このブログを書き始めて今年で8年。
気づけば記事数は1200本、月間PVは6万。
「おぉ、自分けっこう頑張ってるじゃん」と思いたいところなんですが——
ブログ収益はというと、GooGleさんから振り込まれる金額は月1万円前後です。

安っっすう!!(机バァーン!!)
……でもね、SNSを開くと、まるで別世界が広がっているわけですよ。
「未経験でも動画副業で月10万円!」
「AIで量産して放置で稼げます!」
「知識ゼロでも今すぐスタート!」
いやいやいや、ほんとかよ……。
8年やってきた身としては、もう頭の中でツッコミが渋滞してるわけです。
「そんなに儲かるなら、オレとっくにやってるわ!!!」って。
でも、焦る必要はありません。
まずは、はい、いったん深呼吸しましょう。
これからお話しするのは、
キラキラ副業の“裏側”と“現実”、
そして「じゃあ実際どうすればいいの?」という ちゃんと地に足のついた道しるべ です。
肩の力を抜いて、一緒に見ていきましょう。
この記事で話すこと
- 「初心者でも動画副業で高収入」のよくある罠
- 2025年の YouTube収益化の現実(最新ルール込み)
- AI動画副業、AI音楽副業の危険ポイント
- じゃあ、どうやって始めれば現実的なのか をステップで解説
私がブログ副業で1200投稿・月6万PVを達成して月1万円前後という“現実”を知ったように、
動画副業も同じか、それ以上にシビアです。
まず結論:「初心者が動画副業で高収入」は、ほぼ幻想です
よくあるコピー:
- 「未経験OK!編集だけで月50万!」
- 「AI動画を量産してYouTubeで自動収入」
- 「顔出しなし・撮影なし・スマホだけで月30万!」
…こういうの、だいたい 条件とリスクを隠してます。
もし本当に
「未経験で・片手間で・自動で」
月10万〜30万取れるなら、
10年以上YouTubeやってる人たちは全員大金持ちになってます。
でも現実は、
登録1万超えてても「コンビニバイトの方が安定するな…」って人、
ゴロゴロいます。
罠①「編集だけで月50万」クラウドソーシング地獄
よくある流れ
- 高額な“動画編集スクール”やnoteを売る人が
「このやり方で、クラウドワークスで月50万!」と実績を見せる - 受講すると教わるのは
- カット・テロップ・BGMの基本
- Premiere ProやCapCutの最低限の使い方
- いざクラウドソーシングを見ると…
- 1本3,000〜5,000円の案件に応募100人
- サムネ付きで1本2,000円とかザラ
- 納期タイト、修正地獄、単価は上がらない
結局、
「スクール運営者だけが安定して儲かる構造」
になっていることが多いです。
なぜ初心者が勝てないか
- 「安くてもいいから、とにかく経験ある人に頼みたい」クライアントが圧倒的
- その人たちも競争してるので、単価が全体的に下がる
- 「未経験歓迎」と書いてある案件ほど、雑に扱われがち
だから、
「編集だけで月50万」は、
実績×人脈×営業力のある人の話であって、
初心者が半年そこらで到達できる世界ではないです。
疑問を感じた人は誰から仕事がもらえるのか確認してみてください。
つまり「営業」です。
道具の使い方は教えてくれても肝心な稼ぎ方や
受注先まで面倒見てくれるわけではありません。
罠②「AI動画量産で不労所得」系の甘いささやき
最近多いのがこれ。
- 「AI音声+フリー素材で解説動画を量産」
- 「AIでリール動画を自動生成してショートでバズらせる」
- 「ChatGPTで台本 → AIでナレーション → 画像はフリー素材 → 量産して放置」
一見、「あ、これなら自分にもできそう」と思うんですが、
2025年のYouTubeのルールと環境を踏まえると、かなり厳しいです。
① そもそも収益化ラインが遠い
YouTubeパートナープログラム(YPP)は今こうなってます:(YouTube)
- “フル”広告収益を得る条件
- チャンネル登録者数:1,000人以上
- 過去12か月の総再生時間:4,000時間以上
または - 直近90日で有効なShorts再生回数:1,000万回以上
- 早期参加枠(ファンファンディング等が使える)
- 登録者 500人以上
- 直近90日で公開動画3本以上
- 過去12か月3,000時間 or 直近90日3,000,000 Shorts再生
