「一枚の写真を使って動画が作れないかな」
そんな虫のいいこと考えている人いませんか。結論から言うと「できます」です。
動画にしたい写真と短い質問を用意するだけで、AIがパラパラ漫画風の動画を生成してくれるサービスがRunwayです。
Runwayを使えば手軽に動画が作れるようになり、制作費のコストダウンもきた低できます。
この記事ではRunwayの使い方を解説します。
Runwayとは
RunwayのGEN-2を使って生成したのが上の動画です。
動画のように見えますが、元になったのは数枚の静止画というのですから驚きですね。
Runwayは「Stable Diffusion」をStability.AIと共同開発した企業です。
もともとStability AIと共同でStable Diffusion用のデータモデルの開発を進めていましたが、現在は完全に独自のサービスを展開しています。画像生成AIはStability AIが先に行ってしまったので、生成AIでの動画作成にフォーカスして、技術開発とサービス展開をしています。今年6月には、Google、NVIDIA、セールスフォースなどから1億4100万ドル(約200億円)の資金調達を受けるなど、生成AI企業のなかでも大きく注目を浴びています。
これまで公開されていたサービスはGen-1でした。Gen-1は、動画をプロンプトに応じて別の動画へと変換する(video to video)機能しか持たず、テキストから動画が作れないのが難点でした。
Gen-2ではその弱点を克服、描きたいイメージをテキストで入力すると動画を生成する「text to video」が加わりました。
Runway は基本一枚の画像を使って16秒までの動画を作ることもできます。
実際に作ってみましょう。
Runway アカウントの登録方法と簡単な操作方法
Runway を利用するには公式ページからサインアップ(アカウント登録)を済ませます。
Runway – Advancing creativity with artificial intelligence.
サインアップはメール登録などから選択できます。お勧めはGoogleアカウントです。
「Login with google」をクリックします。
サインアップするとトップページが開きます。
画面左にツールバー、中央には作業コーナーと、作例が並んでいます。
まず、「introducing Gen-2」をクリックします。
すると入力画面に飛びます。
画面を下にスクロールすると、作品サンプルのアイコンがカタログのように並んでいるのがわかります。
その中の一枚にカーソルを合わせると、右下に「try this」と表示が出ます。
これをクリックすると動画生成にかかわる指示文が自動で用意されます。
[Generate]をクリックすると、サンプルと同じ動画が出来上がりました。Runway Gen-2でモーションブラシを使った動画作成手順
Step 1. 動画の元になる画像を準備
1. 動画にしたい画像を事前に用意しましょう。例えば、キャラクターや風景の画像をAI生成ツールで作成すると便利です。
2. **「Create New Project(新しいプロジェクト作成)」**を選択し、生成した画像をアップロードします。
Step 2. モーションブラシツールを起動
1. Runwayの編集画面で、下部に表示されている**「Motion Brush(モーションブラシ)」**を選択します。
2. モーションブラシツールでは、複数のブラシを使って画像内のさまざまな部分に異なる動きをつけることができます。
• ブラシ1(ピンク)
• ブラシ2(緑)
• ブラシ3(青)
• ブラシ4(オレンジ)
• ブラシ5(黄色)
Step 3. 動きを加えたいパーツを塗る
1. まず、動かしたいパーツを選び、ブラシで塗りつぶします。例えば、眉毛や目、背景の一部を選んでアニメーションを加えてみましょう。
2. ブラシの太さは画面下のスライダーで調整できます。塗る部分が小さい場合、ブラシを細く設定すると便利です。
3. 間違えて塗ってしまった場合は、「消しゴムツール」を選択して消します。
Step 4. 動きの方向を設定
1. 各ブラシで塗ったエリアに対し、動きの方向を設定します。
• X軸:左(-)と右(+)に動きます。
• Y軸:上(+)と下(-)に動きます。
• Z軸:画面の奥に(-)、手前に(+)移動します。
2. 例えば、眉毛を少し下げたい場合、Y軸の値を調整して眉毛を下方向に動かします。
Step 5. アンビエント効果の活用
