After Effects で「生まれて消える文字」を作る方法【初心者OK】

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects で「生まれて消える文字」を作る方法を書きます。

「暗い部屋で、机に向かってカタカタとタイプライターを打つ男。その背後に、文字が生まれては消えていく――。」

こんなシーン、映画とかNetflixドラマで見たことありません?

実際にやってみると「うわっ、映像のクオリティが一段上がった!」って感動するんです。

でも最初は「どうやって文字を浮かび上がらせるの?」って思いますよね。僕もそうでした。After Effectsのエフェクトって、名前がカタカナだし、直感的にピンと来ない。でも、実はすごくシンプルなんです。

今回はタービュレントノイズ輪郭抽出を使って、「文字が生まれては消えるアニメーション」を作る方法を解説します。初心者でもできるので安心してください!

生まれて消えるように浮かび上がる文字の作成【After Effects初心者向け】

シーンの具体例

僕が今回作ったのは、こんなイメージです。

  • 部屋の机に座っている男がタイプライターを打つ。
  • その映像の上に、英文のテキストが浮かび上がる。
  • 文字はすべて同時に出るんじゃなくて、霧みたいに揺らぎながら現れて、スッと消えていく。

「ただの文字なのに、映像の一部として“物語”が宿る」っていうのがこの手法の魅力です。

ステップ1:新規コンポジションを作成

まずはいつもの流れから。

  • 名前:「comp」
  • サイズ:1920×1080
  • フレームレート:25fps(もちろん30fpsでもOK)

映像素材(今回だとタイプライターを打つ男性の動画)をタイムラインに置いておきます。

ステップ2:テキストコンポを作る

次に、文字を準備します。

  1. 「新規コンポジション」を作成(名前:「Text」)。
  2. テキストツールで英文を入力。
  3. フォントは「Times New Roman」とか「Courier New」みたいな打ち込み風のものがおすすめ。
  4. 文字サイズは画面全体に広がるくらいに。

これで映像の上に、びっしりと文字が並んだ画面が完成します。

ステップ3:マスクコンポを作る

文字を「浮かび上がらせる」ために必要なのがマスクです。

  1. 「新規コンポジション」を作成(名前:「Mask」)。
  2. 新規平面を作る。
  3. エフェクト → タービュレントノイズを適用。
  4. 「明るさ」にキーフレームを打ち、5秒かけて黒から白へ変化するように設定。

👉 これで「白くなった部分だけ文字が見える」状態を作れるわけです。

ステップ4:ルミナンスキーで合成

メインコンポ(comp)に戻って、以下のようにレイヤーを配置します。

  • 一番下:背景映像(男性がタイプライターを打っているシーン)
  • 中段:テキストコンポ
  • 上段:マスクコンポ

テキストコンポのトラックマットを「ルミナンスキー」に設定。すると、マスクコンポの明るい部分だけが文字として浮かび上がります。

この瞬間、「おぉ、出た!」って感動するはず。

ルミナンスキーとは、映像内の特定の色ではなく、明るさ(輝度)の範囲を指定して、その部分を透明にする映像合成技術です。黒い背景の炎の映像素材や、曇天の空を別の風景に置き換える際などに使われ、指定した輝度の範囲を透過させることで、他の映像と自然に合成できます。

ステップ5:輪郭抽出で“消えていく感”を演出

ただ出てくるだけだと「文字が見えただけ」になってしまいます。そこで一工夫。

マスクコンポに戻って――

  1. すでにタービュレントノイズが適用されている平面に、さらにエフェクト → 輪郭抽出を追加。
  2. ノイズの模様の輪郭だけが表示されるので、文字が「ジワッと生まれて、スッと消える」ような質感に。

このひと手間で、いきなり“映画っぽさ”が増します。

ステップ6:背景との馴染ませ方

文字がしっかり見えすぎると、合成感が出てしまいます。そこで調整を入れます。

  • カーブで背景を少し暗くする → 文字が見やすくなる。
  • 文字にブラー(ガウスぼかし)を薄く追加 → 背景の照明と馴染む。
  • 描画モードをスクリーンやオーバーレイに → 光に溶け込む感じになる。

これで映像の中に自然に「文字が存在」している雰囲気が出ます。

ステップ7:奥行きを出す(応用編)

もっとリッチにしたい人は、テキストを複製して「前景・中景・背景」に配置しましょう。

  • 前景の文字:大きめに、ブラーを強めに。
  • 中景の文字:はっきり見える。
  • 背景の文字:小さくして透明度を下げる。

こうすると奥行きが出て、視覚的に“世界に包まれている感”が増します。

実例の完成イメージ

僕がやった例だと、こんな流れになりました。

  • 男がタイプライターを打つ。
  • 文字がランダムに生まれて、部屋の暗がりに消えていく。
  • 奥行き感があるから、「空間そのものが言葉でできている」みたいな雰囲気。

完成映像を見た瞬間、「あ、これ映画だ…」って自分で鳥肌立ちました(笑)。

まとめ

今回の手法をまとめると:

  1. テキストを全画面に配置
  2. タービュレントノイズでマスク
  3. 輪郭抽出で“消えていく感じ”を追加
  4. カーブやブラーで背景と馴染ませる
  5. 奥行きが欲しいなら複製して配置

初心者でもできます。むしろ、最初にやって「映像っぽさ」の感覚を掴むには最高の練習だと思います。

いや〜、最初にやったときね、ほんとに“わ!浮かんできた!”って声出しましたから(笑)。ただの文字が、ちょっとした工夫で映像の一部になる。これがAEの楽しさなんですよ。だからもう、今日からやってみましょう。