
After Effectsについて質問です。
星座のようなポリゴン(?)の作り方が分かりません。何かプラグインが必要なのでしょうか?

今日はね上記の質問にお答えして、ちょっとロマンチックな映像を作ってみようと思います。テーマは「星座」。
ただの星空じゃなくて、星と星が線で結ばれて、夜空に浮かび上がる──そんな星座っぽい背景素材を Trapcode Mir 3 を使って作っていきます。
「え、Trapcode Mirってあの“クシャクシャの布みたいなやつ”じゃないの?」って思ったあなた。そうなんです。もともとMirは立体的なサーフェイスを作るプラグインなんですが、これを工夫すると、点と線でつながる星座風の背景が作れるんです。
例えばこんなシーン、想像してみてください。
- YouTubeのオープニングで、真っ暗な背景に小さな点がきらきら。
- その点同士が「ピッ、ピッ」とつながって線が現れる。
- やがて星座の形が完成し、その中心からタイトル文字が光とともに登場する。
──ほら、映像の始まりとして、めちゃくちゃカッコよくないですか?
しかもMirを使えば、意外と手軽に作れるんです。では、一緒にやってみましょう。
After Effects × Trapcode Mirで作る星座風背景|初心者向け完全ガイド
ステップ1:新規コンポジションとMirの準備
まずはAfter Effectsで新規コンポジションを作成します。
フルHD(1920×1080)、フレームレートは30fps、長さは10秒くらいでOKです。
- 新規平面レイヤーを作成
- 「Trapcode Mir」を適用

すると、画面いっぱいに“グリッドっぽい立体面”が出てくるはずです。最初は「布のシワ」みたいで全然星空感ないですが、ここから変えていきます。
ステップ2:Geometryでベースを整える
MirのGeometryパネルで、面の設定をします。
- Size(サイズ):画面いっぱいに広げる(X: 1920、Y: 1080くらい)
- Vertices(頂点数):X:30、Y:30くらい(細かすぎず、星の点になる程度)
この時点で、平面上に小さな頂点が配置されている状態になります。
ステップ3:星っぽい点を作る
星に見せるには、Shaderの設定を変えます。
- Mirパネルの Shader → Draw を「Points」に変更
- Point Size(ポイントサイズ):3〜5くらい(大きめの星)
- Density(密度効果):下げると点が強調されて見えます
これで「点々=星」っぽくなります。
さらに、Glowエフェクトを追加すると星が輝いて見え、雰囲気アップ。
実際の夜空の星も大小が混じっているので、レイヤーを複製してサイズを変えるとリアルさが出ます。
ステップ4:星座の線を引く
次に、星座の“線”をつなぎましょう。
- Mirレイヤーを複製
- Shader → Draw を「Wireframe」に変更
- Line Width(線の太さ)を調整(1〜2くらいでOK)
すると、頂点同士が線で結ばれたワイヤーフレーム状になります。
ここでDensityを調整すると、星と星を結ぶ“星座っぽいネットワーク”ができるわけです。
「いや、これプレクサスじゃん!」って思う人もいるかもですが、そう、実はMirでも似たようなことができるんです。
ステップ5:星座を動かす
ただ点と線があるだけだと退屈です。ここでMirの真骨頂、“動き”を入れます。
- Fractal パネルで Amplitude(振幅)を100〜300くらいに上げる
- Frequency(周波数)や Octave Scale を調整して「星がゆらゆら漂う」ようにする
- Scroll Y にエクスプレッション time*20 を入れて、星がゆっくり上方向に流れるようにする
これだけで、「動いている宇宙背景」っぽさが出てきます。
さらに星のEvolution(展開)にも time*3 と入力すれば、星の位置が少しずつ変化して“瞬き”のような効果になります。
ステップ6:カメラで奥行きをプラス
ここからが映像っぽさの本領発揮。
- Mirレイヤーを3D化
- 新規カメラを追加
- 軌道カメラツールでゆっくり回り込むような動きをつける
すると、ただの点と線だった背景が、一気に“広大な宇宙空間”に見えてきます。
実際、僕が最初に試したときは「おお〜、宇宙船のオープニングっぽい!」と一人でテンション上がっちゃいました(笑)。
ステップ7:タイトルやロゴと組み合わせる
仕上げとして、星座の中央にタイトルを置いてみましょう。
- テキストレイヤーを追加して、星座の線が完成したタイミングでフェードイン
- 「Glow」や「シャイン(Shine)」エフェクトで光を強調
- 星座の線と一緒にロゴが浮かび上がるようにすると最高にカッコいい
これだけで、あなたの動画オープニングが一気にプロっぽく見えます。
Trapcode Mirを使うメリット
- 標準エフェクトより 軽い&安定
- フラクタルやジオメトリ調整で 動きが自然
- 複製やShader切り替えだけで「星」「線」「面」が作れる
もしParticularやPlexusを持っているならそちらでもっとリッチにできますが、Mirはシンプルさと軽快さが魅力なんです。
実際に使えるシーン例
- YouTubeのオープニング:名前やロゴが出る直前に流すと「お、始まるぞ」感が増す
- 企業VPの背景:無機質なテキストでも高級感アップ
- MVやライブ映像:リズムに合わせて背景が流れるだけでプロっぽさが出る
特に「音楽に合わせて動くMir背景」は鉄板です。EDM系の映像ならほぼ100%ハマります。
まとめ
Trapcode Mir 3を使えば…
- Geometryでベースを作り
- Fractalでウネウネ感を出し
- ScrollとEvolutionで動かし
- Shaderで星空やワイヤーフレームに変身させ
- Materialで色を決める
たったこれだけで、「ただの平面」から「映像を支える動く背景素材」が作れてしまいます。
僕も最初は「難しそう」と敬遠してましたが、実際やってみると「うわ、これハマる…」ってなりました。初心者でも十分扱えるので、ぜひ触ってみてください。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects とTrapcode Mir 3を書きます。