今日のテーマはこれ。
「NotebookLMのスライド生成、これドキュメンタリー制作の革命じゃない?」
という話です。
少し興奮気味なのですが……許してください。
■ ドキュメンタリーは、地味で泥臭い“帰納作業”の塊
ドキュメンタリー制作って、外から見ると
「感動的なシーンをつないでるだけ」
に見えるかもしれません。
でも、やってる側からすると全然違うんですよね。
地味で、泥臭くて、終わりの見えない帰納作業。
作っている時、いつもこう思うんです。
「これってジグソーパズルのピースを、永遠にかき集めてるのと似てない?」
その“ピース”に当たるのが、
- 取材ノート
- インタビューの書き起こし
- 官公庁のPDF
- 学術論文
- SNSの投稿
- 現場メモ
など、とにかく膨大な情報です。
ドキュメンタリー作りとは、
これらを読み込んで読み込んで、
「つまりこの人は何を言いたいの?」
「どの順番で見せれば伝わる?」
という ひとつの“骨格”を探し当てる仕事 だからです。
これが、まぁ時間かかる。
よく「構成台本ってどう書くんですか?」と聞かれますが、
正直に言えば、
根性。
RAWデータからパターンを拾って、相関を見つけて、絵にして、構造化する。
まさに帰納法の世界です。
だからこそ、制作者は必死に
「構成迷子」を避けるための下準備をするわけです。
✨ ドキュメンタリー動画制作者を時短する── NotebookLM スライド生成の正しい使い方
■ でも、AIがここへ来て急に“仲間”になった
NotebookLMのスライド生成を初めて触ったとき、
正直、
「嘘でしょ?」
と思いました。
PDFを読み込ませて、ボタンひとつ。
すると、あの膨大な文字の渋滞が、
- “章立て”になり、
- “因果図”になり、
- “タイムライン”に変わるんです。
まるで構成作家が横で作業してくれてるようなスピード感。
たとえば、取材3日分のメモをNotebookLMに放り込むと、
スライド一覧に、
- 事件の背景
- 関係者
- 問題点
- 転機
といった整理済みの見出しがズラッと並ぶ。
あの瞬間の僕の顔、たぶん
「初めて魔法を見た小学生」
みたいになってました。
■ スライド=構成表。これは大発明
NotebookLMの強みはここ。
- 長文要約が正確
- 因果関係の抽出が得意
- 自動で視覚化してくれる
これって、完全に
ドキュメンタリー構成台本の代行
なんですよね。
特に相性がいいジャンルは、
✔ 社会問題
✔ 事件報道の構造整理
✔ 歴史ドキュメント(時系列が命)
✔ 人物密着(起承転結が見える)
✔ 企業PR(課題→挑戦→成果の最短化)
「構成作業って、気合だけじゃなくて“システム化”できるんだ…」
そう気づいた瞬間でした。
■ YAMLで“番組トーン”まで指定できる恐ろしさ
NotebookLMの本当の凄みは、
デザイン指示(YAML)で構成の型を固定できること。
YAMLと言うと一気に難しく聞こえますが、
やってることはただの AIへのメモ書き です。
「背景色は白、文字は黒、余白広め、因果図は細線でね」
みたいな簡単な指定。
でもこれだけで、
番組のトーンがそのまま再現される。
▼ NHKスペシャル風
- 白黒基調
- 硬質
- 因果図・年表
- ゴシック体
▼ 情熱大陸風
- 写真大きめ
- 余白広い
- 詩的な一文
- 青系アクセント
NotebookLMに取材データを紐づけて
「番組構成にして」と指示するだけ。
そこに“メモ書き(YAML)”を足すと…
本来テキストで返ってくるはずの内容が、
ビジュアル化されたスライドで返ってくる。
これは正直、ヤバい。
企画会議に出したら通りやすいですよ。
だって、
「番組の匂い」がその場で伝わるから。
■ 調査資料の地獄が、数分で“図”になる衝撃
ドキュメンタリー制作で一番しんどいのは、
資料の山に埋もれる時間。
NotebookLMはPDFやWeb記事を読み込んで、
- 事件構造図
- 利害関係マップ
- 事象の発生フロー
- 背景→原因→結果の三段構造
これを一気にスライド化します。
初めて見たとき、本気で鳥肌立ちました。
「ここ、証言と行政資料の矛盾があるよ」
「こことここ、因果がつながってないよ」
こんな“構成のヒント”が
人間より早く可視化される。
衝撃です。
■ 構成迷子が激減する
- 情報が多すぎる
- 取材メモが散らかる
- 人物関係が曖昧
制作のあるあるですが、
NotebookLMは“骨格だけ”抽出してくれるので、
迷子になる前に
「道筋」
が見える。
これは本当に助かります。
■ ナレーションのラフにそのまま使える
スライドに落とすと、
自然と“ナレ尺”に近い文字量になるんですよね。
- 問題提起
- 背景説明
- 登場人物紹介
- 現象の構造
- 転機
- 結論
これらが全部、
ナレーションの素案になる。
構成会議に出す資料としても最適。
■ 編集室で“共通言語”が生まれる
演出家、編集、構成作家、技術、プロデューサー…
ドキュメンタリーはチーム戦です。
NotebookLMのスライドは統一フォーマットなので、
誰が見ても流れがひと目でわかる。
これは地味に、革命。
■ SNS向けショートドキュメンタリー用テンプレ(おまけ)
以下は、NotebookLMにそのまま貼れる
ショートドキュメンタリー用YAMLテンプレ です。
# sns_short_doc_template.yaml
全体トーン: "映画的・エモーショナル・スピード感"
文字量: "1スライド20字以下"
比率: "9:16のスマホ構成"
写真: "大きく。寄りの構図を優先"
構成:
- "オープニング:強い1文+象徴的写真"
- "人物紹介:名前と肩書きのみ"
- "信念:大きな名言"
- "葛藤:暗めの背景+短文"
- "挑戦:技術や動作の寄りカット"
- "クライマックス:核心の一文"
- "余韻:静かな写真+詩的な一語"
これを貼って「生成」すると、
ショート動画の絵コンテがそのまま出てきます。
■ 最終結論:構成作業の日常が、NotebookLMで“変わる”
従来、構成作家が数日かけていた仕事。
ときには徹夜で、コーヒーの匂いが編集室に染みつくほど苦しんだ作業。
NotebookLMは、それを 数分で補助してくれる。
- 資料整理
- 構成抽出
- 視覚化
- トーン統一
- ナレ案生成
すべてを “90%自動化” してくれるツール。
これは、間違いなくドキュメンタリー制作の革命です。
僕はこれを
「第二の構成作家」
と呼んでいます。
ぜひ、一度試してみてください。
もう、後戻りできなくなります。









