Affinity Photoでモザイクを複数箇所にかける方法|ライブフィルター+マスクが鉄板回答

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Affinity Photoでモザイクを複数箇所にかける方法を書きます。

今日は「Affinityで複数の場所にモザイクをかける方法」を、初心者でも“迷子にならない”ように、がっつり丁寧に解説していきます。

モザイクの掛け方がわかっても、1枚の画像の複数箇所に、非破壊(あとから直せる)でモザイクをかける方法に迷うことって初心者によくあるお悩みです。

サムネやブログ用の画像で顔や住所を一気に隠したいときに使える実践テクを解説します。

Affinity でモザイクを複数箇所にかける方法

Affinityには「フィルターを直接かける」やり方と、「ライブフィルターレイヤーとして置く」やり方があります。
初心者こそライブフィルター一択。後から強さも範囲も調整できるので事故りません。

結論:ベストは「ライブフィルター+マスク」方式

手順A:ライブフィルター1枚+マスクで“複数箇所”を塗る(王道・早い)

  1. 画像を開く
    まずは加工したい画像をAffinity Photoで開きます。
  2. ライブフィルターを追加
    レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > ピクセレート > モザイク を選択。
    すると「モザイク」の設定ウィンドウが出ます。
  3. タイルサイズ(モザイクの粗さ)を決める
    まずは大体 16〜32px くらいでOK(高解像度なら32〜64px)。
    ここは後から変えられるので気軽に。
  4. マスクを“隠す側”に切り替える
    ライブフィルターレイヤーには最初から白いマスクが付いています(=全体にモザイクが見えてる状態)。
    ここで マスクを選択 → Cmd/Ctrl + I で反転。
    真っ黒マスク=一旦モザイクは全消しになります。
  5. 必要なところだけ白ブラシで塗る
    キーボード B でブラシ。前景色を白にして、隠したい箇所(顔・住所・ナンバー)を塗ると、塗った部分だけモザイクが出現します。
    • ブラシサイズ:[] で即変更
    • 硬さ:20〜40% くらいが自然(フチが少しだけ柔らかい方がなじむ)
    • 失敗したら Xキー で黒に切替えて塗り戻し(モザイクが消える)
  6. 別の箇所もどんどん塗る
    1枚のライブフィルターでいくつでも塗れます。スピード重視ならこの方法が最強。
  7. 仕上げに強さを再調整
    レイヤーパネルでライブフィルターレイヤーを選択して、タイルサイズを微調整。
    文字や顔が判別できない “ギリギリ手前より少し強め” が安心。

これで完成!非破壊だから、いつでもやり直せます。

手順B:箇所ごとにライブフィルターを分ける(管理しやすい)

「顔は強め、住所は弱め」みたいに箇所ごとに強さを変えたい場合はこちら。

  1. 対象ごとに 新規ライブフィルター(モザイク) を追加
  2. それぞれのマスクを 黒反転(Cmd/Ctrl+I)
  3. 白ブラシでその対象だけ塗る
  4. 各ライブフィルターの タイルサイズ を独立調整

レイヤー名を「顔A_強め」「住所_弱め」みたいに付けると、後で見返したときの自分が助かります。未来の自分に優しく。

手順C:選択範囲からモザイク(正確に四角・丸で隠したい)

「領収書の金額だけ四角でピチッと隠す」系に便利。

  1. 長方形マーキー(M)や楕円形マーキーで範囲を作る
  2. その状態で レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > モザイク
  3. 自動でその選択範囲だけ表示されるマスクが作られます
  4. 追加の箇所は Shift を押しながら選択を増やして同じ要領で

ピクセル単位でキレイに隠せます。直線的で“仕事ができる感じ”の仕上がり。

さらに実践的なコツ(ここで差が出ます)

  • タイルサイズの目安
    • 顔や人物:24〜48px(4K画像なら64px以上)
    • 文字(名前/住所):12〜24px。小さい文字はぼかしよりモザイクが安全
  • 境界のにじみ対策
    マスクのブラシ硬さは20〜40%。硬すぎると切り抜き感、柔らかすぎると漏れがち。
  • 色付き背景の“違和感”対策
    モザイクの**不透明度を90〜95%**に落とすと、背景となじんで“貼った感”が消えます(状況次第)。
  • 見落とし防止
    一旦 タイルサイズを思い切り大きくしてから全体確認 → 最後に適正値に戻す。漏れに気づきやすい。
  • やっちゃいけないこと
    “弱すぎモザイク”。拡大されたら読めちゃうのはアウト。ブログとSNSは世界に公開されます。強めが正義
  • 書き出し前の最終チェック
    100%表示、150%表示、50%表示で三段階チェック。特にスマホ閲覧を想定して縮小表示も見るのがプロの習慣。

シーン別:モザイクが効果的な具体例

  1. Vlogの街歩きサムネ
    通行人の顔・店内の他人の顔をサクッと保護。顔は大きめタイルで確実に。
  2. 車載サムネ
    ナンバープレートは絶対隠す。プレート全体を四角選択→モザイク。反射部は余裕を持って広めに。
  3. 作業デスク紹介のブログ
    モニターのメールや住所、Zoom名など思わぬ個人情報が映りがち。文字は小さめタイル+少し強め
  4. ガジェットの箱・返品伝票
    バーコード、伝票番号は完全に隠す。角丸長方形で選択→モザイクで清潔な見た目に。
  5. 子どもの作品紹介
    名前札や校章などは公開範囲に注意。白ブラシでサッと塗っておくと安心。

よくあるつまずきと解決法

  • 「塗ってもモザイクが出ない!」
    → 塗っているのがマスクになっているか確認。ライブフィルター本体じゃなくマスクサムネイルをクリックしてから塗る。
  • 「全体がモザイクになっちゃった!」
    → マスク反転(Cmd/Ctrl+I)を忘れてる。黒=隠す、白=見せるを思い出そう。
  • 「端っこだけ漏れてる」
    → 100%表示で白ブラシでなぞって追いモザイク。ブラシ硬さを上げすぎない。
  • 「仕上がりがガタガタ」
    タイルサイズを一段階上げるか、対象の境界を少しオーバー気味に塗る。潔さがキレイに見せます。

応用:ベクターシェイプで“きっちり”管理

幾何学的に隠したいときは、長方形ツールで白塗りのシェイプをつくり、
そのシェイプにライブフィルター(モザイク)をクリップ。位置移動やサイズ変更が超ラクになります。
※対象が増えたらシェイプを複製(Cmd/Ctrl+J)して再配置。整理整頓マンにおすすめ。

余談(でも大事):動画ならトラッキング付きが楽

この記事は静止画(サムネ・ブログ画像)向け。
もし動画
で人物やナンバーを追いかけてモザイクしたいなら、トラッキング機能がある動画編集ソフト(例:DaVinci Resolveのモザイクトラッカーなど)が圧倒的に楽。
静止画はAffinity、動画は編集ソフト、と住み分けると作業がスムーズです。

最後に:プロのチェックリスト(保存版)

  • ☐ ライブフィルター方式で非破壊になってる?
  • タイルサイズは十分強い?(拡大して読めない?)
  • 見落としゼロ?(三段階表示で確認した?)
  • ☐ レイヤー名や構成は未来の自分が分かる?
  • 書き出し後の画像も一度だけ開いて最終確認した?

よし、これであなたの画像はちゃんと守られて、しかも見た目もスマート。安心して公開いきましょう。