【法律】子ども向け “虎の巻”「小中学生のための初めて学ぶ 著作権 」がわかりやすい

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 著作権 を書きます。

よく聞かれるのが著作権についての悩みです。

とくに子どもに説明する立場の人ほど、著作権の仕組みをどうやって説明したらいいか悩みます。

校の課題で著作権についてまとめることになりました。
YouTubeの動画で「〇〇してみた(踊ってみた・歌ってみた)」や「ゲーム実践(解説)動画」は著作権に抵触していますか?
またこのことについて詳しく教えてください。

難しい用語を使わずにまとめられたとっておきの虎の巻をご紹介します。

Amazonで著作権を探す

子どもでもわかる 著作権 “虎の巻”

著作権は著作物にまつわる様々な権利をひとまとめにしたものなので範囲が広く、つかみ所のない法律です。

ざっくりいって「人が作ったものにはつくった人の権利があり、勝手に使ったりすると権利が侵害され争いごとになる」というもの。

金銭が絡むことが多いので法律は細かな所まで線引きが行われています。

自分目線ではなく、作った人目線で考えてみると著作権抵触の判断がしやすくなるかと思います。

個別の問題に頭を悩ませる前に、全体を見渡したおくと理解が進むことがあります。

小中学生のための初めて学ぶ著作権

はじめて学ぶ人に勧めている本があります。
小中学生のための初めて学ぶ著作権」(岡本薫著)です。

元文部科学省著作権課長という国の実質中心に近いところで働いていた人です。

日本の著作権の問題を痛烈に批判する書きぶりも新鮮で、第27話などを読むとプロの放送局員が読んでも「なるほどそうだったのか」かという気持ちにさせられます。

著者の岡本薫さんは[1] … Continue reading日本の著作権のプロです。

著作権は法律ではありますが、著作者や著作物で稼ごうとする業者・団体の利権にまみれた法律なので、どちらかというとそういった人たちの文句を聞き、調整することの多い法律です。

したがって調整役となる役人の果たす役割はけっこう大きいといえます。

そんな立場の人が小中学生向けに書いた本ですからわかりにくいはずがありません。

そもそもの成り立ちからはじまって、「あるある」問題に至るまで、飽きっぽい子供向けに、著作権のあらましがまとめられているので勉強になります。

Q.「万葉集」のような古いものをコピーする場合も、作家の子孫の了解が必要か?

Q.美術館で無断で絵を「写真撮影」したり、本屋で立ち読みしながら本の一部を無断で「写真撮影」して「メール送信」してはダメ?

Q.歌手が歌っていた曲をカバーして発売する場合、うたっていた歌手の了解を得なければならない?

私たちが直面しがちな問題も、具体的な事例をあげながら解説してくれるので、ぼーっとした頭にもスイスイ著作権の基礎がしみこみます。

どんな契約も「全員が不満足」で当たり前

著者が言いたいのは、権利を持つ人の利権の調整ではありません、

日本人の多くはうすうす気づいていると思いますが、契約が苦手です。

実は、この日本人の持つ特性が著作権をますます難しくしていると著者は言います。

著作権というものは、実は「みなさんが大人になったときに、日本人は自由と民主主義を使いこなせるようになるのか?」–という、日本全体の将来に影響する「非常に大きな問題」と深く関係しているのです。

まとめ

質問の答えですが、YouTubeには「限定公開」という隠し機能があります。

自分がこのような動画を作ってみたとして、どのような方法で公開するかによって答えが変わります。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」

かつて、大笑いしながら情けない気持ちにさせられたコントがありました。

こうしたマインドを捨てない限り、日本の未来はないという意見には気づかされます。

References

References
1 元・文部科学省著作権課長・同学習情報課長。東京大学理学部卒。文部科学省の5つの課で課長職を歴任するとともに、内閣審議官(総理大臣タスクフォースのメンバー)として「ミレニアムプロジェクト:教育の情報化」を策定。また、主要先進国の代表で構成する「ストックホルム・グループ」のメンバーとして「著作権インターネット条約」の策定に主導的役割を果たす。2006年から2017年まで政策研究大学院大学教授さんは元文科省著作権課長