今日はね、「Affinity Photoではじめての写真現像方法」を、まったくの初心者でも迷わないように、がっつり丁寧にやっていきます。
「RAW現像って聞いたことあるけど、正直よくわからない…」
「JPEGで撮ってるけど、RAWってそんなに違うの?」
――はい、そういう人こそ今日の記事がぴったりです。
難しいことは抜きで、“あ、こうやって自分の写真がよみがえるんだ”っていう実感を大事にしていきます。
Affinity Photoは、LightroomとかPhotoshopと比べても、一枚ずつじっくり仕上げる派に最高の現像ソフトなんです。
Affinity PhotoでRAW現像
🎞 RAW現像ってそもそも何?
まず、ここから整理しときましょう。
RAW現像っていうのは、カメラが撮った「生のデータ」をあとから料理する作業のこと。
JPEGは「カメラが自動で味付けした料理」。
RAWは「まだ味付けしてない素材」。
Affinity PhotoではこのRAWデータを「Develop Persona(現像モード)」で開いて、
露出・色・シャープ・ノイズなどを自分で調整できます。
🌅 Step 1:RAWファイルを開く
まずは素材を取り込みましょう。
- Affinity Photoを開く
- 「ファイル > 開く」からRAWファイル(.CR2, .NEF, .ARWなど)を選択
- 自動で「Develop Persona(現像モード)」に切り替わります
画面上部がオレンジっぽくなって、「Exposure」「White Balance」「Details」などのパネルが出てきたらOK。
これが、いわゆる“現像ルーム”。
例:旅行で撮った朝焼けの写真。空は綺麗なのに、全体が少し暗くて地面が黒つぶれしてる――この一枚を救っていきます。
☀️ Step 2:露出とコントラストを整える
まずは全体の明るさと立体感を作ります。
1. Exposure(露出)
写真全体の明るさです。
スライダーを少しずつ右に動かして、「被写体の顔がちゃんと見えるくらい」まで。
- +0.3〜+0.7EVくらいが自然
- 明るくしすぎると白飛びしやすい
2. Blacks / Shadows(黒・シャドウ)
暗い部分の調整。
シャドウを+20〜+40くらい持ち上げると、黒つぶれが柔らかくなります。
3. Highlights(ハイライト)
空が白く飛んでるときに下げます(−20〜−40くらい)。
→ 雲の模様やグラデーションが戻ってくる瞬間が気持ちいいんですよ。
4. Contrast(コントラスト)
最後に軽く+10〜+20ほどで立体感を出します。
🎨 Step 3:ホワイトバランス(色味)の調整
ここが写真の“空気感”を決める部分。
1. Temperature(色温度)
- 青っぽい→寒色系(朝・雪・海)
- 黄っぽい→暖色系(夕方・屋内)
旅行の夕方写真なら、+500〜+1000Kくらい上げると“あの時の空気”がよみがえります。
夜景なら、あえて少し青くしても幻想的。
2. Tint(色かぶり)
緑っぽい/ピンクっぽい色のバランス。
- ポートレートなら少しピンク寄り(+3〜+8)
- 自然風景ならゼロ付近でOK
コツ:ホワイトバランスは「正確さ」より「記憶の色」で決める。
写真はドキュメントじゃなく、ストーリーです。
🧩 Step 4:彩度と自然な発色を整える
1. Saturation(彩度)
全体の色の強さ。
+5〜+10で十分です。やりすぎると「インスタ加工っぽい」安っぽさに。
2. Vibrance(自然な彩度)
こっちは「地味な色だけ」強くしてくれる。
+10〜+25くらいでちょうどいい。
Vibranceで色を持ち上げて、Saturationでバランスを取ると自然。
🌳 Step 5:シャープとノイズ除去で仕上げる
Affinityの現像では「Details」タブが重要!
