はじめに|定年後に挑戦した YouTube の世界
はじめまして。私は定年退職した元テレビディレクターです。現役時代は情報番組やドキュメンタリーの制作に長年携わってきました。そんな私が、退職後に思ったのは「今までの経験を社会に活かせないか?」ということでした。
動画制作スキルはある。ただし、営業力がないため個人で案件を取るのは難しいと実感。そこでまずは「自分のスキルを知ってもらう場」としてYouTubeにチャレンジすることに決めました。
YouTubeはビジネス系ユーザーが苦手とする「動画投稿」のハードルを下げられる場でもあり、SNS投稿支援の実績づくりとしても有効です。
SNSにはそれぞれの癖というか、作り方運営の仕方の違いがあります。そこでYouTube・Instagram・TikTokを立ち上げ、収益化が明確なYouTubeに注力する戦略を取りました。
開設1ヶ月目|複数チャンネルで迷走。そして「読書」に絞る
チャンネルを始めた最初の1ヶ月は完全な迷走状態。以下の3つを同時進行していました。
- 地域情報を発信するローカルチャンネル
- 新刊書を紹介する読書チャンネル
- 地産地消をテーマにしたインスタ向けチャンネル
どれも再生数ゼロ、登録者ゼロ。しばらく投稿を続けヒット作も出ましたが、需要のないジャンルでは、”自分がどんなに良い”と思う動画を作っても再生されないことを痛感しました。
経験を社会に還元するという目的を達するには、趣味で続けるような動画にフォーカスするような姿勢では評価がうけられません。
そこで方針を見直し、「読書チャンネル」一本に絞り2025年1月新たなチャンネルをつくりました。
内容は30秒で数冊を紹介するショート動画形式にフォーカス。さらに目標を「登録者500人」と設定して、2025年1月新たなチャンネルをつくり、7月10時点で171人の登録者を数えました。

登録者150人を達成した5つの工夫
1. 自分の興味が続くジャンルに絞った
趣味で続けるような動画チャンネルでは評価されないといいましたが、YouTubeで長く続けるには、「自分が飽きないテーマ」が絶対条件です。私の場合は読書が放送という仕事につながる情報源だったこともあり、ミステリーや受賞作を紹介するチャンネルを選びました。
- 書影の素材がすぐに見つかる
- フォーマットを固定化しやすい
- ネタが尽きにくい
次に重要なのが「勝ち馬に乗ること」。作品の評価をくだすのは作り手ではなく、受け手である視聴者にあるからです。視聴者に興味をもってもらう動画をまず第一に考えることが重要です。
編集フォーマット作りにあたっては、自分で評価を決めず、視聴者の反応で「勝ち動画」を判断。比較的若い競合チャンネルの中から成果を出している動画を分析し、模倣できそうなフォーマットを見つけ出しました。「素直に模倣」することで成果につなげました。
2. サムネイルとタイトルを改善
チャンネルを伸ばすためにはテクニックも重要です。特にクリック率と呼ばれるサムネをクリックして動画を見てもらう数値は、登録者を伸ばす上で決定的な鍵を握ります。
動画制作と同等の力をサムネデザインに咲きました。
最初はシンプルな文字だけのサムネイルでしたが、Photoshopで統一感を出したデザインに変更。BGMや効果音もパターン化して、「視聴習慣を育てる仕掛け」を作りました。
さらに、タイトルに「おすすめ」「3選」「ランキング」など検索されやすいワードを挿入し、検索流入を意識した構成へと転換。結果的にクリック率の向上につながりました。
3. 最初の5秒で引き込む動画構成に
クリック率に続いてYouTubeで重要なのは、「視聴維持率」と「総再生時間」です。動画を見始めた視聴者が視聴をやめるまでの時間を伸ばすには、最初の5秒で「面白そう!」と思わせることが鍵です。
- 背景には生成AIを活用した印象的な動画素材を使用
- 大きな文字とナレーションで短時間で伝える構成に
