よーし、今日は「Affinity で写真から人や不要なものを消す方法」——通称“バレ消し”の方法を紹介しますよ。
写真撮ったあとで、
「うわ、めちゃくちゃ良い表情なのに、後ろに知らないおじさんがドーン…」
とか、
「夕焼けキレイなのに、電線がビヨーンって横切ってるやん…」
…ってなること、ありません?
今日はそんな “バレ消し”問題 を、Affinity Photo でどうやって解決していくか、
初心者でもゆっくりついてこられるように、6ステップでがっつり解説します。
Affinity で“バレ消し”完全ガイド
Affinity Photo でのバレ消しは、ざっくりこの順番でやると失敗しづらいです。
- そもそもフレームから追い出せるなら「切り抜き」でカット
- RAW なら、現像スタジオで「傷除去ツール」で細かいゴミを消すAffinity | Forum+1
- Photo ペルソナでブラシ系ツール(インペインティングなど)で本気のバレ消しnikongear.net+1
- 「メッシュワープ」で歪みや違和感をなじませるCanva+1
- HDRなら「自動ゴースト除去」で動く人を消すCanva+1
- 最後に「マスク」と「ノイズ/ダスト&スクラッチ」フィルターで仕上げaffinity.help+1
「全部一気に覚えろ!」じゃなくて、
“この写真はどこまでやる?”を選んでいく感じで読んでもらえればOKです。

重要なのでもう一度:非破壊=元画像は触らない。空のピクセルレイヤーに“修正結果だけ”描き込むのが肝!
1. まずは「切り抜き」でフレームから逃がせるかチェック
こういうときに有効
- 端っこにちょっとだけ写った通行人
- 画面の端にあるゴミ箱、変な看板
- 余計な床・天井が多くて、主役が小さい写真
手順
- Affinity Photo で写真を開く
- 左のツールパネルから 切り抜きツール(Crop Tool) を選択
- 写真の四隅に出るハンドルをドラッグして、
「残したいところ」だけのフレームに調整 - 画角を決めたら Enter で確定
このとき、構図も一緒に整えるのがポイントです。
- 通行人がギリギリ画面外に出るまでカット
- 主役(人物・料理・商品)を少し大きめに見せる
- 水平が傾いていたら、切り抜きツール内の「傾き補正」で水平線をドラッグして補正
効果的なシーン例
・旅行先の集合写真で、端っこに見知らぬカップルが写り込んでいる → ちょっとだけズーム&トリミング
・カフェ写真で、天井の無駄な空間や「EXIT」の看板が気になる → 上を大胆に切り落として“おしゃれ風”に
「切り抜きで消えるならラッキー」くらいの気持ちで、
まずは一番ラクな方法から試すのがおすすめです。
2. RAWなら現像スタジオの「傷除去ツール」で小さなゴミを消す
撮影が RAW なら、現像の段階で消せるものは先に消すと後が楽です。
こういうときに使う
- センサーのゴミでできた黒い点
- 壁や空にある、小さいシミ・点・ホコリ
- 肌の小さなニキビやホクロ(必要なら)
手順(現像スタジオ)
- RAW ファイルを開くと、自動で 現像スタジオ(Develop Persona) に入りますAffinity | Forum
- 右側のツールから 傷除去ツール(Blemish Removal Tool) を選ぶAffinity | Forum
- ブラシサイズを、消したいゴミよりひと回り大きく調整
- 消したい点を クリックして、ドラッグで“きれいな場所”へちょっとずらす
- 離すと、そのきれいな部分で上書きされます
- 気になるゴミをポチポチ消していく
- OK なら「現像(Develop)」ボタンを押して Photo ペルソナへ
ここではあくまで “細かい点”だけをサクッと消す のがコツ。
大きな人影や看板は、次のステップでじっくりやりましょう。
効果的なシーン例
・空の写真に、小さい黒い点がポツポツ → 傷除去で一網打尽
・商品写真の背景に、小さなホコリやシミ → 現像時に消しておくと後のレタッチが超ラク
3. Photo ペルソナで本命のバレ消し:ブラシ系ツールの使い分け
ここが バレ消しのメインステージ です。