私も実際にYouTubeチャンネルを育てています。
登録者はなんとか増やすことができましたが、
総再生時間のハードルを越えるのに難儀しています。
なので「AI動画を量産したら、あとは自動でチャリン♪」
みたいな話を聞くと、
今すぐ高収入という文言は 現実感ゼロ を感じます。
② 2025年の“AI量産動画”は厳しく監視される
2025年7月15日から、YouTubeは
「大量生産・使い回し・AI丸投げっぽい動画」の収益化をさらに絞る 方針を出しています。(Simplified)
ポイントはここ:
- AIだからダメ、ではなく
「オリジナリティのない大量生産コンテンツ」がNG - 他人の動画素材を寄せ集めてAIボイスを乗せただけ
→ 再利用コンテンツ扱いでアウト - 同じフォーマットをテンプレのまま量産
→ 「スパム的コンテンツ」として収益停止のリスク
つまり、
「AIに全部やらせて放置で月10万」みたいなモデルは ルール上、長期的に成立しにくい方向に進んでいる ということです。
罠③ 新ジャンル「AI音楽副業」の厳しい現実
ここ最近、まるで新たなゴールドラッシュのように
「AI音楽で副業!」「Sunoで量産して月10万円!」
なんて言葉がSNSを飛び交っていますが……現実はかなりハードです。
まず、Spotifyは2024年から1,000再生未満はロイヤリティ0円。
つまり、AIでどれだけ“それっぽい曲”を量産しても、
100回も聴かれなければ 収益ゼロ。
そして未経験者が100回聴かれる曲を出すのは想像以上に難しい。
実際、多くの無名アーティストの新曲は 再生数1桁〜数十で止まります。
さらに厄介なのが、不正再生扱い。
安易に「再生保証します!」系のプレイリスト業者に手を出すと、
Spotify側がボット再生と判断して 1曲あたり月€10(約1,500円) のペナルティ。
最悪、音源停止・アカウント停止のリスクもあります。
YouTubeも甘くありません。
AIで作ったLo-fiやBGMを量産しても、
再利用コンテンツ扱いで収益化不可になりやすく、
そもそもYouTubeパートナープログラムの条件(登録者500〜1,000人・再生時間3,000〜4,000時間)を超えるのが壁。
初心者がAIだけで突破するのは、ほぼ運。
そしてSunoやUdioも規約が複雑。
無料プランは商用NG、有料でも生成物の権利や類似性のチェックが必須で、
“作れば勝手に稼げる”なんて世界とは真逆です。
結局のところ、
AI音楽副業は「不労所得」じゃなくて、ただの“新しい努力の入口”。
量産より、SNSで聴かれる理由を作ることの方が何倍も重要。
甘い言葉に飛びつく前に、まずはこの現実を理解しておくべき新ジャンルなのです。
罠④「高額スクール&情報商材」チェックリスト
動画副業の世界にも、ブログと同じように
「稼ぎたい人の焦り」を利用するビジネスが山ほどあります。
こんな文言が並んでいたら要注意
- 「誰でも」「完全自動」「放置で◯万」
- 収益画面のスクショだけやたら見せてくる
- YPPの具体的条件(登録者数・再生時間など)を一切説明しない
- 「AIで量産」「顔出し不要」だけを強調
- 高額講座なのに
- 返金条件が曖昧
- 実績者の“継続期間”を書いていない(たまたま一発バズかも)
一番のポイントは、「冷静に数字で語っているかどうか」。
再生条件・収益構造・規約のリンクに一切触れないものは、
ほぼ「夢を売るコンテンツ」です。
それでも動画副業をやるなら:現実的なロードマップ
「夢を見せる話」じゃなくて、
「これならやってみてもいいかも」という、現実路線を出します。
ステップ1:AIに丸投げせず、まずは“1本ガチ制作”してみる
いきなり「量産」ではなく、
1本だけ、全力で作る。
例:はじめての“ゆる解説動画”の流れ
- テーマ決め(30分)
- 「ブログ1200記事書いてわかった“副業のリアル”」とか
- 自分の経験×誰かの悩みが重なるテーマを1つ
- 台本作り(1〜2時間)
- ChatGPTに「構成のたたき台」を作らせて
- それを自分の言葉に書き換える
→ AIは たたき台生成ツール として使う
- 撮影(30分〜1時間)
- 顔出ししたくなければ
- 机の手元だけ
- ホワイトボード
- 画面録画+声だけ
- とにかく「あなたが喋っている」要素をどこかに入れる
