クリエイターなら知っておきたい 著作権事件 ベスト10

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 著作権事件 を書きます。

放送番組を作る時よくあるのが著作権に関するトラブルです。

著作権はカネが絡むためプロの間ではクリティカル(極めて危険)な問題です。

お金が絡まない分には交通ルールと同じです。注意していればトラブルを避けることが出来ます。

クリエイターなら知っておきたい 著作権事件

著作権に関するトラブルを未然に防ぐには、ケーススタディに目を通すのが早道です。

陥りやすい典型例が分かるからです。

初心者におすすめしたい本をご紹介します。

デザイナーのための著作権ガイド

著作権に関する問題をQ&A形式で見ていく内容の初心者向けのガイド本です。

デザイナー向けと書かれてはいますが、動画制作者にとっても役に立つ本です。

本書には過去話題を集めた著作権侵害事案がまとめられています。

  • パロディ・モンタージュ写真事件
  • 祇園祭ポスター「水彩画」模写事件
  • 東京アウトサイダーズ「スナップ写真」無断使用事件
  • ポパイ・ネクタイ事件
  • 交通安全スローガン(標語)の類似事件
  • 顔真卿自書建中告身帖事件(がんしんけいじしょけんちゅうこくしんちょうじけん)
  • 「図説江戸考古学研究辞典」の著作権侵害事件
  • 照明カタログ「書」複製事件
  • 藤田嗣治絵画複製事件
  • イラストの無断転用事件

著作権にまつわるトラブルはこうした大事件を経てルール作りされていったといても過言ではありません。

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パロディ・モンタージュ写真事件

写真の無許諾による改変・利用を巡り争われた事件

山岳写真家・白川義員の写真作品の一部が、フォトモンタージュ技法を用いてグラフィックデザイナーのマッド・アマノによって無断合成されたことに端を発する日本の民事訴訟事件。このモンタージュ写真は、原著作物である白川の雪山写真の本質的な特徴をそのまま感得できることから、パロディや風刺目的であるか否かを問わず権利侵害であると最高裁で示された。

祇園祭ポスター「水彩画」模写事件

他人が撮影公開した写真を無断使用し水彩画に翻案した事件。風景写真の著作物性と複製権・翻案権および同一性保持権・氏名表示権の侵害が争われた事件。

他人が撮影した祇園祭の写真を使って水彩画のポスターを制作したことが著作権侵害に当たるかどうかが争われた事案。判例では「構図、撮影ポジション・アングルの選択、露光時間、レンズ及びフィルムの選択」について創作性を認め、表現をなぞった水彩画のポスターについては翻案権を侵害しているとされた。

意外と知らない著作権AtoZ(52)祇園祭の写真を模写した「水彩画」は写真の著作権侵害になるか?[2008.3.13東京地裁判決] : 2011|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

東京アウトサイダーズ「スナップ写真」無断使用事件

家族写真が無許諾で書籍に掲載されたことを巡り、スナップ写真の著作物性と著作権侵害が争われた事件。

「被写体の構図やシャッターチャンスの捉え方において撮影者の創作性」が認められ、著作物性を有するとして、「素人が日常生活の中で無造作に撮影したと思われるスナップ写真」には著作物性が希薄であるとする出版社の主張を退けた。

ポパイ・ネクタイ事件

漫画キャラクターが描かれたネクタイの販売を巡り、キャラクターの著作物性や保護期間などが争われた事件。

交通安全スローガン(標語)の類似事件

スローガンの著作物性および類似作品における同一性と複製権侵害が争われた事件。

チャイルドシートの普及キャンペーンに使われた標語についての裁判です。損保協会と広告代理店が制作したスローガン「ママの胸より チャイルドシート」は、「ボク安心 ママの膝より チャイルドシート」という俳句調の交通安全標語をつくった原告の著作権を侵害するか? が争われた。結論は、俳句調の交通標語は著作物として認められたものの、前者のスローガンは、俳句調の原告作品を複製ないし翻案したものとはいえない。とされた。