- 顔出しは避け、視認性とテンポ重視のデザインにシフト
「視聴維持率」を伸ばすことは「総再生時間」を伸ばすことにつながります。
顔出ししなかった理由は、「高齢の顔はYouTube市場で受けにくい」という現実を受け入れたため。視聴者に寄せた判断が功を奏しました。
4. コメントと「いいね」に必ず返信した
いただいたコメントはそうありませんでしたが必ず返信し、視聴者との距離感を縮める姿勢で望みました。そうすることで、
- 同じ人が何度もコメントしてくれる
- 動画の再生回数が安定して伸びる
- 新しい企画のヒントも得られる
という好循環が期待できたからです。視聴者の本音が集まるコメント欄は「推し活」と密接な関係があります。
5. 通常動画を捨てて「ショート動画」に集中した
読書チャンネルには今のところ長尺の通常動画が一本もありません。長尺の通常動画は収益化を考えると重要なコンテンツです。
時間と工数がかかる通常動画は思い切ってやめて、ショート動画に特化しました。ショートは拡散性が高く、初心者でも再生されやすい特性があります。
ショート動画を作るにあたっては、ナレーションは人工音声、背景動画は生成AIを活用するなどコストをかけずに時短できる環境づくりをおこないました。
目的が「自分のスキルの認知」なので、ショート動画を通じて動画編集・構成力の実力を証明する方が効率的だと判断しました。
登録者150人を達成して見えてきたこと
当初は再生数も少なかったものの、ある日を境に「検索流入」が発生。バズはしませんでしたが、以下のような“育つ動画”が出てきました。

- 投稿直後に伸びなくても、検索経由でじわじわと再生
- 継続投稿で、YouTubeからの評価が上昇
- 一本あたり2000回以上の安定再生も出現
YouTubeの収益化条件には、
- 登録者500人
- 90日間でショート動画300万回再生
などがありますが、検索に強い“資産型動画”を積み上げることが突破の近道と感じています。
ショート動画運用のメリット・デメリット
ショート動画投稿に注力した結果、幸いなことにチャンネル登録者を順調に伸ばすことができました。しかし、登録者が増えたことを単純に喜んでばかりはいられません。メリットとデメリットをまとめます。
✅ メリット
- 拡散力が高く、少ない再生数で登録者が増える
- 編集時間が短く、投稿頻度を維持しやすい
❌ デメリット
- ファン化しづらく、視聴者が定着しにくい
- チャンネル内リンクへの誘導が弱い
そのため、ショート動画での集客+長尺動画での育成という二軸運用が今後の鍵になりそうです。
よくある失敗とその改善ポイント
失敗 | 改善策 |
---|---|
❌ サムネイルにこだわらなかった | アナリティクスで冒頭離脱率をチェック。視聴率が低い動画はデザインやタイトルを変更 |
❌ 長すぎる動画で視聴維持率が悪化 | 30秒のショートに絞り、テンポを重視 |
❌ 投稿内容に一貫性がない | 「おすすめ3選」や「ランキング」など柱となる企画で統一感を持たせる |
今後の目標と読者へのメッセージ
🎯 目標:「登録者500人」→収益化へ
今の数字は「地道な改善と継続」の成果です。どんな初心者でも、方向性と工夫さえあれば、数字は必ず動きます。
収益化条件の中で300万回再生は高い壁ではありますが、ロングスパンで視聴してもらえるような動画を作ることで達成したいと思います。
✅ 成功の3つのコツ
「誰でも最初はゼロから。でも、必ず伸びる」四ヶ月でチャンネル登録者150人突破と言いましたが、このチャンネルを始めるまでにはかなりの助走期間がありました。その中で学んだことは大きく三つあります。
- 好きなテーマを選ぶこと
- 伸びている動画やチャンネルを分析・模倣すること
- 検索で伸びる“お宝企画”を見つけて育てること
諦めず、毎回1つでも改善を加える。その積み重ねが、必ず成果に変わります。これから始める方は自分を信じて続けてください。