
「よし!今日は動画を作るぞ!」
そう思ってパソコンを開いたはずなのに、気づけば2時間、3時間……。
まだ素材サイトを見ている。
これ、動画制作をしている人なら、一度は経験があるんじゃないでしょうか。
特に解説動画を作っている人ほど、この「素材探し地獄」にハマります。
台本は完成している。
話す内容も決まっている。
でも、その一文一文に合った背景動画や画像を探し始めると終わらない。
Adobe Stock、PIXTA、Pexels、Unsplash……。
素材サイトを何個も開いて、「これじゃない」「もう少し違う」「人物はいいけど、背景が違う」と延々スクロール。
結局、動画編集よりも素材探しの時間のほうが長くなってしまうことも珍しくありません。
素材探しで挫折する人の共通点
実は、素材探しで挫折する人には共通点があります。
それは、
全部、自分の目で探そうとしていること。
昔は、これしか方法がありませんでした。
検索して、
サムネイルを見て、
クリックして、
ダウンロードして、
編集ソフトへ入れてみる。
「やっぱり違う。」
そして、また最初から。
これを何十回、何百回も繰り返します。
動画編集が嫌いになる理由って、編集そのものではなく、この素材探しだったりするんですよね。
AIに「探す仕事」を任せる
そこでおすすめなのが、AIを素材リサーチ担当にするという考え方です。
AIは画像を作るだけではありません。
最近では、既存の画像や動画を探して一覧化したり、台本に合わせて必要な素材を提案してくれたりします。
人間が何時間もかけていた作業を、数分で終わらせられるケースも増えています。
AIに既存素材を探させる

一番簡単なのは、GeminiなどのAIに台本を渡す方法です。
やり方は、とてもシンプル。
まず、完成した台本、または参考にしたいYouTube動画のURLをAIへ入力します。
そして、次のようなイメージで指示します。
- 画像は生成せず、Google検索で探してください
- 動画素材はYouTubeのリンクで提案してください
- 解説動画は検索結果から除外してください
- 台本を句読点ごとに区切り、それぞれに合う素材を提案してください
この「句読点ごとに探す」という指定が、意外と重要です。
例えば、
「AIは便利です。しかし、使い方を間違えると逆効果になります。」
という文章なら、
- AIをイメージできる素材
- 作業効率が上がる様子を表す映像
- 困っている人物
- パソコンで作業している場面
- 失敗や逆効果をイメージできる映像
というように、台本の流れに合わせて細かく素材候補を出してくれます。
自分でゼロから探すより、圧倒的に速くなります。
ただし、AIが集めた画像は、あくまで参考素材です。
そのまま使うのではなく、あとで紹介するようにAI画像生成の参考にすることで、実際の動画で使いやすいオリジナル素材へと発展させることができます。
なぜなら、検索で集めた画像には、著作権や利用条件の問題があるものも含まれているからです。
AIが集めた素材は、そのままでは使えない
AIが集めた素材には、有料ストックフォトのプレビュー画像や、テロップ入りの画像などが含まれている場合があります。
そのため、検索結果に表示された画像を、何も確認せずそのまま使うことはできません。
例えば、AIがGoogle検索などから集めてくる画像には、次のようなものが混ざります。
- 有料ストックフォトの透かし、いわゆるウォーターマークが入った画像
- ShutterstockやAdobe Stockなどのプレビュー画像
- テロップやロゴが入ったYouTubeのサムネイル
- 著作権のあるニュース画像
- SNS投稿のスクリーンショット
これらを、そのまま動画に使うのは避けるべきです。
AIは「素材を納品する人」ではなく「探す係」
ここで考え方を少し変えると、分かりやすくなります。
AIは素材を納品する人ではなく、リサーチ担当です。
例えば、「工場で働く人が困っている様子」という素材が欲しいとします。
AIは、
- Shutterstockのプレビュー画像
- Getty Imagesに掲載されている写真
- YouTube上の映像
- ニュース記事に使われている写真
などを候補として見つけてきます。
それらを見ながら、
「ああ、自分が欲しかったのは、こういう構図なんだな」
「困っている様子を表現するなら、こういう表情やカメラアングルが合いそうだな」
と、必要な素材のイメージを固めていきます。
そのあとで、
- Pexels
- Pixabay
- Adobe Stockなどの契約中の素材サービス