1. モーションブラシツールにはアンビエント(Ambient)効果もあります。これはランダムな動きを追加したい部分に使います。
• 例:火や煙、風に揺れる髪の毛など、規則的でない自然な動きに適しています。
2. アンビエントの効果を適用するには、動かしたい部分を塗り、アンビエントの値を調整します。値を大きくすると、動きが強調されます。
Step 6. 動画を生成し、エクスポート
1. 設定が完了したら、「4秒生成」をクリックしてプレビュー動画を確認します。
2. 動画が問題なければ、「Export(エクスポート)」をクリックして完成動画をダウンロードします。
• 無料ユーザーは4秒までの動画生成が可能です。有料プランでは8秒まで生成できます。
応用:ドリーズーム効果の追加
1. カメラモーションの調整を使って、ズーム効果を追加し、映像を引き締めます。
• ドリーズームはカメラが前後に移動しながらズームイン・アウトする効果で、背景と手前の被写体の見え方にダイナミックな変化を加えます。
2. ズームインの場合は、カメラのモーション設定をマイナスにし、対象に寄るように設定します。
これで、Runwayのモーションブラシを活用した動画編集が完了です。
Runway の基本的な使い方
Runway の基本的な使い方をおさらいします。
静止画を生成する
一旦画像を生成して、生成された画像を動かします。
「write your prompt here」(ここにプロンプトを書いてください)と書かれた枠内に、作りたいイメージを英語で入力します。※日本語は使えません。
「渋谷のスクランブル交差点を行き交う人」を動画にしてみましょう。
Google翻訳で翻訳した文章「People crossing Shibuya’s scramble crossing」を入力し、[Free Preview]をクリックします。
しばらくすると、画面に四枚の動画が生成されます。
[Free Preview]は複数回クリックすることができます。この機能を使うと、動画を生成中に別動画を同時に生成することができます。
AIはランダムに動画を生成するので、複数の動画を比較する際便利です。
静止画から動画を生成する
好みの静止画が生成できたら、その画像を動画にします。
動画にするには、画面右上Upgradeのボタンの左にあるボタンをクリックします。
動画に生成する際にクレジットを消費します。
画面が切り替わり、変換された動画を試写できます。
生成できる時間は4秒。
作成した動画は画面右上の「ダウンロード」ボタンからダウンロードできます。
動画の形式はmp4です。
ダウンロードした動画は商用利用可能です。
必要に応じて指示文の内容を微妙に変えることでバリエーションを楽ことができます。
残念な点は、生成される動画にエラーが発生しやすいことです。テキストから生成した動画は比較的正確に生成できますが、複雑な指示内容になればなるほど、意図しないものが生成されます。
画像から動画をつくる
新しく加わったのが、手持ちの画像をアップロードして読み込ませ、その画像を動画にする機能です。
静止画をアップロードするには、[アップロード]から読み込むほか、右横の枠にドラッグ&ドロップすることでできます。
動画にしやすい素材と、しにくい素材があるので画像の選択には慣れが必要です。
「川の流れる風景画」とか「走る犬」などの動きの要素がある写真などが親和性が高いです。
料金プラン
料金プランは以下の通り。
タイトル | 無料トライアル | Standard | Pro | Team |
---|---|---|---|---|
画質 | 720p(1280×720) | 4K対応 | 4K対応 | 4K対応 |
利用回数 | 3回まで | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
容量 | 5GBまで使用可 | 100GBまで使用可 | 500GBまで使用可 | 1TBまで使用可 |
クレジット | 125個まで | 625個まで | 2250個まで | – |
無料 | $12/月 | $28/月 | 要相談 |
まとめ
Runway を使うことで
- 撮影なしに動画が作れる
- 画像からも動画が作れる
- 作った動画は商用利用も可能
- 動画の精度は必ずしも完璧ではないがそれを売りにした動画は商品にしやすい
など、可能性がひろがります。
競合するサービスは多くないので、工夫次第でプルーオーシャンの中でマネタイズもできそうです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Runway を書きます。