YouTubeを始めたのに伸びない人は、最初のチャンネル設計でズレているかもしれない

YouTubeを始めたのに、なかなか伸びない。

動画は作っている。
投稿も続けている。
サムネイルもそれなりに考えている。
でも、再生回数も登録者数も思うように増えない。

こうなると、つい考えてしまいます。

「編集が悪いのかな?」
「タイトルが弱いのかな?」
「もっと投稿頻度を上げないとダメなのかな?」

もちろん、それらも大事です。

でも、僕自身の経験から言うと、YouTubeで最初に見直すべきなのは、動画単体ではありません。

チャンネル設計です。

もっと言うと、
自分が話したいことから始めるのではなく、市場が求めていることから逆算すること。

ここを間違えると、どれだけ頑張って動画を作っても、なかなか視聴者に届きません。

今回は、僕が実際に運営している読書系YouTubeチャンネルの経験をもとに、チャンネル設計で悩んでいる人向けに、伸びるチャンネル作りの考え方をまとめます。

チャンネル登録者推移

2025年2月27日から現在のタイトルで運用を始め、登録者数は右肩上がりに増えていった

2023年11月にチャンネル開設。でも、最初からうまくいったわけではない

僕がYouTubeチャンネルを開設したのは、今から2年半前の2023年11月です。
定年退職後番組ディレクターとしてのスキルを活かそうと始めたのがきっかけでした。