顔真卿自書建中告身帖事件(がんしんけいじしょけんちゅうこくしんちょうじけん)

書画の所有者に無許諾で、書の複製・刊行をした行為を巡り所有権侵害が争われ、所有権と著作権の区分が明瞭にされた事件。

唐代の書家である顔真卿の真蹟である「顔真卿自書建中告身帖」(「自書告身帖」)の所有者である博物館が、この「自書告身帖」を無断で複製し販売した出版社に対して、所有権(使用収益権)の侵害を理由に、出版物の販売差止とその廃棄を求めた民事訴訟事件である。1984年(昭和59年)の最高裁判決は、当該著作物はパブリックドメインであるとし、博物館側は敗訴した。

「図説江戸考古学研究辞典」の著作権侵害事件

江戸時代の浮世絵を模写した絵画が無許諾で書籍に掲載されたことを巡り、模写による絵画の著作物性の有無と著作権侵害かが争われた事件。

知財高裁は模写絵の著作物性を「その成果物が著作物であるかどうかは、制作結果ではなく、その制作過程において、制作者自身の『精神的創作』行為が発揮されたかどうかで判断」すべきであるとし、控訴を棄却した。

照明カタログ「書」複製事件

照明器具のカタログを作成するにあたり、モデルとなった室内に飾られた書画の写り込みが争われた事件。写り込んだ書の著作物性と複製権・翻案権および氏名表示権・同一性保持権侵害が争われた。

藤田嗣治絵画複製事件

ある出版社が、藤田嗣治の絵画を出版しようとして、絵の著作権を相続した藤田の妻に許可を求めましたが失敗。出版社は絵画の掲載は断念しましたが、本の解説に使う原稿の「補足図版」であれば許諾はいらないと考え、許諾を得ることなく掲載したところ著作権侵害として訴えられました。無許諾で書籍に掲載されたことを巡り引用か複製権侵害かが争われた事件です。「それ自体、独立して鑑賞することができる場合には、引用とはいえない」として出版社側が敗訴しました。

イラストの無断転用事件

広告のイラストを無許諾で転用したことを巡り、広告主・広告代理店が多額の賠償金を支払わざるを得なくなった事件。

デザイナーのための著作権ガイド

「デザイナーのための著作権ガイド」です。デザイナー向けとありますが、よくある質問を一問一答形式で説明しているため、関心のある事案だけ読み進むこともできます。

  • 竹久夢二のイラストを広告に使いたい。
  • 本に掲載されている尾形光琳の複製写真を二次利用したい。
  • 他人の描いたイラストや絵画をアレンジして使いたい。
  • 出版物に掲載された風景写真を模写してコンテンツとして発表したい。
  • 市販の地図をそのままポスターに使いたい。

竹久夢二は没後歳月が経過して保護期間が満了しているため使っても問題ありません。尾形光琳も同様です。複製写真は著作権が認められないので撮影者の許諾を得る必要はありません。

他人が描いたイラストは作者の著作権があるのでアレンジするにつけても許諾が必要です。出版物の風景写真は模写して別の作品を作るにせよ撮影者の許諾が必要です。

市販の地図は国土地理院が制作したものがほとんどです。国土地理院が著作権を持っているので許諾が必要です。

本書では、QAをさらに深めた解説や根拠となる判例なども示されているので知見を深めたい中級者にもおすすめです。

著者は放送局や出版社で著作権・契約関係を担当する三人の専門家や弁護士です。作る側の悩みを熟知した人が携わっているので視点も制作者に近く、説明もわかりやすいのが特徴です。

本書には平成28年度版ではありますが著作権法、さらに契約書サンプル例が三例(イラスト作成、写真撮影、原稿の利用許諾)掲載されているので活用もできます。

まとめ

著作権に関係する事件は数多く発生しています。

放送関係者といえども法律に関しては素人なので案件に遭遇したら、よく似た事案をおさらいした上で著作権に詳しい弁護士に即相談するのが吉です。