ElevenLabs 日本語音声を自然にする三つの方法【2025年最新版】

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 ElevenLabs 日本語音声を自然にする三つの方法を書きます。

最近、AIナレーションを使ったYouTube動画が本当に増えましたよね。
ニュース解説、Vlog、朗読、商品紹介、どれを見てもElevenLabsの声が大活躍しています。

でも、こんな経験ありませんか?

「なんか棒読みっぽい…」
「かぎかっこを“かぎかっこ”って読んじゃった!」
「声の雰囲気は良いのに、話し方が人間っぽくない…」

そんな時に使いたいのが、AI音声読み上げツール「ElevenLabs」です。しかも最近のアップデートで、なんと感情表現まで可能に!

ElevenLabsの日本語音声は「声質はすごいけど、イントネーションが惜しい」ところがあります。

特に、テキストをそのままコピペして読ませると、まるでニュース原稿の読み上げみたいに「抑揚のない機械音」になってしまう。

そこで、今回はElevenLabs日本語音声を“人間らしく”変える三つのコツを解説します。

ElevenLabs 日本語音声を自然にする三つの方法

無料テキスト読み上げ&AIボイスジェネレーター | ElevenLabs

🎙 ElevenLabsとは?テキストが“話し始める”AI音声ツール

「ElevenLabs」は、テキストを自然な音声に変換してくれるAI技術を使った音声合成サービスです。機械的な読み上げではなく、人間が話しているような自然な抑揚や感情表現ができる点が大きな反響を呼んでいます。

できることは大きく分けて以下の通り:

  • テキスト読み上げ(Text to Speech)
  • 自分の声をコピーしてAI化(Voice Cloning)
  • 他言語への自動吹き替え(Dubbing Studio)
  • 効果音をテキストから生成(Sound Effects)
  • 長文コンテンツ管理(Studio)

これだけでナレーション制作・吹き替え・音作り・台本読み上げすべてが完結できます。

🔰 ElevenLabsの始め方(登録〜基本操作)

公式サイト(https://www.elevenlabs.io)にアクセスし、アカウント登録すればで無料で使えます。

1. ログインするとダッシュボードが開きます。

2. 「Text to Speech」タブを選びます。

3. 大きなテキストボックスに、喋らせたい文章を入力(日本語対応)。

4. 右側の「Voice」で声を選びます。

• 「Japanese」などで検索すると日本語対応の声が表示されます。

5. 下部の「Generate」をクリック。

6. 数秒で音声が生成され、気に入ったものをダウンロードできます。

🎭 感情を操る「オーディオタグ」でナレーションが劇的に変わる!

ElevenLabsの真骨頂は、感情まで演出できるオーディオタグです。

例えば以下のように入力するだけ:

[sighs] でも、やるしかないか。[laughs]

このように、AIがため息をついたり笑ったりする音声を生成してくれます。

使えるタグの一例:

• [sighs] ため息

• [laughs] 笑い声

• [whispers] ささやき

• [shouts] 叫び声

まるで声優が演じているような仕上がりになるので、ナレーションだけでなくAIドラマやYouTubeのキャラ演出にも最適!

ElevenLabsの日本語音声は「声質はすごいけど、イントネーションが惜しい」

  • 年齢、性別、アクセントごとに豊富な声の種類
  • 70言語以上対応の言語数
  • 感情表現の豊かさが段違い
  • 多言語対応の質の高さ
  • 実在する人の声を学習させて、その人の声で音声を生成するVoice Cloning機能

など、評価ポイントは限りありません。

反対にできないこと、苦手なことも存在します。

  • 感情表現には限界がある – 人間のような複雑な感情表現までは完全に再現できません
  • 専門用語や人名の発音が不正確なことも – 特に日本語の固有名詞は読み方が難しい場合があります
  • 処理に時間がかかる – 長い文章の場合、音声生成に数十秒〜数分かかることがあります
  • 声のコピーは完璧ではない – 自分の声を元に作成しても、微妙な違いは残ります
  • 無料プランでは使用量に制限がある – 本格的に使うなら有料プランの検討が必要です

中でも多く聞かれるのがElevenLabsの日本語音声は「声質はすごいけど、イントネーションが惜しい」という点です。

不自然な日本語音声を改善する方法

方法①:「かぎかっこ」を消す──AIは真面目すぎる

まず最初の落とし穴。それが**「かぎかっこ問題」**です。

「AIナレーターさん、まじめすぎ問題」です。

たとえば、こんな原稿を読ませたとします。

「今日は天気がいいですね」と彼女は笑った。

ElevenLabsにそのまま入れると──

「かぎかっこ、今日は天気がいいですね、かぎかっこと、彼女は笑った。」

……って読むことがあります(笑)。
めっちゃ律儀!でも動画では違和感バリバリ。

✅対処法

→ 「かぎかっこ」を削除して、自然な文として読ませる。

今日は天気がいいですね、と彼女は笑った。

これだけで、イントネーションが格段に自然になります。

💡ポイント

ElevenLabsは「文章を文字どおり解釈する」傾向があるので、
人間なら無視して読み流す部分も真面目に発音してしまうんです。
だからこそ、“AIにとっての読みやすい台本”を作ることが第一歩です。

