「たぶん大丈夫」は危険| AI動画 を商用利用する際の著作権リスクと対策完全ガイド

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 AI動画 を商用利用するリスクを書きます。

AI動画、便利すぎてちょっと怖くなってきた話

AI動画生成、正直めちゃくちゃ便利です。

  • 撮影いらない
  • 素材探し不要
  • 表現の幅が一気に広がる

数年前なら「予算的に無理」で終わっていた演出が、
今は普通に出せる。

…出せるんですが。

最近、空気が変わってきたのを感じませんか?

  • 規約がやたら細かくなった
  • 商用利用の注意書きが増えた
  • クライアントから
    「この動画、AIですよね?大丈夫ですか?」
    と聞かれるようになった

これ、気のせいじゃありません。

私は今、自分が運営するSNS動画の範囲で生成AIを使っています。
ただし、商用案件ではかなり用心深く運用しています。

なぜか。

この半年で、
「AI動画を雑に扱った人から詰んでいく空気」
が、はっきり見え始めたからです。

今回は、

  • AI動画の著作権リスク
  • なぜ「動画」は特に危ないのか
  • クライアントへの現実的な説明方法

を、実務目線・リアル寄りでまとめます。

1. AI生成物の著作権問題は、もう“本気ゾーン”に入っている

まず大前提。

AI生成物の著作権問題は、世界的にすでに揉めています。

アメリカでは、
AIの学習データを巡る訴訟が次々と発生。

日本でも、
漫画協会・動画協会などが
次世代AI(例:Sora)に対して正式な懸念表明を出しました。

さらに、
YouTube
2024〜2025年にかけてAI生成コンテンツへの規制を強化。

  • 収益停止
  • 動画削除
  • チャンネルBAN

これ、もう「噂」じゃなく
実際に増えています。

正直、
今後さらに厳しくなるのはほぼ確実です。

2. 実は「動画」は画像よりもリスク管理が難しい

ここ、あまり語られませんが超重要です。

画像なら、まだ対処できる

画像の場合、

  • 逆画像検索
  • 類似画像チェック
  • 構図・キャラの確認

ある程度、自衛できます。

でも動画は?

動画はどうでしょう。

  • 数十〜数百カット
  • カメラワークが常に変わる
  • 一部のフレームだけ似る可能性
  • 動き・間・構図の一致

正直言って、

1カットずつ盗用チェックするのは現実的じゃありません。

つまり、

「知らないうちに誰かの作品に似てしまう」

このリスクが、
画像よりも圧倒的に高い

これが、AI動画が一段危険と言われる理由です。

3. 商用動画では「説明責任」が一気に重くなる

ここからが、一番大事な話です。

結論から言います。

AI動画を商用で扱うなら、
クライアントへの事前説明は「必須」です。

「聞かれたら答える」
これは、もう完全にアウト寄りの考え方になってきています。

なぜか。

動画は、
単なる制作物ではありません。

  • 企業の顔
  • ブランドの信用
  • 広告・広報の“表の看板”

ここにAIが関わると、
トラブルが起きたときに燃えるのは、制作者ではなくクライアントです。

だから最近、こんな質問が増えています。

  • 「これ、AIですよね?」
  • 「著作権的に大丈夫ですか?」
  • 「後から問題になりませんか?」

この質問が出た時点で、
もう“説明責任フェーズ”に入っていると思ってください。

3.5 実際に起きた「アウト寄り」4つの事例

ここで一度、現実の話を挟みます。
全部、この1〜2年で実際に増えているパターンです。

事例①:YouTubeでの収益停止・動画削除

AI生成動画を投稿

既存アニメ・映画・CMに
「雰囲気」「構図」「動き」が似すぎていると通報

YouTube側が即対応

結果

  • 該当動画は削除
  • 広告収益は全没収
  • チャンネルに警告(ストライク)

重要なのはここ。

「AIで作ったから」ではなく
「区別がつかないから」アウト

悪意があったかどうかは、ほぼ見られません。

事例②:企業案件での“公開停止・差し替え”

これは、表に出ないけど現場ではかなり多いです。

  • AI動画を納品
  • 公開後、社内チェックで
    「これ、あの作品に似てない?」
  • 法務・広報がストップ

結果

  • 動画は非公開
  • 作り直し or 差し替え
  • 場合によっては制作費減額・返金

ここで問題になるのは、

「AIを使ったこと」ではなく
「説明されていなかったこと」

です。

事例③:AIツールの規約違反による利用停止

  • 商用不可 or グレーなプランで生成
  • 商用動画に使用
  • 後から規約違反が発覚

結果

  • アカウント停止
  • 生成済みデータの使用禁止
  • 過去動画の削除要請

怖いのは、

すでに納品済みの動画も対象になる

という点。

事例④:「似すぎ」指摘からの法的トラブル(主に海外)

数は多くありませんが、インパクトは最大です。

  • AI生成動画が特定作品に酷似
  • 権利者から
    • 公開停止要求
    • 弁護士名義の通知

結果

  • 使用停止
  • 損害賠償請求の可能性
  • 弁護士対応コスト

ここまで行くと、
個人制作者・小規模チームでは耐えられないケースも普通にあります。

4. 実務でやっている、3つの現実的対策

じゃあ、どうするか。

「怖いから使わない」
ではなく、
“使う前提でリスクを管理する”
これがプロの選択です。

① 著作権リスクは、正直に伝える

商用案件では、必ずこう伝えます。

AI生成物は、100%著作権リスクがゼロとは言えません。
ただし、リスクを最小化するための対策を行ったうえで制作しています。

この2文セットが重要です。

  • 隠さない
  • でも、不安も煽らない

これだけで、
後から「聞いてない」は防げます。

② プロンプトで「似ない努力」を明示する

特にアニメ・キャラ系。

プロンプトに必ず入れる考え方。

  • original design
  • avoid resemblance to existing characters
  • use royalty-free references

これは法的免罪符ではありません。

でも、

意図的な模倣ではない
オリジナルを目指している

この姿勢を記録として残すことが、
後々効いてきます。

③ 商用利用OKが「明記されているAI」だけを使う

これは最低限。

  • 商用利用可
  • プラン差による条件
  • 補償の有無

「たぶん大丈夫」ではなく
「書いてあるかどうか」

ここだけ見ます。

5. 未来は「生成できない方向」に進む

ここは簡潔にまとめます。

  • 有名人そっくり
  • 既存キャラ酷似
  • 明らかな著作物構図

こういったものは、
AI側が生成段階でブロックする未来になります。

無法地帯だった時代は、もう終わりかけています。

6. 最後に問われるのは「責任」と「説明力」

AIがOKかどうかではありません。

  • 法律
  • 倫理
  • クライアントへの説明

ここをクリアできるか。

説明できる人ほど、AIを長く使えます。
何も言わずに出す人ほど、どこかで必ず詰みます。