逆光や直射日光が当たる場所での撮影。うまくいかないことってありませんか。
明暗差が激しいシーンでも明るい部分から暗い部分まで滑らかに撮影してくれる新技術がHDRです。
スマホで学ぶ最新映像技術 HDR の仕組み
HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称。
「HDR対応テレビ」「HDRの映像製作をサポートしたカメラ」「HDRワークフロー」等々。
映画や広告、放送局など最先端の映像制作の現場では話題になっています。
映像は適切な露出で撮影しないと正確な映像が再現できません。
露出が過度に多くなると映像情報が飽和して明るい部分が飛んでしまいます。
反対に露光が過度に少ない部分は映像情報が足りなくなってつぶれたように見えます。
上の例ではSDRの方が鮮やかに見えますが、よく見ると明るく見える肌の部分の階調がなくなって見えます。暗い部分の明暗の差も単調です。
現在標準で使われているビデオはSDR(スタンダードダイナミックレンジ)です。
HDRは従来のSDRより10倍ほどの明るさの階調を持つので、より忠実な映像を再現できるのです。
ダイナミックレンジとは
ダイナミックレンジとは撮影した映像における明るさと暗さの比のことを言います。
より明るい部分やより暗い部分が撮影できる次世代の高画質技術として注目されています。
見た目に美しく感じる映像を撮影するには、輝くような白から漆黒の黒まで撮影できなければなりません。
HDR はSDRより10倍ほどの明るさの階調を持つているため、わずかな情報を解析することで失われたカラー情報を復元できます。
スマートフォンでHDR映像を撮影する
高価格高機能な撮影機材でなくても、白とびや黒つぶれを防ぐ方法があります。
それは同時に様々な露出の映像を撮影して適正な露出の映像だけ選んで合成する方法です。
最新のiPhoneなどスマホでは、同時に撮影した複数の写真を合成し、カメラ内で自動的に合成してHDR画像として収録してくれます。
デメリットは、合成写真であるため、つなぎ目の部分が不自然に見えることがあります。
次世代映像技術として開発競争が続けられているHDRは、静止画の世界では一足早く実用化されています。スマホなどに搭載され実際に撮影して楽しむことができます。
iPhoneで静止画HDRを撮影する手順
スマートHDRをONにします。
スマートHDRは異なる露出の写真のベストな部分を一枚の写真にインテリジェントに合成する技術です。
[設定] [カメラ] [スマートHDRをON]
たったこれだけで明るい部分と暗い部分が程よく合成された写真が出来上がります。
動画をHDRで「撮れる」スマホは、現状ではまだ限られています。iPhone 12シリーズがDolby Vision形式のHDR動画撮影に対応しています。Dolby Vision形式のHDR動画は、HDR 10規格対応のテレビやパソコンでも視聴できます。
iPhone 12で注目を集める「HDR」とは?技術を解説 | 【しむぐらし】BIGLOBEモバイル
まとめ
HDR技術は、テレビ製品、Netflix動画ストリーミングサービスや4K Ultra HD Blu-ray映画、4K放送などの様々な分野に導入されています。
HDRで映像を見るためには、HDRに対応した「ソフト」「プレイヤー」「ディスプレイ」の3つが必要です。
輝度が高く高精細度なモニターが普及するにつれ、階調が豊かで暗部が引き締まったHDR映像は間違いなく普及するはずです。
HDR技術の進歩は目が離せません。
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