Premiere Proでテキストをテロップにする時どのようなやり方をしていますか。
意外にもプロの職人の中には、レガシータイトルを使い続ける人がいます。
なぜなんでしょうか。
プロのテロップ職人が使う レガシータイトル その魅力とは
Premiere Proでは最近導入されたエッセンシャルグラフィックでテロップをつくる方法が一般的です。
ところがベテラン編集者の中には依然として昔の方法でテロップを作り続けている人が少なくありません。
なぜなら、編集が早くて、細工がしやすいからです。
レガシータイトルは編集画面から少し探いところにあるので気がつかない人も多いと思いますが仕事を効率化したい人にとっては試して損のないサービスです。
レガシータイトル
2017年Premiereの字幕仕様が変更され、新しく文字ツールでテキストを描き、エッセンシャルグラフィックで編集するという形になりました。
それまで使われていた字幕サービスはレガシータイトルとなって残されました。
民放バラエティ番組の編集者やYouTuber、編集代行を行う人たちの間ではレガシータイトルは以前根強い人気です。
その理由はグラフィック加工が便利なこと、テロップ入れが速いこと。商品説明やイメージを誇張するためにはなくてはならない存在です。
どこにあるかというと、[ファイル][新規][レガシータイトル]と進んでいった先にあります。クリックすると別窓で編集画面が開くさまは、旅館などでよくみられる建て替えを免れた離れのような印象です。
レガシータイトルスタイルが一覧になって並べられているレイアウトもどこか古臭さを感じます。
ところがレガシータイトルは、主に次のような機能があります。
- テキストの挿入
- テキストの加工 (フォント、色、輪郭、影など)
- 図形の挿入
この機能が、ベテラン編集技術者の中で一番よく使われているのです。例えばテロップのデザイン。
一目見ただけで内容がわかり、強い印象が伝わってきます。
テレビ局が時間をかけて作り上げた知恵の結晶のようなバラエティ番組風のテロップは、レガシータイトルで作るのがベストの選択だといわれます。
特徴は塗りの工夫と輪郭。それに影です。
スポーツ紙の見出しのように遠く離れてみても何が書いてあるかわかる視認性の良さは、フォントの太さだけでなく配色の工夫がものを言います。
輪郭についても対比した色彩が最も強い補色の関係を上手ずに使っています。
レガシータイトルが使われ続ける理由は、装飾だけではありません。作業の効率を上げるための工夫ができる点にも秘密があります。
レガシー効率化作戦
プロの編集者にとってテロップ入れにかける時間は極限まで切り詰めたいものの一つです。
レガシータイトルを使いこなすため、プロが身に着けている技をご紹介します。
オリジナルデザインを保存する
テロップ制作は、素材となるテキストに装飾を作りこむ手間のかかる作業です。
作りこんだテロップは使いまわすことにより、以降の手間を省くことができます。レガシータイトルにはコレクションして保存する機能が備わっています。
コレクションとして保存するにはレガシータイトルスタイルの横にある[三本線]→[新規スタイル]と進むことで可能です。保存したタイトルはカタログの末尾に追加されます。
コレクションには、色がついていない文字と着色文字の二種類があることに気づきます。白色を基調としたコレクションはフォント別に整理されたもの。着色してある文字は輪郭などのデザインのデータと区分けされています。
テロップデザインに異なるフォントやデザインを上書きする時などに使えます。
下地となるデータをクリックしてAltを押しながらデザインデータを指定することで元データを変えずに付け加えてい属性を追加することもできます。
量産する
テロップをコピーするには、2つの種類があります。
✅一枚一枚コピーして貼り付ける一般的な方法。
✅プロが使うのは完全コピー(Alt+ドラッグ)です。
こうすることにより、原本をもとに同じ属性を持ったテロップを大量に作ることができます。
テロップの中に大量の文章を入力する効率的な方法もあります。
たとえば、Windowsの機能の一つにalt+tabで一つ前のアプリに戻るという機能があります。
この機能を使って事前に準備したテキスト原稿を一つ一つテロップにコピーしていく方法も効率的なやり方です。
その手順です。
- googleドキュメントもしくはVrewで編集済み動画の音声を日本語化する
- 日本語化したテキストをgoogleドキュメントに張り付ける
- 動画を再生しながら区切りのいいところでテロップを分割する
- googleドキュメントの内容を校正する
- alt+tabでPremiereとgoogleドキュメントを切り替えながらテキストをテロップにコピペする
この方法は、読み取ったテキスト情報を一度編集ソフトから分離させることで、検証作業を外部化できることです。
文字起こししたばかりのテキストは、結構間違いや不要な情報が混じっています。
編集作業から分離すると、編集者は編集に没頭できます。その間に編集者以外の人たちが中身を確認し、人用に応じて修正することで、文字の間違いや、不要な部分、演出の方向性まで確認することができます。
事前に精度の高い文字情報があることでテロップを修正する手間が激減するのです。
エッセンシャルグラフィックス
エッセンシャルグラフィックスについては別記事にまとめした。参考にしてください。
まとめ
編集者に根強い人気を持たれるレガシータイトルを見てきました。
テロップ作業は動画によって、あるいは編集者によって使われ方は様々。
正解のない作業です。
一つ一つ習熟することで完成度の高い番組制作をめざしましょう。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 動画【キーワード】を書きます。