今日のテーマはAffinityでグラデーションをかける方法。
「なんか急にオシャレになる魔法、やってみたい!」って人、ようこそ。グラデーションは色を“ただ塗る”から“演出する”に変える装置です。
YouTubeサムネの文字がグッと立体的になったり、写真の空にドラマが宿ったり、ブログのヘッダーが“ちゃんと作った感”を出したり。初心者でも大丈夫、丁寧にステップバイステップでいきましょう。
まずは道具の所在地:どこを触るの?
ツール名:Fill Tool(塗りつぶしツール)
ショートカットはたった一字「 G 」。
Affinity Photo / Designer 共通で使えます(v1/v2どちらでも基本同じノリ)。
コンテキストツールバー(上部):
ここで実線、線形、円形、放射状、円錐形、ビットマップなどの種類、色停止(カラー・ストップ)の追加、反転(Reverse)、不透明度などをいじります。

カラーパネル:ストップごとの色を決める場所。スポイトで画像から色を拾えます。
いちばん基本:線形(Linear)グラデーション
手順(超ていねい版)
レイヤーを用意
写真でも、ベタ塗りの長方形でもOK。まずは四角いオブジェクトを作ると練習しやすいです。
Fill Tool(G)を選択 → 上部でLinearを選ぶ。

ドラッグして方向を決める
左から右、上から下、ナナメ…どこでもOK。Shiftを押しながらドラッグすると45°刻みでピタッと揃います。
色ストップを設定
端っこにある丸(ストップ)をクリック→カラーを選択。線の途中をダブルクリックするとストップを追加。要らなければストップをドラッグで外へ捨てる。
不透明度で“空気感”を出す
ストップ単位でOpacityを下げると、フェードがふわっと馴染みます。
Reverseで一瞬で左右逆転。便利。
コツ:最初は2色で十分。迷いが消えて“狙いの印象”が出やすいです。
ふんわり感が出る:円形(Radial)&円錐(Conical)
Radial(円形)
- 中心から外側に向かって色が変わるタイプ。
- 光の当たりや**ビネット(周辺減光)**表現に最適。
- 中心をドラッグで動かせるので、被写体の顔に光を集める、なんて演出が簡単。
Conical(円錐)
- ぐるっと回転する色相に向いてます。
- ロゴや丸アイコンの“回転感”“レコード盤っぽさ”を出したいときにキマる。

実戦で効く“シーン別”チュートリアル
① YouTubeサムネの文字を「プロっぽく」

- 文字レイヤーを用意(太めフォントだと映えます)。
- レイヤーを右クリック → レイヤー効果(Layer Effects) → Gradient Overlay。
- Linearで上:明るめ、下:暗め。角度は-90°が定番。
- 仕上げにInner Shadowをうっすら(距離1–2px、Opacity 10–20%)。
- これで立体感が出て、サムネが“ドン!”と強くなります。
色選びの鉄板:同系色で上をほんのり明るく、下をちょい暗く。金属感なら**#D4AF37(ゴールド)〜#7A5B00**あたりを往復。
② 空の写真を“映画の夕景”に寄せる
- 写真レイヤーの上に新規塗りつぶしレイヤー(ベタ塗り)。
- Fill Tool(G)でRadial、中心を太陽側へ。
- 色は中心をオレンジ、外側を紫寄りに。
- レイヤーの描画モード:Soft Light / Overlayを試す(Opacity 20–40%)。
- これで夕焼けのグラデーションが写真に溶け込みます。
ひと口メモ:色は画像からスポイトで拾うと“嘘くささ”が消えます。
③ ブログの見出し背景を“脱・無料テンプレ感”
- 横長の長方形を置く。
- Linearで左をブランドカラー濃いめ、右を同系薄め。
- 左側の中央に光の帯を作りたいなら、ストップを3つにして真ん中だけ明るく。
- 角を大きめに丸めると今っぽい。
- 見出しテキストは白 or 背景に合わせて濃紺などでコントラスト確保。
④ “フェード黒”で自然なビネット
- 新規レイヤーにRadialで黒→透明のグラデーション。
- 中心は透明、外周を黒に。不透明度は**15–30%**程度。
- 被写体が中央寄りなら中心位置を被写体に合わせる。
- 目線誘導がしれっと成功します。
⑤ ロゴやアイコンの“質感足し”
- フラットな円やシェイプにConical。
- 明るい→暗い→明るいの3ストップでハイライトと影を輪っか上に配置。
- 角度を少し回して光源の方向を決める。
- フラットなのに触れそうな質感になります。
もう一歩先へ:調整レイヤー派のグラデーション
Gradient Map(グラデーションマップ)
- 明暗に色を割り当てる調整レイヤー。
- 写真全体に“映画 LUT っぽい”トーンを一発で付与。
- 手順:
- 調整レイヤー → Gradient Map
- 左端(シャドウ)に深い青、右端(ハイライト)に暖色を置く。
- レイヤーモードをSoft Light / Colorでブレンド、Opacityで微調整。
- いわゆるティール&オレンジはこれで作れます。
マスク × グラデーション
- レイヤーのマスクを選んでFill Tool(G)。黒→白のグラデーションで**“効かせる範囲”**をコントロール。
- 例:空だけ色を足す、手前だけぼかす、などが筆いらずで自然に。
つまずきやすいポイント&解決策
- 「思った方向に伸びない…」
→ グラデーションハンドルの端の小さな丸をちゃんと掴めてるか確認。Reverseで方向を入れ替えるのも手。 - 「色が濁る」
→ ストップを増やしすぎかも。まず2色で試し、同系色で明度だけ差をつける。 - 「境目が見える」
→ ストップ間隔を少し広げるか、Opacityでやわらげる。 - 「写真が破綻した」
→ レイヤーを上に置いてブレンドモードで溶かす(Overlay/Soft Light/Screen)。やりすぎたらOpacityを下げる。
色選びのミニガイド(失敗しにくい3ペア)
- ブルー系 UI:#0D47A1 → #42A5F5(暗→明)
- シネマ夕景:#F2994A → #8E44AD(オレンジ→紫)
- 上質ゴールド文字:#F0D27A → #8A6A1F(明→暗)
コツ:背景と文字のコントラスト比を常に意識。読めないと負けです。
量産に効く“仕込み”
- スタイル保存:良いグラデーションができたらStyles(スタイル)に保存。サムネ量産が捗ります。
- アセット化:背景用の帯・パネルを作ってAssetsに。ブログでも動画OPでも統一感が出る。
- カラーセット:ブランドカラーをSwatchesに登録して、毎回同じ色を迷わず使えるように。
今日から使える“ワンパン技”
- サムネの主役だけ明るく:
被写体の上に新規レイヤー → Radialで白→透明 → Soft Light・Opacity 20%。 - 文字の読みやすさ確保:
背景に**黒→透明(Linear)**を下敷きに5–10%重ねる。地味だけど効く。 - シネマティック・フェード:
Gradient Mapで黒→薄いグレー、レイヤーモードLuminosity、Opacity 10–20%。コントラストが上品に。
まとめ
グラデーションは見せたい場所に“感情のスポットライト”を当てる道具です。
最初は2色、Linearから。慣れたらRadialで“光”、Conicalで“質感”。調整レイヤーやマスクと組み合わせれば、編集の手数が一気に増える。サムネもブログも、仕上がりが一段引き締まるはず。
さあ、今日の自分の作品に一本、色のベクトルを通してみましょう。気持ちいいよ。









こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Affinity で作る神グラデーションを書きます。