
たまに聞かれるのが「偶然の映り込み」という問題。
著作権的にどうなのでしょうか。
ロケにも出かけました。番組づくりは「絵が撮れてなんぼ」の世界ですから現場では苦労したものです。
撮っていいものダメなものは、その場に行ってみないとわかりません。最近の番組で取材班が現場でロケの了解をとりつけるシーンを見ると身につまされます。
具体的には、例えば「渋谷の雑踏」を撮影する際に、看板に描かれたキャラクター広告が映り込んでしまった場合などです。また、インタビューの最中に店頭などで流れているBGMが入ってしまった場合なども含まれます。
著作権の扱いが厳しくなってきた昨今、アウトと言われないようにするためには注意をしなくてはなりません。
「写り込み」はセーフかアウトか
著作物の「写り込み」を放送番組ではどうとらえているのでしょうか。
答えは「問題なし」だそうです。
平成24年に行われた著作権法改定で新設された条文の一つに「付随対象著作権の利用」(30条の2)があります。いわゆる「写り込み」はその用途や目的にかかわらず全て適法になることが明確になりました。
とどのような場合が適法な写り込みになるかというと、写り込んでしまった著作物が、①本来の収録対象し分離困難であり、②軽微な構成部分となるに過ぎず、③著作権者の利益を不当に害しない場合とされています。
本来の目的を撮影している時、やむを得ず著作物が写り込んでしまっても慌てることはないということです。安心して撮影や編集に臨むことができるのは制作者にとって負担が一つ減ることになります。