- 自分で生成したAI画像
などから、利用条件を確認したうえで、正式に使える素材を用意するという流れです。
つまり、AIは「完成した答え」を持ってくるのではなく、「素材の方向性」を示してくれる存在なんです。
そして、その方向性をもとにAI画像生成でオリジナル素材を作るのが、現在かなり効率的な制作フローです。
不要な画像を減らすためには、最初からAIに条件を付けるのも効果的です。
例えば、
「商用利用可能な素材サイトであるPexels、Pixabay、Unsplashなどを優先してください。有料ストックフォトのプレビュー画像、ウォーターマーク入り画像、テロップやロゴが入った画像は候補から除外してください」
と指示します。
こうした条件を加えることで、目的に合わない検索結果を減らし、素材探しの精度を上げやすくなります。
ただし、AIが「商用利用可能」と判断した場合でも、最終的には素材サイトの利用規約やライセンスを自分で確認することが大切です。
参考画像をAIでオリジナル素材に変える方法

AIが集めた画像は、そのまま使うのではなく、参考画像として活用できます。
例えば、その画像をAIに読み込ませて、
「この構図や雰囲気を参考に、オリジナル画像を生成するためのプロンプトを作ってください」
と依頼します。
この方法が、現在かなり実用的だと思います。
最近では、次のような流れで作業するクリエイターも増えています。
① AIに参考画像を集めてもらう
↓
② イメージに近い画像を選ぶ
↓
③ AIに「この画像を参考にした生成用プロンプト」を作ってもらう
↓
④ Nano Bananaなどの画像生成AIで画像を生成する
↓
⑤ 必要に応じて、動画生成AIで動きを付ける
この方法なら、既存画像をそのまま転載するのではなく、「こんな構図が欲しい」「こんな雰囲気にしたい」というイメージをもとに、オリジナル素材を作りやすくなります。
ただし、参考画像とほぼ同じものを複製するのではなく、構図や色味、照明、空気感といった要素を参考にしながら、別の表現として生成することが重要です。
参考画像から生成用プロンプトを作ってもらう
例えば、参考画像をAIに読み込ませて、次のように依頼します。
この画像の構図、雰囲気、色味、ライティング、カメラアングルを分析してください。
この画像をそのまま複製するのではなく、同じような印象を持つオリジナル画像を生成できる英語プロンプトを作成してください。
人物、ロゴ、商品、背景の細部は別のものに変更してください。
すると、次のような生成用プロンプトを作ってくれます。
A cinematic office scene featuring a stressed office worker sitting at a modern wooden desk, looking at multiple computer monitors displaying graphs and documents. Soft morning sunlight streams through large windows, creating warm natural lighting. Neutral color palette with blue and gray tones. Shallow depth of field, realistic photography, 35mm lens, high detail, professional composition, ultra realistic.
あとは、この生成用プロンプトをNano Bananaなどの画像生成AIへ入力します。
もちろん、一回で理想どおりの画像が出てくるとは限りません。
人物の年齢、服装、背景、時間帯、カメラの位置などを少しずつ調整しながら、動画の台本に合う素材へと近づけていきます。
AIは画像を「読む」のが得意
最近のGeminiやChatGPTなどのAIは、画像を見て、さまざまな要素を細かく分析できます。
例えば、
- 構図
- 色味
- カメラアングル
- レンズの雰囲気
- ライティング
- 被写界深度
- 人物のポーズ
- 表情
- 背景
- 画像全体の雰囲気
といった要素です。
人間だと、
「なんか、いい感じ」
で終わってしまうところを、AIは、
「ローアングル、35mmレンズ、シネマティックライティング、暖色系、浅い被写界深度」
というように、画像の特徴を具体的な言葉へ変換してくれます。
この「なんとなく良い」を言語化してくれる機能が、画像生成では非常に役立ちます。