方法②:「読点」と「句点」で“間”をデザインする

次に意識したいのが「間(ま)」です。

ElevenLabsの声って、文のリズムが均等すぎて単調になりがち。
でも実際のナレーターは、「、」や「。」でリズムを作っています。

人間の話し方=音の強弱 × 間の取り方。

だから、「読点」と「句点」を意識的に使うと、驚くほど自然になります。

🧩実例:「間」の三段階構成

記号間の長さ意味
短い間息継ぎ・つなぎ
中くらいの間一文の終わり・落ち着き
改行長い間シーン転換・心情の変化

たとえば、こんな原稿があるとします。

今日は天気がいいですね。でも、少し風が冷たいです。秋が近づいてきました。

これをAIが読むと、こんな感じでサラッと流れてしまう。

きょうはてんきがいいですねでもすこしかぜがつめたいですあきがちかづいてきました。

ところが、「間」をデザインして改行を加えると──

今日は、天気がいいですね。

でも、少し風が冷たいです。

……秋が、近づいてきました。

これをElevenLabsで読ませると、声に“呼吸”が生まれる。
一気に“人が話している感”が出てきます。

方法③:改行を“感情のスイッチ”に使う

最後のポイントは「改行」です。
多くの人が見落としがちですが、これが一番効きます。

ElevenLabsは、改行を「しっかりしたポーズ(間)」として認識します。
つまり、感情の切り替えポイントとして機能するんです。

🎬シーン例

たとえば、ナレーションでこんな構成にしたいとき:

人生には、いろんな道がある。

まっすぐな道もあれば、
曲がりくねった道もある。

でも、どんな道でも──
歩いてきた分だけ、
ちゃんと景色は見えてくる。

この「間」のリズム、どうですか?
まるで人間が“語りかけるように”聞こえますよね。

改行を感情のスイッチとして置くことで、
AIが自然に「落ち着く→間をとる→次へ進む」というリズムを学習的に再現してくれるんです。

🎧 実際にやってみた比較

僕が実際にやった比較テストです。

  • Aパターン:原稿そのまま なんか棒読みっぽい。間が詰まりすぎて息苦しい。
  • Bパターン:かぎかっこ削除+読点調整 声が滑らかになったけど、まだテンポが均一。
  • Cパターン:改行を加えた版 驚くほど自然。ラジオナレーターのような抑揚に。

ElevenLabsの「間」認識は2025年現在も進化中ですが、
ユーザーが意図的に“脚本として設計する”ことで、ほぼ人間レベルの自然さを出せるようになりました。

日本語モデルの進化と現状(2025年10月現在)

2025年10月時点で、ElevenLabsは日本語の発音精度・イントネーションを大幅に改善しています。
特に「プロ声優スタイル(Professional Voice)」「Cloning Voice 2.0」では、
感情のこもった読み方や音の抑揚を自動で検出できるようになっています。

ただし、まだ「助詞のイントネーション」や「敬語の自然さ」は改善途上。
なので、原稿で調整してAIに“正しいヒント”を与えるのが、現状の最適解なんです。

🔧メリットとデメリットまとめ

◎メリット

  • 誰でもすぐに改善できる(特別な機材不要)
  • ナレーションが“人間っぽく”なる
  • 編集後のBGMとの馴染みが良くなる
  • 聞き疲れしない音声が作れる
  • YouTube自動化動画・朗読系にも応用可能

✕デメリット

  • テキスト整形に少し時間がかかる
  • 原稿のバリエーションごとに調整が必要
  • 長文のスクリプトでは、改行位置の試行錯誤が発生

まとめ:「AIに“脚本”を渡そう」

ElevenLabsで自然な日本語音声を作るコツは、
AIに「原稿」ではなく「脚本」を渡す意識です。

「どこで息を吸うのか」
「どこで感情を込めるのか」
それを“改行”や“句読点”で演出してあげるだけで、
AIはあなたの意図を驚くほど正確に再現してくれます。

ナレーションの世界では、
“声”よりも“間”が大事。

ElevenLabsも、まったく同じです。
少しの工夫で、AIの声が“心のこもった声”に変わります。

💰ちなみに料金ですけれども…

ElevenLabs、無料で使えるプランもありますが──

商用利用を考えているなら、有料プランへの加入が必須です。

ここで各プランの価格をざっとご紹介します:

プラン名月額料金(USD)商用利用特徴
Free(無料)$0❌できない月に10,000文字まで読み上げ可能。あくまで試用。
Starter(スターター)$5 → $1(現在割引中)✅可能月に最大30,000文字まで。商用OK。個人用途に最適。
Creator(ブロ版)$22〜$99✅可能プロジェクトが多い方向け。複数ボイス、音声クローンなど対応。
Business$330〜$1,320/月✅可能法人・制作会社向け。APIや吹き替え機能もフル活用可能。

⚠️ 注意点

無料プランでは、商用利用が認められていません。

YouTube動画のナレーション(収益化あり)、「動画のナレーションに使いたい」「広告に使いたい」「商品紹介に使いたい」など、営利目的、商用目的で使う場合は無料プランではなく有料プランを選びましょう

ElevenLabsは、ただの読み上げツールではありません。

「人のように話し、笑い、ささやく」ことで、表現の幅を無限に広げる武器になります。

動画・音声コンテンツの質をグッと引き上げたい方は、ぜひ試してみてください。

チュートリアル動画