しかし、最初に作ったチャンネルはいくらやっても芽が出ませんでした。紆余曲折、試行錯誤を続け、2025年2月27日に現在のタイトルで運用を始めました。

そこから約1年4ヶ月。
ようやく登録者数が1,000人目前まで来ました。

記事執筆時点では、チャンネル登録者数は989人です。

もちろん、いきなりドカンと伸びたわけではありません。

むしろ最初は、何をどう伸ばせばいいのか分からない状態でした。

ただ、あるタイミングから反応が変わり始めました。

それは、チャンネルの方向性を絞り込んだあとです。

自分が話したいことではなく、市場が求めていることから考える

YouTubeを始めるとき、多くの人はこう考えます。

  • 「自分は何を話したいか」
  • 「自分が好きなことは何か」
  • 「どんな動画なら作れそうか」

これは大事です。

好きでもないテーマで動画を作り続けるのは、かなりきついです。
いや、ほんとに。途中で心がスンッとなります。

ただし、順番を間違えると伸びません。

正しい順番はこうです。

市場が求めていることの中から、自分が語れる内容を見つける。

自分が話したいことを、そのまま市場にぶつけるのではありません。

まず市場を見る。
その中で需要がある場所を探す。
さらに、自分が継続して語れるテーマに絞る。

この順番が大事です。

僕が選んだのは「読書系」ジャンルだった

僕が選んだのは、読書系ジャンルです。

読書系は、YouTubeの中でも一定の視聴者人口があります。

  • 本が好きな人。
  • 次に読む本を探している人。
  • 新刊情報を知りたい人。
  • 話題作をチェックしたい人。

つまり、そこにはすでに需要があります。

ただし、「読書系」は広すぎます。

小説、ビジネス書、自己啓発、歴史、教養、漫画、エッセイ、国内ミステリー、海外文学。

広い。
広すぎる。
もう図書館です。

そこで僕は、読書系の中でもさらに絞りました。

海外ミステリー小説。

さらに、動画の内容も絞りました。

新作情報。

つまり、僕のチャンネル設計はこうです。

  • ジャンル:読書系
  • テーマ:海外ミステリー小説
  • 切り口:新作情報
  • 形式:ショート動画

このように絞ったことで、誰に向けたチャンネルなのかがはっきりしました。

「海外ミステリーの新作を知りたい人」に向けて、短く分かりやすく届ける。

この形にしてから、反応が上がり始めました。

ライバルがいない場所ではなく、人がいる市場の中で空きポジションを探す

チャンネル設計でよくある勘違いがあります。

「ライバルがいないジャンルを選べば伸びる」
「誰もやっていないテーマなら勝てる」
「ブルーオーシャンを探せばいい」

気持ちは分かります。

ライバルが多い場所に入るのは怖いです。
すでに強いチャンネルがあると、「今さら無理では?」と思います。

でも、ライバルがいない場所には理由があります。

その場所が本当にチャンスの場合もあります。
ただ、多くの場合は、こうです。

需要がないから、誰もやっていない。

誰もいない場所に旗を立てて、
「ここが俺の王国だ!」
と思ったら、そもそも誰も来ない。

YouTubeでは、これが起こります。

だから狙うべきは、完全な無人島ではありません。

すでに人が集まっている市場の中で、まだ十分に攻められていない切り口を探すこと。

読書系という大きな市場に入り、
その中で海外ミステリー小説に絞り、
さらに新作情報に特化する。

これが、僕にとっての空きポジションでした。

ショート動画は「おすすめ三選」に絞った

チャンネルのテーマを絞ったあと、次にやったのが動画フォーマットの絞り込みです。

僕は、海外ミステリー小説の新作情報をショート動画で投稿しました。

ただし、ただ本を紹介するだけではありません。

紹介する作品は、毎回三冊に限定しました。

いわゆる、
おすすめ三選
です。

これが分かりやすいんです。

視聴者からすると、最初にゴールが見えます。

「この動画では三冊紹介されるんだな」
「30秒くらいで見終われそうだな」

そう思ってもらいやすくなります。

さらに、ナレーションには人気のあるずんだもんを起用しました。

ただし、通常の話速ではありません。
話速は倍速にしました。

なぜか。

30秒以内で完走してもらうためです。

ショート動画では、長く見せるよりも、離脱される前に見終わってもらうことが重要です。

だから、僕のショート動画はこう設計しました。

  • 紹介作品は三冊
  • 「おすすめ三選」の型に統一
  • ずんだもんナレーションを使用
  • 話速は倍速
  • 全体尺は30秒以内
  • サムネイルは大きな文字で一瞬で内容が分かるようにする

つまり、ジャンルだけでなく、動画の型まで絞り込んだわけです。

ショート動画一覧

「海外ミステリー小説×新作情報×三選」の型に絞ったことで、1,000回以上再生される動画が継続して出るようになった

一本だけのバズではなく、再現性が見えてきた

ショート動画で大事だったのは、一本だけ大きく伸びたことではありません。

むしろ重要だったのは、同じ型で投稿した動画が、継続して1,000回以上見られるようになったことです。

ショート動画の一覧を見ると、1,000回台から2,000回台の動画が並ぶようになりました。

これは、たまたま一本だけ当たったというより、
動画の型が視聴者に合ってきたサイン
だと感じています。

そして、さらに分かりやすい結果も出ました。

あるショート動画では、公開後の視聴回数が51,601回。
そこからチャンネル登録者が52人増えました。

ショート動画の”視聴回数”と”チャンネル登録者”の関係

51,601回再生で登録者+52人。おおよそ1,000回再生につき1人が登録してくれる手応えを得た


この数字を見て、かなり手応えがありました。

51,601回再生で登録者+52人。
ざっくり言うと、1,000回再生につき1人が登録してくれる計算です。

もちろん、すべての動画が同じようになるわけではありません。

でも、目安が見えました。

「この型で再生されれば、登録者も増えていく」

この感覚が持てると、チャンネル運営はかなりやりやすくなります。

毎日投稿を支えたのは、AIによる作業効率化だった

ただ、ショート動画を毎日投稿するのは大変です。

  • ネタを探す。
  • 本を選ぶ。
  • シナリオを書く。
  • 音声を作る。
  • 編集する。
  • 投稿する。

これを毎日やる。

いやいやいや。
普通にしんどいです。

最初は、毎回一本ごとにシナリオを手書きで作っていました。

でも、それだとどうしても時間がかかります。
毎日投稿するには、作業が重すぎました。

そこで、やり方を変えました。

可能な限り編集を効率化できる「しくみ」を考えるようにしたのです。

まず、編集はテンプレをつくり、必要な部分だけ入れ替えができることにしました。

冒頭のつかみは「みんなが教えてくれた」、締めは「みんなのおススメ教えて」に固定しました。

編集は冒頭の背景動画と書影だけ変えるテンプレをつくりました。

冒頭の動画やタイトルは「つかみの三秒」対策上必要な出費と割り切りました。

これで一本あたり2時間以内で制作できる仕組みを仕立てました。

さらに、長尺動画については、手書きだったシナリオをAIに丸投げして、自分は確認・修正する仕組みに変えたんです。

  • AIにたたき台を作ってもらう:Claude、ChatGPT
  • 長尺の背景を生成する:Midjourney
  • ループ動画を作る:Google Flow(Veo3)
  • 音声合成:VOICEVOX、ElevenLabs
  • 楽曲生成:Suno