Affinity Photo にはいくつか便利なブラシ系ツールがありますが、
代表的なのはこのあたりです。nikongear.net+1
- インペインティングブラシツール
→ 周囲の情報から自動で“それっぽく埋めてくれる”お助けツール - クローンブラシツール
→ 元となる場所(ソース)を Alt+クリックで指定して、そこをコピーして塗る - 修復ブラシツール
→ コピーしつつ、周りの明るさや色になじませてくれる
基本:インペインティングブラシで “一旦やってもらう”
- Photo ペルソナで、レイヤーを
Ctrl + Jで複製(絶対クセにして) - ツールバーから インペインティングブラシツール を選択
- ブラシサイズを「消したいもの」より少し大きいくらいにする
- 消したい人・看板・電線を、ちょっと余裕を持ってなぞる
- マウスを離すと、周りの情報から自動でいい感じに埋めてくれる
まずはこれで「どこまで消えるか?」を試すのがおすすめです。
AI にお任せして、足りないところだけ人力で直すイメージ。
細かいところはクローンブラシで修正
インペインティングだけだと、
「なんか背景がねじれてる」「模様が変になってる」ことがあります。
そんなときは:
- クローンブラシツール を選択
- Alt+クリックで、「コピー元」にしたいきれいな部分を指定
- 消したい跡の上を、サッサッと塗って自然になじませる
模様のある壁、床、タイル、芝生なんかはクローンブラシの出番多めです。
効果的なシーン例
・観光地で撮った写真の、後ろの見知らぬ観光客 → インペインティングでざっくり消し、足元や影をクローンで整える
・道路の標識や電柱 → インペインティングで柱を消し、空や建物のラインをクローンで描き足して補正
4. メッシュワープで「背景のゆがみ」をそれっぽく整える
大きなものを消したあと、
「一応消えたんだけど、背景のラインが微妙に曲がってて…なんか変」
ってなることあります。
そこで活躍するのが メッシュワープ(Mesh Warp)。
柔らかい網をグイッと曲げて、ピンポイントで歪みを直すことができます。Canva+1
手順(ライブフィルターで非破壊がおすすめ)
- Photo ペルソナで、バレ消し済みレイヤーを選択
- メニューから
レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > ゆがみ > メッシュワープを選択Canva+1 - 画像の上にメッシュ(格子)が出てくるので、
歪みが気になる周辺のポイントをドラッグして、
建物の線や地平線が自然に見えるように調整 - OK を押すと、レイヤーパネルに「メッシュワープ(ライブフィルター)」がぶら下がる
- 後からでもダブルクリックでやり直し可能(非破壊なので安心)Reddit
効果的なシーン例
・大きな看板を消したら、後ろの建物の壁が“ぐにゃっ”と歪んでしまった → 壁のラインだけメッシュワープでまっすぐに
・人物を消したあと、芝生の境界線が変になっている → その部分だけ少し引っ張ってなじませる
メッシュワープはちょっと“職人っぽい作業”ですが、
慣れてくると「消した跡が完全にバレない」レベルまで持っていけます。
5. HDR撮影なら「自動ゴースト除去」で動く人をまとめて消す
連写で露出違いを撮って HDR 合成するとき、
「露出はバッチリだけど、人が位置ズレしてゴーストっぽく出る」
っていう現象がありますよね。
Affinity Photo の HDR 合成には
「Automatically Remove Ghosts(ゴーストの自動除去)」 機能が入っています。Canva+1
手順(HDR合成時)
ファイル > 新規 HDR 合成(New HDR Merge)を選択- ブラケット撮影した複数枚の写真を読み込む
- ダイアログのオプションで
**「Automatically Remove Ghosts(ゴーストの自動除去)」**にチェック - 必要に応じて「トーンマップを適用」のチェックを外して、
合成直後の 32bit 画像からじっくり仕上げてもOK - 合成後、「ソースパネル」からどの画像をベースにするか確認しつつ、
