抽象的なかっこいいモーショングラフィックスを分析し、その共通点である7つの要素をAfter Effectsでの作り方とともに解説します。
かっこいいモーショングラフィックスの作り方|AfterEffects
1. サイバーエフェクト
デジタル感あふれる演出に欠かせないエフェクトです。グリッチ、ノイズ、グローの3種類をマスターしましょう。
a. グリッチエフェクト:
- 「エフェクト」>「イマージムビデオ」>「VRデジタルグリッチ」を追加します。
- 「水平方向の視差」「垂直方向の視差」でグリッチの縦横比を、「マスター強度」で掛かり具合を、「歪み」で形状や色ずれ、粒度を調整します。
- テクニックとして、「マスター強度」にキーフレームを打ち、不規則な変化をつけることでリアルなグリッチを表現できます。0をオフ、それ以上をオンとして、3秒間隔でランダムな値に設定します。
- さらに、loopOut(“cycle”)というエクスプレッションを「マスター強度」に追加すると、キーフレームがループします。このエフェクトはプリセット保存も可能です。
b. ノイズエフェクト:
- 「エフェクト」>「ノイズ&グレイン」>「ノイズ」を追加します。
- 「ノイズ量」でノイズの強さを調整します。ノイズは自動的にアニメーションしますが、周期が速すぎる場合は、「エフェクト」>「時間」>「ポスタリゼーション時間」で調整できます。値を小さくすると周期が遅くなります。
c. グローエフェクト:
- レイヤー > 「レイヤースタイル」>「光彩(外側)」で追加します。
- 「カラー」で発光色、「スプレッド」で柔らかさ、「サイズ」で強さを調整します。
- テクニックとして、レイヤーを2つ複製し、上に重ねるごとに「スプレッド」を小さく、「サイズ」を大きくするとリアルなグローになります。
- また、複製元のレイヤーのカラーを発光色の明度を上げた色に、複製レイヤーのカラーを発光色の彩度を上げた色にすると、より自然なグローになります。
- 仕上げに、各レイヤーの「光彩(外側)」>「不透明度」にエクスプレッションwiggle(13,34)を追加し、ちらつきを表現します。
2. 彩度低めの配色
彩度が低い、モノトーンやダークな配色に、高彩度のアクセントカラーを組み合わせることで、スタイリッシュな印象になります。
- ベースカラー:75%
- メインカラー:20%
- アクセントカラー:5%
配色に自信がない場合は、「調整レイヤー」を作成し、「エフェクト」>「カラー補正」>「トライトーン」を適用。「ミッドトーン」でベースカラーを決めると、簡単に統一感のある配色を作成できます。
3. 直線的なフォント
太めのゴシック体や細めのフォントがスタイリッシュな印象を与えます。小塚ゴシック、VDLゴシック、GigaG Corporate Logo、BananaSlipなどがおすすめです。
4. 伸縮・分解テキストモーション
テキストの出現時や消える際に、伸縮や分解のアニメーションを加えると、より印象的になります。
a. 伸縮:
- テキストレイヤーをシェイプ化します(レイヤーを右クリック > 「作成」>「テキストからシェイプを作成」)。
- パスの先端を複数選択し、伸ばしたい方向に移動させます。自動的にキーフレームが打刻されます。
- 1秒地点のキーフレームにイージーイーズを適用します。
b. 分解:
- プラグイン「GG分解」を使用すると、文字をパーツごとに分解できます。
- 分解したシェイプを、上下左右に散らばるようにアニメーションさせます。
- キーフレームの開始点と終了点をずらしたり、レイヤーを複製して色を変えたりすることで、より複雑なアニメーションを作成できます。
5. 直線的なライン
水平、垂直、斜めの直線的なラインを効果的に使用することで、かっこいい印象になります。
- 水平ライン:広がり、ゆとり、安定
- 垂直ライン:力強さ
- 斜めライン:エネルギー
ラインを、構図の締め付け、模様、トランジションなどに使用することで、デザイン性を高めることができます。
6. パスのオフセット
シェイプレイヤーのパスをオフセットすることで、ラインを繰り返すパターンや背景素材に動きをつけることができます。
7. グラデーション
ワンポイントでグラデーションを使用することで、洗練された印象になります。
- 塗り:線形グラデーションまたは円形グラデーション
- エフェクト:描写 > 四色グラデーション
背景のシェイプや配色に物足りなさを感じるとき、または画の質感を上げたいときに効果的です。
まとめ
これらの要素を組み合わせることで、様々なクールなモーショングラフィックスを作成できます。ぜひ、試してみてください。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 AE を書きます。