この分担にしたことで、動画を量産しやすくなりました。

さらに、シナリオをAI音声に変えることで、完成イメージも固まりやすくなりました。

実際に音声にして聞いてみると、分かるんです。

「ここ、長いな」
「この説明いらないな」
「この順番だと分かりにくいな」

こういう違和感が、耳で確認できます。

しかも、ナレーション収録や外注に経費をかけなくても、動画の形を作れる。

これは大きかったです。

AIは、楽をするためだけの道具ではありません。

続けるための仕組み
です。

YouTubeは、一本の動画を完璧に作るよりも、投稿して、反応を見て、改善して、また投稿することが大事です。

そのサイクルを回すために、AIで作業を軽くする。

これが、毎日投稿を続けるうえでかなり効きました。

ショート動画だけでは、視聴時間が足りなかった

ショート動画は、登録者獲得にはかなり役立ちました。

まだチャンネルを知らない人に届きやすい。
短時間で見てもらえる。
テーマが刺されば登録につながる。

実際、僕のチャンネルでもショート動画は登録者獲得の入口になりました。

ただし、問題もありました。

ショート動画だけでは、視聴時間が稼ぎにくい。

YouTubeの収益化を考えると、登録者だけでは足りません。
視聴時間も必要になります。

そこで、2026年に入ってから長尺動画の投稿も始めました。

ここで重要なのは、ショート動画と同じ作り方をしなかったことです。

ショート動画は、30秒で完走してもらうために情報を圧縮する。
長尺動画は、逆にゆったり見てもらう。

このように、役割を分けました。

長尺動画は、あえて詰めすぎない演出にした

YouTubeの攻略法では、よくこう言われます。

「ナレーションの間を詰めろ」
「無音をなくせ」
「テンポを上げて離脱を防げ」

たしかに、これは有効です。

特に若い視聴者向けの動画や、情報量で勝負する動画では、テンポの速さが武器になります。

でも、自分のチャンネルの視聴者に本当にそれが合っているのか。

ここは、ちゃんと見たほうがいいです。

僕の場合、アナリティクスを見ると、視聴者の年齢層が比較的高めであることが分かりました。

年齢と性別

視聴者の中心は45歳以上。55〜64歳が46.0%、65歳以上が21.2%を占めていた


視聴者の年齢層を見ると、45歳以上が大半でした。

特に多かったのが、55〜64歳。
さらに65歳以上の視聴者も一定数いました。

この数字を見て、僕は考えました。

「このチャンネルは、若年層向けの高速編集よりも、落ち着いて見られるテンポのほうが合うのではないか」

LoFi動画のように、情報を詰め込むのではなく、流しておける心地よさを重視する方向です。はやりのチャンネルを見てひらめいた「LoFi動画」を参考に、長尺動画を数本パイロット企画として投稿してみました。