→ これが“オリジナル性”になる
- 編集(2〜4時間)
- カット・BGM・簡単なテロップだけでOK
- 最初はPremiereでもCapCutでもいいので
「自分で最後まで仕上げる」ことを目標に
- サムネ&タイトル(1時間)
- サムネ:
- 自分の表情+大きな文字1〜2ワード
- 例:「副業の現実」「1200記事の結論」など
- タイトル:
- 「【1200記事のリアル】ブログ副業10年やっても月1万円だった話」
- みたいに 数字+ギャップ を入れる
この1本を通して作るだけで、
「どこに時間とエネルギーがかかるのか」
が体感できます。
ここを飛ばして
「AIで量産」から入ると、
“しんどさ”を知らないまま、成果だけを追いかけて病む パターンが多いです。
ステップ2:身の回りの“リアル案件”を1つだけ取る
クラウドソーシングより
おすすめなのは 「身近な人の動画を1本作る」 ことです。
具体例
- 友人がやってるお店・サークル・教室の紹介動画
- すでにブログ読んでくれている読者さん向けに
- 「あなたのサービス紹介動画、1本だけ作ります」企画
- 自分のブログ記事を動画化して、
- 「こういう動画も作れますよ」という実例として見せる
これを
- 単価:5,000〜10,000円
- 納期:ゆとりを持って2〜3週間
くらいで “お試し価格”としてやってみる。
ここで意識したいのは、
- 「ちゃんとヒアリングする体験」
- 「相手の要望を反映して編集する体験」
- 「請求とお金の受け取りまでやってみる体験」
この3つ。
ここまで来てはじめて、
「動画副業ってこういうしんどさと、こういう楽しさなんだ」
という実感が持てます。
ステップ3:AIは“雑務を減らす道具”と割り切る
AIは魔法のATMではなく、時間圧縮マシンです。
効果的なAIの使い方
- 台本のたたき台生成
- 長時間の素材から
- 「ここだけ切り出すとショートになるよ」と候補を出してもらう
- タイトル案・サムネ文字案を10個くらい出してもらう
- YouTubeの説明文テンプレを作ってもらう
逆に、
全面的にAIに丸投げすると危険なのはここ:
- 他人の動画を勝手に要約してAI音声を乗せる
- ストック素材だけで、誰が作っても同じ動画になる
- 「1本の台本をテーマだけ変えて量産」みたいなスパム的運用
これは今後ますます、
「再利用コンテンツ」「スパムコンテンツ」とみなされて
収益化が止まるリスクが高くなります。(Google サポート)
ステップ4:稼ぎ方の順番を間違えない
多くの“罠コンテンツ”は、
「広告収益でドカンと稼ぐ」 をゴールに据えています。
でも現実的な順番は、だいたいこんな感じです:
- スキル習得フェーズ
- 自分のチャンネルで動画を10〜30本作る
- ブログ×動画で「この人はこういう話をする人」という軸を作る
- 小さな案件フェーズ
- 身近な人の動画を数本作る
- ブログに「制作実績」として載せる
- 単価5,000〜15,000円くらいで試す
- 単価アップ&ニッチ特化フェーズ
- 「ブログをやっている人向けの解説動画制作」
- 「先生業・講師向けの講座動画編集」
など、ブログ経験を活かせるニッチに寄せていく
- 広告収益は“オマケ”として育つ
広告はあくまで
「あなたのコンテンツが多くの人に届いた結果として、じわじわ増えてくるもの」
くらいの認識の方がメンタルが安定します。
まとめ:甘い言葉より“地味な1本”
- 「未経験で動画副業月10万」は、
ルール・競争・単価を無視したキャッチコピー - 2025年のYouTubeは
- 収益化ラインは高いまま
- AI丸投げ&大量使い回しは、むしろ厳しくなっている
- 本当にやるべきことは
- まず自分の言葉で“1本ガチ制作”
- 身近な誰かの動画を1本作る
- AIは“雑務削減”だけに使う
- 案件収入 → 広告収入の順で考えること
ブログも動画も、
「積み上げた時間と試行錯誤」がそのまま画面に出る世界です。
だからこそ、
派手なスクショや“月収◯◯万”の数字よりも、 自分の中にちゃんと残るスキルと経験を取りに行ったほうが、 長期的には絶対に得です。











こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 動画副業 の甘い罠と生き残る戦略を書きます。