クローンブラシで細かいゴーストを消すことも可能ですAffinity | Forum+1
効果的なシーン例
・噴水の前で HDR 撮ったら、通行人が半透明で何人もいる → 自動ゴースト除去 ON でかなり軽減
・夜景 + 車のライト軌跡 + 人通り → ゴースト除去で人だけ消して、光の筋だけ残す
自動ゴースト除去は完全無欠ではないので、
「できるところまで自動、残りは手作業」 のスタンスが現実的です。
6. マスク+フィルターで「消した跡」を最後までなじませる
バレ消しの最後の仕上げは、
“いかにも触りました感”をなくす作業 です。
ここで使うのが「マスク」と「フィルター」。
マスクで“ここだけ”補正する
- レタッチが終わったレイヤーを選択
レイヤー > マスクレイヤーを追加を選ぶ- マスクサムネイルをクリックして選択
- 黒色のブラシで「補正を効かせたくないところ」を塗る
- 白で塗ればまた復活する(黒=隠す/白=見せる)
これで、
「バレ消ししたところだけコントラストを少し下げる」
「消した跡だけぼかしをかける」
といった 局所的な調整 ができます。
ダスト&スクラッチ/ノイズ除去で質感を整える
- ダスト&スクラッチ(Dust & Scratches)フィルター
→ 小さなホコリやキズっぽいアーチファクトをなだらかに消せますaffinity.help+1 - ノイズ除去フィルター
→ 粗いザラザラを抑えて、なめらかに
使い方の一例:
- バレ消ししたレイヤーの上に、
レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > ダスト&スクラッチを追加 - Radius を少しずつ上げて、“やりすぎないギリギリ”を探す
- フィルターのマスクを使って、
「バレ消しした部分だけ」にぼかしを効かせる
効果的なシーン例
・電線を消した空の一部だけ、なんか塗った感じが残る → その部分にだけ軽くノイズ除去&ダスト&スクラッチでなじませる
・人物を消した芝生エリアが、他より“のっぺり”している → 逆に少しノイズを足して全体の質感を揃える、というテクニックもアリ
シーン別:どの方法を組み合わせる?
最後に、よくある「バレ消しシーン」を3パターンに分けてみます。
ケース1:観光地の記念写真に、後ろの人が大量に写り込み
- 切り抜きツールで、フレームから追い出せる人を削る
- 残った人をインペインティングブラシで消す
- 足元の影や石畳が変になった部分をクローンブラシで修正
- 違和感のある部分だけ、軽くダスト&スクラッチ+ノイズ除去
ケース2:夕焼け+電線問題
- できるだけ電線の少ない構図にトリミング
- 残った電線をインペインティングブラシでなぞる
- 雲の流れや空のグラデーションがおかしければ、
クローンブラシでなめらかにつなぐ - グラデーションが破綻していたら、マスク付きのぼかしフィルターで空だけなじませる
ケース3:商品写真の背景に、変なシミと電源コード
- RAW なら現像スタジオの傷除去ツールで小さなシミを先に消す
- Photo ペルソナで、コードをインペインティング+クローンで除去
- 背景のパースが歪んだらメッシュワープで四角形を整える
- 最後にノイズ除去で背景をツルッとさせて“スタジオ撮影風”に
まとめ:バレ消しは「全部一発」じゃなくて「分担作業」
- 端っこは 切り抜き
- 小さい点は 傷除去ツール
- 目立つ人・看板は インペインティング+クローン
- 歪みは メッシュワープ
- HDRの動く人は 自動ゴースト除去
- 仕上げは マスク+フィルター でなじませる
この“役割分担”さえ頭に入っていれば、
あとは 「この写真にはどこまでやるか?」 を毎回決めていくだけです。
まずは、一枚お気に入りの“惜しい写真”を持ってきて、
がっつり実験してみてください。
「え、ここまで消せるの?」ってなったとき、
編集が一気に楽しくなります。













こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Affinity で“バレ消し”完全ガイドを書きます。