似顔絵を動画で公開する時の注意点

似顔絵注意点
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

似顔絵が誹謗中傷に当たるとして描いた漫画家が訴えられました。

最近、テレビや動画で、本人の写真の代わりに似顔絵を使うケースをよく目にします。

本人の映像や写真が手に入れられなかったり、手に入っても本人の了解が取れないような場合に使う場合などで使われているようです。

他人の似顔絵を動画で公開しても問題はないのでしょうか。

動画制作における似顔絵の利用

NHKと民放の弁護士がまとめた本によると過度に侮辱的な描き方をするなど、特に本人に不快感を与えるような場合でなければ問題ないでしょう。とあります。

ポイントとなるのは、描かれた本人が感じる“著しく不快感”の程度です。本人が深いと感じた場合、肖像権侵害や名誉感情を侵害されたとして訴えられる可能性があります。

“著しく不快感”とは抽象的な表現ですが、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。

一般的には本人を侮辱する表現や、手錠・腰縄姿のようなものを指すと言われます。名誉感情を害する似顔絵は訴えられる可能性が高いのです。

似顔絵と肖像権

人物の似顔絵を描いて動画に掲載する場合、似顔絵を描いた画家が持つ「著作権」と、似顔絵を描かれた人が持つ「肖像権」が発生します。

肖像権とは、肖像(容姿やその画像など)に帰属される人権のことです。

ただし、似顔絵の持つ肖像権は、写真の持つ肖像権とは若干扱いが異なります。

似顔絵を描く行為は、本人をあるがままに撮影した写真とは異なり、似顔絵を描いた作者の主観や技術が反映されるものです。ですから写真が持つ影響力よりも侵害の程度は限定されると言われています。

有名人と無名人の違い

人権は平等です。

ただし、政治家のように広く社会から批判を甘受すべき立場にある人物に対しては表現の自由が尊重される場合がありえます。

また芸能人やスポーツ選手のように肖像が経済的な価値を持つ場合、無断で使用するとパブリシティ権1)人に備わっている、顧客吸引力を中核とする経済的な価値を保護する権利というまた別の要素を侵害するとして訴えられる可能性があるので注意が必要です。

社会的地位がある人、政治家や公務員、芸能人やプロスポーツ選手、報道関係者などの公的な性格を持つ職業は撮影に対して「受忍すべき限度」が広くなると言われます。あなたは有名なのだから多少のことは我慢しなさいということです。

トラブルを避けるには

番組制作をしていると思いも掛けないリスクに遭遇することがあります。普通の暮らしを普通にしている限りとっぴな事例に直面することはありませんが、判断に迷うこともあります。判断に迷ったら即専門家に相談することがトラブルを回避する最善の方法です。

まとめ

似顔絵ではありませんが、人物画を動画に掲載する際不快に感じるような表現は十分注意すべきだと感じた出来事がありました。

番組で人種差別の問題をわかりやすく説明するため使ったイラストが表現が不適切だと批判され放送局が謝罪に追い込まれたのです。

制作側の狙いは人種差別の背景を絵解きして伝えることにありましたが、描き方に配慮を欠いた結果、制作者側の意図と違った「絵の描き方に潜む差別的な意識」ついて批判を浴びることになってしまったのです。

Aのためになると思ってやったことが、Bに対する配慮が欠けていたことからBによって批判されてしまったわけです。

動画を制作する上で、いついかなる方向から批判の矢が飛んでくるとも限りません。制作にあたっては注意と配慮を意識し続けることが大切です。

References   [ + ]

1. 人に備わっている、顧客吸引力を中核とする経済的な価値を保護する権利




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。