そして、その数字を見たところ、もうひとつ大きな発見がありました。

視聴デバイスです。

デバイスの種類

視聴デバイスではテレビが22.4%。スマホだけでなく、テレビで視聴する人が一定数いることが分かった


視聴デバイスを見ると、携帯電話が51.0%。
そして、テレビが22.4%ありました。

これ、かなり大きなヒントでした。

スマホで次々とショート動画をスワイプして見る人だけではない。
テレビ画面で、ゆったり読書系動画を見る人がいる。

ここから、ペルソナ像が見えてきました。

テレビでゆったり読書系動画を見る高齢層。

この視聴者像が見えてから、長尺動画の演出方針が決まりました。

  • ナレーションの間を詰めすぎない。
  • 情報を詰め込みすぎない。
  • 落ち着いたテンポにする。
  • 本を選ぶ時間そのものを楽しんでもらう。

つまり、長尺動画ではスピードではなく、心地よさを優先しました。

ゆったり演出でも、視聴維持は成立した

実際に、長尺動画の視聴維持率を見ると、手応えがありました。

40分56秒の動画で、平均視聴時間は7分54秒。
平均視聴率は19.3%。

さらに、0:30付近まで62%の視聴者が視聴を続けていました。

長尺の演出につかった動画は、静止画の一枚絵もしくはLoop動画。派手な動きは一切ありません。

長尺動画の視聴者維持率


40分超の長尺動画でも平均視聴時間は7分54秒。0:30地点の視聴継続率も通常を上回った


ここで大事なのは、
YouTube攻略法をそのまま真似するのではなく、自分の視聴者に合わせること
です。

「間を詰める」は、たしかに有効な手法です。

でも、すべてのチャンネルに正解とは限りません。

僕のチャンネルでは、視聴者の年齢層やテレビ視聴の比率を見たうえで、あえてゆったり見られる演出にしました。

その結果、長尺動画でも視聴時間を積み上げられるようになってきました。

ショートは入口、長尺は視聴時間と信頼を積み上げる場所

ショート動画と長尺動画は、同じYouTube動画でも役割が違います。

僕のチャンネルでは、こう分けて考えています。

ショート動画は、出会ってもらうための入口。
長尺動画は、視聴時間と信頼を積み上げる場所。

ショート動画では、海外ミステリー小説の新作情報を30秒で届ける。
気になった人に登録してもらう。

長尺動画では、テレビでも見やすいテンポで、ゆったり読書系の情報を届ける。
視聴時間を積み上げる。

この使い分けを始めたことで、収益化に必要な視聴時間も現実的に見えてきました。

総再生時間の推移

通常動画だけで2,384.2時間、全体では6,056.8時間まで総再生時間が積み上がった


総再生時間を見ると、全体では6,056.8時間。
そのうち、通常動画だけで2,384.2時間まで積み上がっています。

ショート動画は再生数と登録者獲得に強い。
通常動画は視聴時間の積み上げに強い。

この役割分担が見えてきたことで、チャンネルの運営方針がかなり整理されました。


伸びない人ほど、動画を作る前に「誰に届けるか」が曖昧になっている

YouTubeが伸びないとき、多くの人は動画の作り方を見直します。

編集を変える。
サムネイルを変える。
タイトルを変える。
投稿時間を変える。

もちろん、それも大事です。

でも、その前に見直したいのが、
誰に向けて、何を、どんな形で届けるのか
です。

僕の場合は、こうでした。

読書系という市場を選ぶ。
海外ミステリー小説に絞る。
新作情報に特化する。
ショート動画では三冊紹介にする。
ずんだもん音声を倍速にして30秒以内に収める。
AIでシナリオ制作を効率化する。
登録者獲得にはショートを使う。
視聴時間には長尺動画を使う。
長尺動画は年齢層と視聴デバイスに合わせて、ゆったりした演出にする。

こうやって、少しずつ設計を具体化していきました。

チャンネル設計とは、ジャンルを決めることだけではありません。

  • 誰に向けるか。
  • 何を紹介するか。
  • 何冊に絞るか。
  • 何秒で見せるか。
  • どんな声で届けるか。
  • スマホで見る人が多いのか。
  • テレビで見る人が多いのか。

そこまで含めて考えることです。


問題起点で考えると、届く人が広がる

ここで、もうひとつ大事なのがタイトルや企画の考え方です。

YouTubeでもブログでも、
解決策起点
で考えると、届く相手が狭くなることがあります。

たとえば、

「副業で稼ぐ方法」
「YouTubeを伸ばす方法」
「チャンネル設計のやり方」

こういうタイトルは、すでに解決策を探している人には届きます。

でも、まだ自分の問題をはっきり言語化できていない人には届きにくいです。

そこで大事なのが、
問題起点
です。

たとえば副業なら、

「副業を始めて3ヶ月で挫折する人に共通する落とし穴」

こうすると、届く相手が広がります。

副業に興味がある人。
すでに副業を始めたけど成果が出ていない人。
これから始めようか迷っている人。

こういう人たちが、
「あ、自分のことかもしれない」
と思いやすくなります。

今回の記事タイトルも同じです。

「伸びるチャンネル設計の方法」ではなく、
「YouTubeを始めたのに伸びない人は、最初のチャンネル設計でズレているかもしれない」

こうすることで、解決策を探している人だけでなく、
「投稿しているのに伸びない」
「毎日やっているのに反応がない」
「自分のチャンネル設計が合っているのか不安」
という人にも届きやすくなります。

まとめ:伸びるチャンネルは、思いつきではなく設計で作る

YouTubeは、ただ動画を出せば伸びるわけではありません。

伸びるチャンネルは、設計されています。

  • 市場を見る。
  • 需要のあるジャンルを選ぶ。
  • その中でテーマを絞る。
  • 視聴者に刺さる切り口を見つける。
  • 動画の型を決める。
  • AIで作業を効率化する。
  • ショートと長尺の役割を分ける。
  • アナリティクスを見て、視聴者に合わせて演出を変える。

僕自身、読書系ジャンルの中で海外ミステリー小説の新作情報に絞ったことで、チャンネルの反応が変わりました。

ショート動画では、三冊紹介、ずんだもん音声、倍速ナレーション、30秒以内という型にしたことで、1,000回以上再生される動画が継続して出るようになりました。

さらに、51,601回再生で登録者+52人という結果も出て、ショート動画が登録者獲得の入口になることが見えてきました。

一方で、収益化には視聴時間が必要です。

そこで長尺動画を始め、アナリティクスから見えてきた「テレビでゆったり読書系動画を見る高齢層」というペルソナに合わせて、あえて詰めすぎない演出にしました。

その結果、通常動画だけで2,384.2時間、全体では6,056.8時間まで総再生時間が積み上がっています。

YouTubeが伸びないと悩んでいるなら、まず見直すべきは編集テクニックだけではありません。

どの市場で、誰に向けて、何を、どんな形で届けるのか。

ここを見直すだけで、動画の反応は変わります。

自分が話したいことを、そのまま出すのではなく、
市場が求めていることの中から、自分が語れる場所を探す。

そこに、伸びるチャンネル作りの入口があります。