“短尺・高品質動画”の波に乗れ

"短尺・高品質動画"の波に乗れ
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

ようやくという感じのニュースが入ってきました。民放がこの秋を目途にインターネット同時配信を始めるようです。

「インターネット同時配信」の画像検索結果"

民放キー局5局が今秋以降、テレビ番組を放送と同時にインターネットに流す同時配信を始める方向で準備していることが1日、分かった。

ネットでテレビを見る。実態としてはそんなに驚くような出来事ではありません。ちょっと工夫すればテレビの動画はパソコンでも見えるからです。

刺さる動画はどっちだ

どこでも動画が見られる時代。視聴者のニーズを放送局はつかみ切れていません。なかなかサービス開始が進まなかった理由は放送局の体質にあります。

テレビ離れが進んでいるとされる若者層を中心に「機器であるテレビ」離れだと、もしかしたら勘違いしてません???「コンテンツ」としてのテレビ離れが進んでいるのです。ひとつの大きな要因は、ネットにはインタラクティブ(双方向性)があるのに対し、テレビが一方通行であることでしょう。

民放キー局、ネット同時配信へ 秋以降、NHKに追随

放送局の仕事は許認可制度に守られています。つまり一種の独占体制です。中で働いているとやたらに根回しや調整が必要でした。放送の仕事はやりがいはあるものの、動きが遅いのです。ですから新規事業を起こすのはとても大変だと感じました。

放送から離れ、自分で動画を作って感じるのはスピード感と達成感です。 失敗してもやり直せばいいだけです。 思いついたことはすぐ形にできます。視聴者との距離の近さも感じます。

これからも投稿動画は伸び続けます。興味のある人はすぐに外に出てこの波に乗った方がいいです

アリが象を倒す話

放送局を象に例えるなら動画投稿メディアは小さなアリに似ています。しかし、アリを侮ってはいけません。

こんな話があります。

アリが森の中で象にぱったり会いました。 アリは急いで穴の中に逃げ込みましたが足を一本、巣穴から伸ばしました。

それを見て不思議に思ったウサギが聞きました。 「アリさんいったい何をしているの?」

アリはウサギに言いました。「しっ、静かに。象の足をひっかけて転ばせようとしているのだから!」

巨大な力を持つ象ですら、小さなアリに足元を狙われる。というのは動画を取り巻く今を連想します。

「メモの魔力」の著者である前田裕二さんが、新たな取り組みを始めました。

狙いを読むにつけ、放送の存在がアリと象の関係に思えてきました。

前田さんの本業は SHOWROOMという音楽ライブ配信を軸にしたストリーミングサービスです。

サイトを見るとわかるように、ミュージシャンを志向する若い人たちが、創作した楽曲を発信し収益を得ています。

「2019年度中にDeNAの連結子会社から外れたい」と発言した前田さん。ねらいは電通やニッポン放送などから資金を調達することで、マスメディアと「血縁関係」を作ることだといいます。

血縁関係になってまで前田さんが手に入れようとしているものとは何でしょうか。

「憧れ」となるメディア

日本放送はラジオ局。どちらかというと時代遅れ感が否めない音声メディアです。ここで前田さんは人材を集め最強のチームをつくるといいます。

具体的な取り組みは明らかになっていませんが、目指すのはYouTubeやTickTock、InstagramをしのぐSNSメディアです。

そのメディアの主役となるのは、選りすぐられ芸能人やトップクリエイターしか作れない短尺動画です。

なぜ前田さんは古いメディアと手を組んでまで短尺動画メディアを目指すのでしょうか。前田さんはその理由をこう述べています。

前田裕二社長は「今まで(食事中や電車など)すき間時間ではインスタグラムやTikTokなどアマチュアの短尺動画を見ている人が多かった。ここにプロが作った短尺動画を届けたい」と発言。

トップユーチューバーのヒカキンさんでもテレビに出演する。自分のパフォーマンスを少しでも多くの人に知ってほしいという人は少なくない。配信者がテレビや映画、雑誌、ファッションショーなどを目指すようになったのは想定外。

放送局と「血縁関係」を持つ理由は、放送局にはできないことを、放送局が持つ魅力を使って実現することでした。

  • 携帯端末で隙間時間に短尺動画を見ている人が急伸し続けている
  • 動画制作者自身が放送を自己PRのゴールにしている

ふつう、動画を放送で楽しむためにはまとまった時間と、くつろげる場所が必要です。しかし現実は違います。5Gが普及し、端末や通信単価が下がると動画を見る習慣は逆転するでしょう。

深く、質の高い動画コンテンツはネットで見られるようになり、放送に期待されるのは広告効果と住み分けが進むでしょう。

放送の役割は同時性。つまりニュースや非常災害時のツールとしての価値は残るものの、エンタメを中心としたメディアとしての役割はネット動画にその座を譲り渡すことになるのです。

放送は客寄せメディア

メディアの奪い合いになっている。売り上げは変わらないのに、メディアへ支払う広告金額が増え、利益率が下がっていく。もう1~2年、メディア枠を奪い合うやり方もあるが、上場を見据えるのであれば、きちんと利益を出していく必要がある。

前田さんは「モチベーションを上げることを(テレビ局などの)他社に依存している状況では、どこかで事業が頭打ちになる」と予想します。

注目されているといってもネット動画の規模は小さく、既存メディアと比較になりません。したがって前田さんは、積極的にテレビに出演し、「なぜサービスをやっているのか」と話すことで、世界観を差別化要素として伝えていこうとしています。

知名度があれば、「SHOWROOMの前田さんって、こういう未来を描きたいんだよね」という説明コストが低いからです。

まとめ

ようやく始まった動画時代。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授の中村 伊知哉さんはこういいます。

ホリエモンが番組を配信するためフジサンケイの買収に動いたのが2005年。ぼくが「通信と放送の融合のこれから」という本を書いたのが2008年。10年たっても同時配信は実現しませんでした。
見逃しなどオンデマンドは2008年、NHKが動いて民放も追随したのですが、同時配信も昨年の放送法改正でNHKに道を開き、民放も追随です。
採算に難があるものの、海外に比べ大きく遅れたメディア横断の視聴環境がようやく改善します
ここからどういう新サービスを生んでいくのか、民放の創造性が求められます。

民放キー局、ネット同時配信へ 秋以降、NHKに追随

動画投稿はこれからますます短尺と高品質の方向にシフトしていくでしょう。それを支えるのは視聴者です。

動画投稿にはまだまだ伸びしろがあります。

自分のスキルを動画にぶつける無数の投稿者と放送局。波に乗り切れるのはどちらでしょうか。




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。