すぎて不安…という人は、

  1. 調整したいオーディオクリップを選択
  2. 右上の 「インスペクタ」 を開く
  3. オーディオ → ボリューム のスライダーで数値(dB)を見ながら調整

こちらは再生しながら滑らかに調整できるので、
「どのくらい上げたかを数字で覚えておきたい」人に便利です。

STEP2:一部分だけ音量を変えたいときは「キーフレーム」

「この一言だけデカい」「笑い声だけちょっと耳に痛い」
みたいなときは、キーフレームを使います。

キーフレームの打ち方

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 02.png
  1. 調整したいオーディオクリップをタイムラインで広めに表示
  2. 波形の上の白い線の上で
    • Windows:Alt + クリック
    • Mac:Option + クリック
      すると、白い丸(キーフレーム)が打たれます
  3. 「音が下がり始めるポイント」「下がり終わるポイント」…という感じで
    2〜4個くらいキーフレームを打つ
  4. 真ん中のキーフレームを下にドラッグして音を下げる
    → 白い線が斜めになり、「徐々に音が下がる」カーブになります

🎧 シーン例:カフェで Vlog を撮ったら、皿の「ガチャン!」が爆音だった
皿が当たる瞬間の前後にキーフレームを 4 つ打って、
その間だけ白い線をグッと下げると、「ガチャン」だけ控えめになります。
元の音を殺さず、耳に痛くない感じにできるのでかなり実用的です。

STEP3:クリップごとにバラバラな声を一気に揃える「ノーマライズ」

インタビューやロケだと、

  • 1カット目:マイクが近くて声デカい
  • 2カット目:マイクからちょっと離れて声が小さい
  • 3カット目:屋外で風が強くて聞き取りづらい

…こんなバラバラなこと、よくありますよね。

そういうときに便利なのが 「ノーマライズ」 機能です。

ノーマライズのやり方

  1. 声のクリップを まとめて選択(Ctrl / Cmd+クリックで複数選択)
  2. 右クリック → 「オーディオレベルをノーマライズ」
  3. ダイアログが出てきたら、
    • タイプ:ピーク
    • ターゲットレベル:−9dBFS 前後
      を目安に設定して OK

DaVinci Resolve が自動で
「それぞれのクリップの一番大きいところ(ピーク)が −9dB くらいになるように」
音量を揃えてくれます。(Blackmagic Design Documents)

そのあとで、微妙な差は白線やインスペクタで手作業調整すれば OK。

🎬 シーン例:立ち位置が変わりまくるトーク番組風の動画
カメラ位置や距離が変わると、どうしても声の大きさが揃いません。
先にノーマライズで「だいたい同じくらい」にしてから、
気になるところだけキーフレームで微調整する、という流れが効率いいです。

STEP4:トラック全体のバランスを整える(会話・BGM・効果音)

クリップ単位の調整が終わったら、次はトラック単位のバランスです。

  • トラック 1:メインの会話
  • トラック 2:BGM
  • トラック 3:効果音(ボタン音・環境音など)

みたいに分けている人が多いと思うので、
それぞれのフェーダー(音量スライダー)でバランスをとります。

ミキサーを表示してトラックごとに調整

  1. 右上の 「ミキサー」 を ON(Fairlight ページでも、Edit ページでもOK)(blackmagicdesign.com)
  2. 各トラックに縦のメーターとフェーダーが出ているので、
    • 会話トラック:再生時に −12dB 前後
    • BGMトラック(会話中):−18〜−20dB
    • 効果音:シーンに合わせて −10〜−30dB
      を目安にフェーダーを上下

🎮 シーン例:ゲーム実況

  • 自分の声(トラック1):−12dB くらい
  • ゲーム音(トラック2):−18dB 程度(声よりちょい小さめ)
  • 効果音・ジングル(トラック3):一瞬だけ −8〜−10dB くらいまで上がる

こんなイメージでバランスをとると、うるさすぎず、でも迫力は残せます。

STEP5:Resolve 20 の「AI Audio Assistant」に丸投げするという手もある

DaVinci Resolve 20 から登場した AI Audio Assistant は、
簡単に言うと「とりあえずいい感じに全部やっときましたよ」というすごいやつです。(blackmagicdesign.com)

