アップを録るためのズームイン映像。結構よく使います。
ところがたまにロケ現場で撮り逃してしまうことがあって、ラッシュを見て青くなることがあります。
昔はその部分だけ撮り直しにいくこともありましたが、今は編集でなんとかなるようになります。
編集で「 ズームイン 」する方法
こんな質問を目にしました。
動画を作りたいのですが、編集で一枚絵の一部に近寄ったり、そのまま移動したりというようなカメラワーク?みたいなことは出来るのでしょうか?フリーソフトを教えていただきたいです。
質問の内容によると、撮影して編集に取りかかったところ、アップが撮れていないことがわかった。
編集レベルで画像を拡大することはできないか?というお悩みです。
画像の拡大は可能です。
編集ソフトにはカットレベルで画像の加工ができる機能が備わっています。
Davinch Resolve 18で解説します。
拡大縮小の手順
- 拡大したい映像をタイムラインビュアーに読み込む
- 拡大したい映像を選択する
- 映像が赤い枠で囲まれる
- タイムラインビュアーから下向きのマークをくりっくし【変形】を選択する
- すると画面に白枠が出現するので、四隅をマウスで動かす
- 映像が拡大縮小されるので任意の画角に調整する
以上です。
拡大縮小画面は上下左右に移動することもできます。
また、細かな微調整は数値パネルによって入力可能です。
ズームイン、ズームアウトもできます。
Davinch Resolveにはダイナミックズームという機能が付いています。
素材が静止画でも編集ソフトで画面を拡大する機能です。
ズームアウトすると画面の外枠の黒味が見えてしまうので特殊な要素。
例えばエンドロールの挿入画像などに使います。
具体例はこちら。
この動画は、ズームの機能がもともと付いていないドローンの映像を、編集段階でズームさせることで撮影効果のアップを狙ったものです。
方法はモザイクの掛け方と同じように、イン点とアウト点を決めてそれぞれ画角を設定するという流れです。
この場合は、固定レンズというドローンの制約を編集により補い、演出効果を高めたものでしたが、急場のしのぎに留めた方がスマートです。なぜかというと。
デメリットは画像が荒れること。
というのも、編集による拡大は画像を無理やり拡大することになるので、見た目粒子が荒れた映像になります。
プロの現場ではよほどのことがない限り、編集による拡大は避けるのが当たり前。
準備不足や撮りこぼしなど制作者の力不足が晒されてしまうからです。
編集に頼らずしっかり絵を撮ろう
静止画の撮影と動画の撮影は似ているようでいて違います。
動画には時間と空間という要素が加わるため、被写体や撮影者の位置を頭に入れながら撮影計画を立てなくてはなりません。
いい絵を撮ろうと思ったら、編集も意識して撮影段階で欲しい動きは取っておきましょう。
ものを伝える映像の場合、出たとこ任せに撮影するのは素人のやることだからです。
事実の再構成を頭に入れて撮る
ドキュメンタリー映像の世界で、「事実の再構成」という言葉を聞くことがあります。
起きてしまった出来事を映像で捉えることは、偶然そこにいない限り無理な話です。
覆水盆に返らず。と諦めてしまっては、映像で事実を伝えられないことになります。
それでは制作者はおまんまの食い上げ。
なんとか起きてしまった出来事を伝えることができないかと考えたのが、これから起こりうる出来事をあらかじめ想定して撮影すること。
起きてしまった事実を後から再構成によって再現するという考え方でした。
まとめ
設計図を作るように、取材した事実を頭に思い浮かべながら撮影計画を立てる。
これから撮るべき映像を事前に組み立ててストーリーを作る。
ざっくりとした想定内で余裕を持って現場にのぞむむことが動画作りの秘訣です。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 ズームイン を書きます。