最強のAI音声処理 Voice Isolation とDialogue Levelerの使い方 DaVinci Resolve18.x

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Voice Isolation を書きます。

撮影した動画を試写する時、周りの雑音が大きすぎたり、音が割れて聞こえたりしてうんざりしたことありませんか。

そんなとき、編集ソフトで音だけ修復したりしますが、音の調整は面倒です。

カットやトラックごとに調整するなど手間がかかりますし、それなりの知識も必要です。

これまでは音の品質アップはプロの音声さんの独壇場でしたが、はっきりいって、時代が変わりました。

DaVinci Resolveの有償版、DaVinci Resolve Studioに音声処理を大幅に改善してくれる神機能が加わりました。

18.1から搭載されたAI機能[Voice Isolation]と[Dialogue Leveler]です。

『Voice Isolation』と『Dialogue Leveler』とは

DaVinci Resolve18.1の有料版に搭載された新機能です。

DaVinci Resolve 有償版

[Voice Isolation (ヴォイス・アイソレーション)]とは 周りの音を取り除いて主音声だけを際立たせる機能です。

雑踏の中でのインタビューなどに威力を発揮します。

[Voice Isolation]の欠点はかけすぎると音声が人工的なものになってしまうことです。

「ダイアログ・レベラー」は音割れの原因となる音のピークを自動的に抑えてくれる機能です。ラウドネスの進化版といったイメージです。

この二つの機能を使うと①ノイズ消し、②音量調整がAI自動運転になったくらい快適になりました。

『Voice Isolation』と『Dialogue Leveler』の使い方

[Voice Isolation]と[Dialogue Leveler]は、インスペクタの中にある機能です。

エフェクトの中からは見つからないので注意しましょう。

Voice Isolation の使い方

また、これまでの音補正は、問題のあるクリップごとにかけていました。[Voice Isolation]はトラック単位に適用することができるようになりました。

やり方は簡単です。

『Voice Isolation』は音声編集に使うFairlightだけでなくカットページ、エディットページでも適用できます。

いずれかのページから[Voice Isolation]を適用したいクリップを選択します。

右上の[インスペクタ]を開き、[Audio]タブの中にある[Voice Isolation]のボタンを赤に切り替えます。

[Voice Isolation]にはスライダーか数値を変えることで適用度合いが変わります。

普通の雑音でしたら数値がゼロでも[Voice Isolation]のボタンを赤に切り替えるだけで聞こえなくなります。

雑音が大きな環境では、数値を大きくすることで調整できますが、音声全体に効果がかかるため一部聞こえにくくなるので注意が必要です。

モニターで聴き比べながらスライダーを動かしたり、数値を入力調整して、程よき値を探りましょう。

あまりレベルを低くすると違和感を感じるので20から40程度から始めましょう。

チュートリアル動画

Dialogue Levelerの使い方

人の声のレベルを均一にしたい時ありませんか。

[Dialogue Leveler]ダイアログレベラーは音の大小を整えることで聴きやすくする機能です。

例えば被写体が近くに寄ったり遠ざかったりする場合。遠近感がありすぎると音が聞きづらくなったりします。

こんな場合、Modeチェックを組み合わせて聴きやすい音を探るのが[Dialogue Leveler]です。

使い方はシンプルです。

Voice Isolationと同様に、右上の[インスペクタ]を開き、[Audio]タブの中にある[Dialogue Leveler]のボタンを赤に切り替えます。

モードの値を耳で聞きながら調整することでリアルタイムで音声を読み込み、人の声などのレベルを均一化してくれます。

Mode

  • Allow wider dynamics・・・音のダイナミックレンジが広い場合
  • Optimized for most sources・・・デフォルト設定
  • More lift for low levels・・・音が小さ過ぎる場合
  • Lift soft whispery sources・・・ささやき声と背景音が混ざっている場合

チエック

  • Reduce loud dialogue・・・大き過ぎる音を抑えるリミッター要素
  • Lift soft dialogue・・・背景音を抑え、小さな声のみ上げてくれる
  • Background reduction・・・背景音を小さくする

動画を再生しながら音声と波形を見ながら最適な値を探ります。

録音状態や動画のテーマによって音色の味わいは変わるので、正解はありません。いろいろいじって好みの音を探しましょう。

チュートリアル動画

無料版から有償版DaVinci Resolve Studioへのアップグレード方法

DaVinci Resolve18は無料でプロの動画編集ができるソフトです。

無償版から有償版への切り替えは、いったん無償版をアンインストールして有償版をインストールし直すことになります。

無償版で制作したプロジェクトファイルは丸ごと保存・移行できるので心配ありません。

アップグレード方法は別記事にまとめました。

まとめ

DaVinci Resolveは無償版でも強力な動画編集ソフトですが、よりストレスなく編集するなら有償版に切り替えるのもありです。

  • AIが音声から背景音やノイズを排除して、人の声だけを抽出してくれる
  • リアルタイムで音声を読み込み、人の声などのレベルを均一化してくれる

ドキュメンタリー系の動画制作をするなら、この二つの機能はまさに天の助けですね。

音がしっかり編集できたことで撮影の不安がなくなりました。

[Voice Isolation]と[Dialogue Leveler]に関するよくある質問

[Voice Isolation]と[Dialogue Leveler]のメリットとは
対談の収録などの場合、指向性の高いマイクを使って収録すると環境音に邪魔されず話者の声だけ収録できます。しかし、聞き手の声も収録したい場合は指向性の高いマイクは対応できません。カメラマイクなどの広い画角の音が録れるマイクで環境音ごと二人の声を収録し、環境音だけ編集で取り除ける点が[Voice Isolation]と[Dialogue Leveler]のメリットです。
[Voice Isolation]と[Dialogue Leveler]に相性の良いマイクはありますか
環境音ごと対談の声音が録れるマイクにはECM-B10などのような広角マイクがあります。