さらにおすすめの使い方
プロンプトを作るときには、次のような指示を追加するのがおすすめです。
この画像をそのまま再現するのではなく、
・構図
・色味
・カメラアングル
・ライティング
・世界観
だけを参考にしてください。
特定の人物、作品、ブランド、ロゴなどを再現せず、独自の設定と表現を使ったオリジナル画像用のプロンプトを作成してください。
こうした指示を入れることで、特定の人物や作品をそのまま再現する方向ではなく、「雰囲気」や「演出」を参考にしたオリジナル画像を目指しやすくなります。
つまり、
「AIが集めた画像を、そのまま動画で使う」
のではありません。
「AIが集めた画像をアイデアボードとして活用し、その特徴をAIに分析させて、別のオリジナル素材を生成する」
という考え方です。
この方法なら、素材探しに何時間も費やす代わりに、数枚の参考画像から、自分の動画に合ったオリジナル素材を短時間で作りやすくなります。
AIエージェントで素材を一括生成する
ここまでは、AIを使って素材を探したり、参考画像からオリジナル素材を生成したりする方法でした。
さらに一歩進めると、AIエージェントに一連の作業をまとめて任せることもできます。
さらに時間を短縮したい場合は、AIエージェントを活用する方法があります。

例えば、Gensparkのようなサービスでは、台本を貼り付けたうえで、
「ラフスケッチ風で作って」
「リアルな映像にして」
「このYouTubeショートのテンポや構成を参考にして、別の内容で作って」
といった指示を出すことで、必要なカットをまとめて生成できる場合があります。
参考動画のURLを貼り付けて、
「人物の服装や髪型、年齢などの設定を維持したまま、各カットを作ってください」
と指示すれば、複数の場面に登場する人物の一貫性を保ちやすくなります。
ただし、参考動画をそのまま複製するのではなく、構成やテンポを分析するための参考として使い、映像の内容や演出はオリジナルにすることが大切です。
画像生成には用途に合った高品質な画像モデルを指定し、動画生成には人物や背景の一貫性を維持しやすいモデルを使うことで、編集しやすい素材をまとめて作成できます。
意外と時間がかかる「ダウンロード作業」
意外と見落とされがちなのが、生成した素材のダウンロード作業です。
AIが100枚の画像を作ってくれても、1枚ずつ保存していたら、結局かなりの時間がかかります。
生成そのものは速くなったのに、最後の保存作業でまた時間を取られる。
これでは、ちょっともったいないですよね。
そこで便利なのが、生成した画像や動画を一つのフォルダへまとめる機能です。
利用しているサービスが対応している場合は、生成が終わったあとに、
「すべての動画を一つのフォルダに入れてください」
「今回生成した画像と動画を、案件ごとに整理してください」
と指示します。
すると、生成された動画や画像を一つのフォルダにまとめられる場合があります。
あとは、そのフォルダを一括でダウンロードします。
細かな保存作業がなくなるだけでも、素材管理はかなり快適になります。
ファイル名についても、
「台本の番号と対応するように、01、02、03の順番で名前を付けてください」
と指示しておけば、編集ソフトへ読み込んだあとも素材を探しやすくなります。
まとめ
動画制作で一番もったいないのは、
「探す作業」に時間を使いすぎることです。
クリエイターが本当に時間を使うべきなのは、
- 企画を考えること
- 台本を書くこと
- 分かりやすく編集すること
この3つです。
素材探しは、AIが得意な仕事です。
ただし、AIが見つけた検索画像を、そのまま使うわけではありません。
AIに素材候補を集めてもらい、その中からイメージに近いものを選ぶ。
参考画像の構図や色味、雰囲気をAIに分析してもらう。
その分析結果をもとに生成用プロンプトを作り、AI画像生成でオリジナル素材へ仕上げる。
必要であれば、さらに動画生成AIで動きを付ける。
この流れを取り入れることで、これまで何時間もかかっていた素材探しを、大幅に効率化できる可能性があります。
動画制作は、「全部自分でやる時代」から、「AIに任せられる作業は任せる時代」へ変わりつつあります。
素材探しで毎回疲れ切ってしまう人ほど、一度AIをリサーチ担当として使ってみてください。
きっと、
「あの何時間は何だったんだろう」
と思えるくらい、動画制作の進め方が変わるはずです。
特に「著作権を侵害せずに実現できる」という断定は避け、参考画像の利用方法や各サービスの規約確認が必要であることを明確にしました。








