After Effects で内側がぼやけた円を広げる方法【初心者向け】

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects で内側がぼやけた円を広げる方法を書きます。

今日は、After Effectsを使って「内側の淵がふわっとぼやけた円が広がっていくアニメーション」を作っていきましょう。

これね、実際に映像に入れてみるとすごいんですよ。例えば、オープニングの最初に円がふわっと広がって、その後にタイトル文字が現れる。あるいは実写映像に重ねて「場面転換のエフェクト」として使うと、プロっぽい映像演出に早変わり。

一見すると「どうやって作るの?」って思うけど、実は基本のマスク操作とスケールアニメーションだけでできちゃうんです。初心者でも大丈夫。

今回は、その作り方をステップごとに説明していきます。

After Effectsで内側の淵がぼやけた円が広がるアニメーションの作り方【初心者向け】

1. 実際の完成イメージ

まずは完成イメージを想像してみてください。

黒い画面の中央に、白い光の輪っかがふわっと現れて、じわ〜っと広がっていく。

その淵はシャープじゃなくて、少しぼやけていて柔らかい雰囲気。

この「ぼやけた円」が広がるだけで、映像に「奥行き」や「時間の流れ」が加わって、ただの静止テロップよりグッとおしゃれに見えます。

例えば:

  • YouTubeのオープニング → 「Presented by ○○」が円と一緒に浮かぶ
  • Vlogのシーン切り替え → カフェのカットから街並みに切り替わるときに挟む
  • イベント映像 → 円が広がって消えた瞬間に花火映像がバンッと出る

こういう「円が広がる動き」って、映像演出のちょっとしたスパイスなんです。シンプルだけど応用が効くので、ぜひ試してみてください。

2. 新規平面を作ろう

After Effectsを開いたら、まずは新規コンポジションを作ります(フルHD・30fps・5秒くらいでOK)。

次に、新規平面レイヤーを追加しましょう。

ショートカットは Ctrl+Y(Macなら Command+Y)。色はなんでも大丈夫ですが、分かりやすいように黒にしておきます。

3. 円のマスクを作成

ここから円を作っていきます。

  1. 平面レイヤーを選択した状態で 楕円形ツールをダブルクリック。 → 画面いっぱいに円のマスクが作られます。
  2. もう一度楕円形ツールをダブルクリック。 → 2つ目の円マスクが作成されます。

この2つの円を組み合わせて「内側が抜けたドーナツ状の円」にするんです。

次に、2つ目の円マスクを選んでCtrl+Shift(Macは Command+Shift)を押しながら縮小

すると、1つ目より少し小さい円になります。

最後に、マスクのモードを「減算」にすると、真ん中がくり抜かれてドーナツ状の「輪っか」になりました!

4. 内側の淵をぼかす

次は、内側の境界をぼかします。

  • 2つ目のマスクの「マスクの境界のぼかし」を上げてみましょう。 → 円の内側の淵がふわっと柔らかくなります。

ここを強めにすると光っぽい感じになり、弱めだと落ち着いた雰囲気になります。

この段階で「あ、もうそれっぽい!」って思えるはず。私は初めてやったとき、これだけで「なんかCMっぽい!」って1人でニヤニヤしてました(笑)。

5. アニメーションをつける

ここからが本番です。スケール をアニメーションさせましょう。

スケールで広がりを作る

  1. タイムラインで平面レイヤーを選び、Sキーを押してスケールを表示。
  2. 0秒地点 → スケールを0%にしてキーフレーム。
  3. 1秒地点 → スケールを100%に設定。

これで、円が小さいところから広がる動きができました。

マスクパスを動かす

さらに自然に見せるために、マスクそのものも広げていきます。

  1. マスク2を開いて「マスクパス」にキーフレームを打つ。
  2. 0秒地点 → 小さめの円。
  3. 1秒地点 → 画面の端まで広がる円。

これで「マスクそのものが広がり、スケールと連動してドーンと膨らむ」動きになります。

6. フェードアウトをつける

円が広がったままだと映像が終わらないので、最後に自然に消える動きを加えます。

  • マスクの「不透明度」にキーフレームを打ち、1秒地点で0%に。
  • これで円が広がりきった瞬間に、ふわっと消えていきます。

最後に、不透明度を徐々に下げて消えるようにすると自然です。T を押して 0秒では100%、1秒で0% に。

7. イージーイーズで動きを自然に

ここで仕上げ。

全部のキーフレームを選択して F9 を押すと イージーイーズ がかかります。さらに グラフエディター で「冒頭を速く → 後半をゆっくり」にすると、自然で気持ちいい動きになります。

これはめちゃくちゃ大事なポイントです。直線的に広がると機械的に見えちゃうので、曲線的に動かすと一気に「映像っぽさ」が出るんです。

8. 実写映像に重ねてみる

試しに実写映像に重ねてみましょう。

カフェのシーンから街並みに切り替えるときに、この円が広がりながら画面を覆って、次の映像に切り替わる。

「ただフェードするだけ」と比べると、全然印象が違います。

視聴者も「お、なんか凝ってるな」って思ってくれる。

🎁 おまけコーナー:実写映像に自然に溶け込ませるコツ

さて、このままでもかっこいいんですが…実写映像に乗せると「なんか浮いてるな?」って感じになることがあります。僕も最初そうでした。白い円がドンと乗ってるだけで、ゲームっぽくて「映画っぽさゼロやん!」と(笑)。

そんなときに効くのが、合成モード透明度の調整 です。

① 合成モードを変える

  • デフォルトは「通常」ですが、それだと浮きます。
  • 「スクリーン」「加算」 に変えると、光が透けて馴染む。
  • 夜の街なら「加算」、昼の明るいシーンなら「スクリーン」。

僕がよくやるのは「加算 + 不透明度80%」です。これだけでシーンにピタッとハマります。

② 不透明度を薄めに

  • T を押して不透明度を開き、80〜90% に。
  • 「ちょっと物足りない?」くらいが逆に自然。

③ 色を背景に寄せる

  • 背景が夕焼けならオレンジ寄り。
  • 夜なら青やシアン寄り。
  • これだけで「後から足した感」が消えるんです。僕も最初真っ白で浮いて失敗しましたが、色を寄せたら一気に馴染みました。

④ ブラーで柔らかく

  • 「ブラー(ガウス)」をほんの少し足すと、被写界深度っぽくなって自然。
  • レンズで撮った光みたいに見えて、「あ、ちゃんとそこにある」感が出ます。

9. 応用アイデア

  • 色を変える → 白ではなく青や赤にすると、サイバーっぽさや情熱的な印象に。
  • グローを加える → 光の輪が広がるように見える。
  • 複数重ねる → 少しタイミングをずらして2つの円を広げると、波紋みたいになる。
  • 音と合わせる → 「ドーン」という効果音に合わせて広がるとめっちゃカッコいい。

まとめ

  • After Effectsのマスクを組み合わせることで「輪っかの形」を作れる
  • 内側の淵をぼかすと柔らかくて光っぽい表現になる
  • スケール+マスクパスのアニメーションで「ふわっと広がる円」が完成
  • イージーイーズをかけて自然な動きに仕上げるのがポイント

初心者でも数分で作れるけど、使いどころによっては映像のクオリティが一気に上がるテクニックです。ぜひ試してみてください。