たとえば、After Effects の画面上に 横長の模様や線を描いたとします。
そのままだと、ただの真っすぐな模様です。
でもそれを Polar Coordinates(極座標)っていうエフェクトで「ぐにゃっ」と変形すると、
まるでその模様が“円の形”に丸められたような映像に変わるんです!
極座標とは、例えるなら…「伸ばした生地を丸める魔法」です。
今日はAfter Effects の“極座標(Polar Coordinates)”エフェクトを使って、プロがよくやる“見栄え抜群で真似したくなる表現”を5パターン紹介します。
After Effects プロも使う!極座標で作る演出5選
① 斬撃・衝撃波ライン → 曲線に変化する演出
「整形レイヤー」とは
• ペンツールで引いた線
• フラクタルノイズなどのエフェクトをのせた平面
• 横長の画像やグラデーション
など、「これをグニャっと曲げたいな〜」という素材のレイヤーです。
「整形レイヤーにPolar Coordinatesをかける」という基本テクを使えば:
• 直線の光線 → 円形の斬撃
• 横長の模様 → SF風リング
• 横書きのテキスト → サークル状の文字…など、いろんな映像演出の“下地”が作れます!
⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛(横に伸びた線)
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◉(ぐるっと円になった形)
構造・手順
ペンツールで画面中央から縦線(Stroke)を描く
整形レイヤー(形や模様を作ったレイヤー)に Effect → Distort → Polar Coordinates を追加
Type を「Rect to Polar(長方形→極座標)」に設定、Interpolation を100%に
キーフレームで線をスライド(Y位置)させる → アニメすると直線が円形に展開!
シーン例
- アニメ風斬撃演出:剣や刀の線が“グニャッ”と円形に広がる
- SFエフェクト:エネルギー波が中心から放射状に展開して消える
感情のトリック:まっすぐの線が瞬間に曲がると、一気に「おっ!」と目を奪われます。
② 流光リング・回転サークル
手順
- フラクタルノイズやグラデーションで横長パターンを作成
- 上と同じく Polar Coordinates → 長方形を円形に変換
- Optionally → 再び Polar to Rect に戻すとユニークな変形効果
- Wave Warp や Turbulent Displace を組み合わせて揺らぎを追加
- 回転アニメーションやエクスプレッション(例:rotation*50)を加える
シーン例
- SF風トンネル演出:空間の奥へ吸い込まれるような動き
- 未来感あるUI表示:ロゴや文字が光のリングに包まれて回転
School of Motionなどでも紹介されている定番テクニックです 。
③ スパイラルワイプ・特殊トランジション
手順
- 極座標で Polar to Rect → 円を長方形に展開
- その上に Venetian Blinds や Checkboard エフェクトを適用
- 再度 Rect to Polar を適用して元の円形に戻す
- キーフレーム制御で、スパイラルワイプのような切り替えを演出
シーン例
- 斬新な画面切り替え:リールやVlogのトランジション素材に最適
- ミニゲーム風エフェクト:ステージ切り替え時のにぎやかな演出に
School of Motion でもこの組み合わせが解説されており、簡単なのに高度に見えます 。
④ テキストをぐるっと曲げてサークル文字アニメ
手順
- 横書きのテキストを作成
- Polar Coordinates(Rect to Polar)で円弧に変形
- インター ポレーション調整で扇状の文字を生成
- 回転アニメーションやGlow、Tint等と組み合わせてキネティックタイポ風に
シーン例
- タイトルアニメ:映画やMVのタイトルロゴが円周に沿って現れる演出
- ブランド名サークル:ロゴまわりを文字がぐるっと囲うスタイル
TikTokでも「kinetic text polar coordinates」タグで多用されており、視覚的に映えます 。
⑤ パノラマ写真を“地球化”する演出
手順
- パノラマ写真を用意し、左右をタイル補正(繋がるように)
- 合成を正方形(例:1920x1920px)に設定
- Polar Coordinates → Rect to Polar に設定 → 丸型に変形
- 外側にGlintや鼻光を追加。3Dレイヤーにして回転させる
シーン例
- 都市夜景を丸く回す映像:SNSショートやMV背景に映える
- 製品360°ビュー演出:インスタや商品紹介用に、まるっと回転表示
この手法はパノラマ専門のブログでも解説されており、見た目以上に簡単です 。
✅ まとめ:極座標で演出力300%アップ!
- 斬撃・衝撃波ライン は切れ味ある動きに
- 流光リング・円形演出 はSF/キネティック演出に
- スパイラルワイプ はオリジナルな画面切り替えに
- 文字のアーチ変形 はロゴやタイトル演出に
- パノラマ丸形化 はインスタ映え背景や回転演出に最適
最初は設定が固く見えるかもですが、一度触ってみれば 「え、これだけでここまでできるの?」 と驚くはず。
Central point(回転中心)と Interpolation(強さ値)、Type の組み合わせで、表現が無限に広がります。
🎁 おまけ:使いこなしTips
- 調整レイヤーに適用して複数に拡散
- Wave Warp / Turbulent Displace とセットで ゆらぎや自然な揺れを追加
- Glow や Add モード で光の奥行感+立体感を演出
- ループ用に Evolution オプションを組み込む(長時間再生で自然ループ化)
ぜひまずは、「長い線を極座標で曲げる」から始めてみてください。
そこから、グラデーション・パーティクル・回転を重ねると、もう世界観が全然違う。
使えば使うほどクセになる…そんな魔法のようなエフェクト、極座標。
あなたの動画に“見たことないけど心惹かれる“世界を加えてくれるはず。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects 極座標を書きます。