最近TikTokで見かける「やたら 高画質 なAI動画」あれ、どうやって作ってるの?【分析・元絵制作編】

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 やたら 高画質 なAI動画の作り方を書きます。

chatGPTみたいに毎月3000円弱払ってもいいから、クオリティの高い動画を作りたいです。

生成AIの競争が激化しています。
最近、TikTokやXを眺めていて
こんな動画、見かけませんか?

  • なんかやたら解像度が高い
  • 髪の毛や服のシワが肉眼でも分かる
  • 生成AI特有の「グニャ…」がない
  • なのに、ちゃんと“動いてる”

正直、最初に見たとき
僕は一瞬こう思いました。

あれ? これ細かすぎるんじゃない?さらに進化したAIが出たの?

でも、よく見ると
確かにこれまでのAIっぽさはある。

じゃあ、あれは何なのか。

最近TikTokで見かける「異様に高画質な生成AI動画」の正体

まず結論:高画質に見える生成AI動画の正体はだいたいこの3系統

いきなり結論からいきます。

最近TikTokで見かける
「一般的な生成AIより高画質」な動画は、超進化というよりも組み合わせ。
だいたい次のどれかです。

A)実写素材+AIで“味付け”系(いちばん多い)

  • 元は4K〜8Kの実写素材
  • AIは雰囲気調整だけ
  • 破綻しにくく、とにかく安定

B)超高精細な静止画 → うっすら動かす系

  • 写真レベルの1枚絵が主役
  • 動くのは「空気」「光」「髪」くらい
  • 今回メインで解説するのはこれ

C)最新Text-to-Videoをガチ仕上げ系

  • モデル性能が高い
  • さらに編集で仕上げている
  • ただし難易度は高め

今回の記事では
もっとも再現性が高く、初心者向け
👉 B)静止画主導型
を徹底的に掘ります。

高画質かどうかは「フレーム」を見ろ

まず、分析の話から。

高画質な生成動画かどうかは
再生ボタンを押してる時点では分かりません。

見るべきはここです。

  • 髪の毛
  • 葉っぱ
  • 水面
  • 細い線(電線・レール・建物の角)

これをコマ送りで見る。

普通の生成AI動画だと…

  • フレームごとに形が入れ替わる
  • 髪が増えたり減ったりする
  • 直線が微妙に歪む

高画質に見える動画は…

  • 動いてるのにディテールが固定
  • 髪の束の位置が変わらない
  • 霧や光だけが動く

この時点で
「あ、これ静止画が強いな」
と分かります。

なぜ「元絵」がすべてなのか

ここ、めちゃくちゃ大事です。

高画質な生成AI動画を作る人は
動画作りから始めません。

必ず、ここから始めます。

動画にしなくても成立する1枚絵

極端な話、
元絵が9割です。

元絵が弱いと、
あとでどんなAIを使っても
どんな編集をしても
絶対に挽回できません。

今回のテーマ:「田舎の駅のプラットフォームに立つ女子高生」

ここからは実践編。

今回の検証テーマはこれ。

田舎の無人駅。夏の青空の下、
プラットフォームに立つ女子高生

TikTokで実際によく見る、
“伸びやすい王道シーン”です。

なぜこのテーマがいいのか

  • 直線(ホーム・線路)が多い
  • 空が広く取れる
  • 人物+背景でディテール検証しやすい

初心者の検証には最適です。

STEP1|まずはコンセプトを一文で決める

いきなりプロンプトを書かない。

まず、これを言語化します。

「夏の田舎駅。青空の下、
無人駅のホームに立つ女子高生の後ろ姿」

ポイントは
👉 後ろ姿

これだけで

  • 顔破綻
  • 年齢ブレ
  • 不気味の谷

を一気に回避できます。

初心者ほど、
後ろ姿・横顔を使いましょう。

STEP2|構図を決める(ここで8割決まる)

高画質に見える元絵は
構図がめちゃくちゃ安定しています。

おすすめ構図はこれ。

  • 縦9:16
  • 人物は画面中央やや下
  • 線路やホームが奥に伸びる
  • 空は広め

遠近感+直線
これがあるだけで
解像感は一段上がります。

STEP3|Midjourneyで「写真として完成した1枚」を作る

ここでやっと生成AIです。

今回の元絵制作では
Midjourneyを使います。

理由は単純。

  • 一発の完成度が高い
  • 細かい設定がいらない
  • 初心者でも失敗しにくい

そのまま使えるプロンプト例(初心者用)

まずはこれを丸コピでOKです。

A summer countryside train station in Japan, 
a quiet rural platform under a deep blue sky, 
a Japanese high school girl standing on the platform, back view, 
school uniform, pleated skirt, backpack, 
railway tracks and an old local train, 
power lines and utility poles, 
strong perspective, leading lines, 
bright sunlight, clear shadows, 
micro details, fine textures, granular detail, 
foreground pebbles in sharp focus, 
hyper realistic, ultra high resolution, 8k, 
octane render, unreal engine quality, megascans textures, 
photorealistic, cinematic ray-traced lighting, 
vertical composition, 9:16

重要なポイント

さらに効かせるテクニック

  • –ar 9:16 を必ず指定(縦構図を強制)。
  • –q 2–q 5 で品質を上げる。
  • –v 6(最新バージョン指定)で解像度改善。
  • –style raw を加えると、AIの「絵画的補正」が減り、細部がよりリアルに。
  • anime / illustration は入れない
  • photorealistic / cinematic を使う
  • 動きを要求しない

👉 「写真を作る」意識が大事です。

STEP4|生成後のチェックリスト(妥協しない)

生成されたら、ここを見ます。

合格ライン

  • 髪がベタ塗りじゃない
  • 線路・架線が歪んでいない
  • 制服の形が自然
  • 空のグラデーションがきれい

不合格なら即作り直し

  • 解像感が甘い
  • なんとなくボヤっとしている
  • 「動画にしたら誤魔化せそう」と思った

👉 それ、失敗フラグです。

この時点での正しい感想

正解はこれです。

「え、これもう動画じゃなくてよくない?」

そう思えたら、
元絵は成功しています。

まとめ(分析・元絵制作編)

  • 高画質AI動画の正体は「静止画が強い」
  • 動画は“おまけ”
  • 元絵で8割決まる
  • 妥協しない1枚だけを次へ進める

次回予告:動画生成・編集編

次は
この元絵を“壊さずに”動画化する方法です。

  • なぜ動かさない方が高画質なのか
  • Image to Videoの具体設定
  • 編集で「高級感」を出す方法

ここが
普通のAI動画と差がつくポイントです。