  • 声・BGM・効果音のレベル調整
  • ある程度のノイズ除去
  • BGM の自動ダッキング(声のときだけ BGM を下げる)
  • 会話の聞きやすさアップ

…みたいなことを、AI がまとめてやってくれます。

ざっくりした使い方の流れ

  1. 声・BGM・効果音をそれぞれ別トラックに分けておく
  2. Fairlight ページで、対象のトラックを選択
  3. Audio Assistant を開いて
    • そのトラックが Dialogue / Music / SFX のどれかを指定
  4. 「Analyze」的なボタンを押して解析
  5. プリセットを選んで適用

もちろん万能ではないので、
最後は耳で聞いて微調整する必要はありますが、
「ゼロから全部やる」のと比べると、かなり時短になります。

🤖 「細かいことはよくわからん!とにかく今よりマシになってくれ!」
というときの、最後の切り札として使うイメージです。

どこまで Fairlight を触ればいい?

Fairlight ページは、正直プロ用の沼です。(blackmagicdesign.com)

  • Dialogue Leveler(声を自動で均一にしてくれる)
  • Ducker Track FX(声が出たら自動で BGM を下げる)(Vook(ヴック))
  • EQ(声の聞きやすさを調整)
  • Dynamics(コンプレッサーで音の強弱を詰める)

…などなど、覚え始めるとキリがありません。

中を開くと調整パネルだらけなので、初心者のうちは触らなくても大丈夫。

YouTube や個人制作レベルなら、まずはこんなスタンスでOKです。

  1. 基本は Edit ページ で白線・キーフレーム・ノーマライズ
  2. 物足りなくなってきたら、
    • Dialogue Leveler
    • Ducker(自動ダッキング)
      あたりから少しずつ触る

「いきなり全部やろうとして疲れて Resolve を閉じる」より、
ちょっとずつ範囲を広げていく方が、結果的に力になります。

まとめ:今日からできる「音量調整ルーティン」

最後に、初心者さん向けのチェックリスト風まとめです。

  1. 音割れチェック
    • 再生しながらメーターを見て、0dB を超えて赤くなってないか確認
  2. Edit ページでクリップごとの白線を調整
    • 声が小さければ少し上げる
  3. 一部だけうるさいところはキーフレームで下げる
    • 皿の音・笑い声・歓声など
  4. 会話クリップをまとめてノーマライズ
    • ピーク −9dB くらいを目安に揃える
  5. ミキサーでトラック全体のバランスをとる
    • 声を −12dB 前後、BGM を −18〜−20dB くらいに
  6. 余裕があれば AI Audio Assistant で一括お掃除

これだけでも、「声が聞き取りやすい動画」にはかなり近づきます。

付録 ノイズの補正方法

雑音が入ったオーディオファイルの場合、音量を上げると雑音もひどくなります。

こんなお悩みは「Fairlight」ページである程度改善できます。

フェアライト( Fairlight )には主に4つの大きな機能があります。

ボリュームコントロール(Volume Control)
エディットページにもある音量調整ができます。

パンニング(Pannnig)
ステレオや5.1chなどの映像で使われる効果です。前後左右に音源を動かすことで、音の立体感を出すのがパンニングです。

ダイナミクス(Dynamics)
小さい音を大きくしたり、大きい音を小さくするなど、ボリュームコントロールでは調整しきれない微細な音の強弱を調整する機能です。

イコライジング(EQ)
音声信号の周波数特性を変更する機能です。

  • 余計な音(不快な音、必要のない音)をカットして心地よい音にする。
  • 音色を作るためにEQを使う。

例えばインタビューした人の音声が周囲の雑音で聴きにくい場合。この場合は人間の声の周波数以外の周波数をカットすることで雑音を取り除きます。

やり方は別記事にまとめました。

高度な調整はプロに任せよう

音の編集は奥が深く、映画やミュージックビデオなど、音のエンジニアが活躍するためには、深い知識と確かな技術の積み重ねが必要です。

これから音の世界を極めよう。音で生活していこうと考える人であるならば、フェアライト( Fairlight ) に挑戦してみてください。

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