1. Detail Refinement(シャープ)
- Radius(半径):0.8〜1.2
- Amount(強さ):30〜70
→ 細部をシャキッと見せる。髪の毛や木の葉が締まります。
2. Noise Reduction(ノイズ除去)
- Luminance(輝度ノイズ):10〜30
- Color(色ノイズ):20〜40
夜景や暗所はノイズが出やすいので、まずノイズ→次にシャープが鉄則。
逆にやると“砂っぽく”なります。
☁️ Step 6:レンズ補正をかける
- 「Lens」タブで「Lens Profile」を確認
→ 自動でレンズ名が表示されてたらOK。 - 「Remove Chromatic Aberration(色収差を除去)」にチェック
→ 光のフチの紫や緑の線が消えます。
風景写真や夜景ではこれを忘れると“安っぽく”見えがちです。
💾 Step 7:「現像」ボタンでDevelop Personaを完了
画面上部の「Develop」をクリック!
これでRAW現像の設定が反映され、Photo Persona(編集モード)に切り替わります。
ここからはレタッチ(シミ消しや文字入れ)などができる状態。
でも今回は現像メインなので、もう少しで完成です。
✨ Step 8:最後の微調整(トーンカーブと露出レイヤー)
Photo Personaでは、現像後の仕上げがポイント。
1. トーンカーブ
レイヤー > 新規調整レイヤー > トーンカーブ
- S字カーブを軽く描く(中間を持ち上げ、下部を少し下げる)
→ コントラストが自然に強調されて、立体感アップ。
2. 露出レイヤーで微修正
レイヤー > 新規調整レイヤー > 露出
- ほんのり+0.2EVくらいで明るさを整える。
🌈 Step 9:書き出し(Export)
ファイル > 書き出し から、形式を選びます。
- JPEG:ブログ・SNS向け
- 品質90%、長辺2000px前後
- TIFF:印刷向け
- PNG:背景透過やWebデザイン用
コツ:ブログに載せるなら、明るめ+彩度少し控えめがちょうどいい。スマホ画面はコントラスト強めに出るので。
📸 実際のシーン例と設定サンプル
🏞 例1:夕方の海
- Exposure:+0.6
- Shadows:+30
- Highlights:−40
- Temperature:+700
- Vibrance:+20
→ 太陽が沈む瞬間の“黄金のグラデーション”がよみがえる。
🐶 例2:ペットのポートレート
- Exposure:+0.3
- Clarity(後処理で):+10
- Tint:+5(ほんのりピンク寄り)
- Vibrance:+15
→ ふわっとした毛の質感を生かして、優しい印象に。
🌃 例3:夜景
- Exposure:+0.2
- Noise Reduction:Luminance 25
- Sharpening:半径1.2 / 量60
- Temperature:−300(青寄り)
→ “冷たい光”を強調して、都会っぽい空気感に。
💡 よくある失敗と対処法
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 写真が白っぽくなる | 露出上げすぎ | ハイライトを−30くらい下げる |
| 色が濃すぎて派手 | 彩度上げすぎ | Vibrance中心に調整 |
| シャープすぎて不自然 | Amount過多 | 50以下にして確認 |
| ノイズだらけ | ISO高+シャープ先行 | ノイズ除去を先にかける |
🎬 現像は“記憶を再現する作業”
RAW現像って、難しく考えると終わりがないけど、
本質は「自分の記憶を写真に戻してあげること」なんです。
あのとき感じた光、空気、温度。
Affinity Photoはその“記憶の色”を調整するためのツール。
撮ったままの写真を「いい写真」に変えるんじゃなくて、
「思い出したい写真」に整えてあげる――そんな気持ちでやると、自然と手が止まります。
✅ 最後のチェックリスト
- ☐ 明るさは自然?
- ☐ 白飛び・黒つぶれなし?
- ☐ 肌の色が変じゃない?
- ☐ 彩度上げすぎてない?
- ☐ 出力サイズ合ってる?
これ全部YESなら、堂々と「公開」してOKです。
🏁 まとめ
Affinity PhotoのRAW現像は、
「調整レイヤーとライブフィルターを活かした“非破壊作業”」が強み。
一枚一枚を“じっくり見せるブログ用写真”にしたいなら、
Lightroomよりも思考の整理がしやすく、直感的に触れるのが魅力。
現像は感覚の世界。
スライダーを動かしながら「この瞬間が一番気持ちいい!」と思ったところが、あなたの正解です。












こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Affinity PhotoでRAW現像を書きます。