今日は「Affinity Photoで鏡面反射(リフレクション)をつくる方法」を、初心者でも“迷子にならない”ようにゼロから解説します。
サムネ、ブログの見出し画像、製品モックアップ――反射が入るだけで一気に“プロ見え”します。
やることはシンプル、でも順番さじ加減が命。コーヒー置いて、さぁいきましょう。
Contents
Affinity Photo鏡面反射テク完全ガイド
まず頭に入れておきたいのが鏡面反射の作り方。一言でいいます。それは・・・

結論:鏡面反射の本質は「上下反転+フェード+歪み」
やることは3つだけ。
- 対象をコピーして上下反転
- 下に配置してフェードアウト(グラデーションマスク)
- 床や水に合わせて歪みやぼかしを足す
これで“嘘っぽさ”が消えます。
手順A:床に映る“ピカピカ”な反射(王道・最短)
対象:人物・商品・ロゴ・テキスト。ツヤのある床や黒背景に最適。
- レイヤーを整理
- 被写体(または文字)をひとつのレイヤー/グループにまとめる。
- 背景(床)レイヤーはそのままでOK。
- 被写体を複製
- 対象レイヤーを選択 → Cmd/Ctrl+J で複製。
- 複製したレイヤーを 右クリック > 変換 > 垂直方向に反転(または「レイヤー > 変換 > 垂直反転」)。
- 床側にスライド
- 反転レイヤーを真下へドラッグし、元の被写体の**足元(接地点)**でぴったり接するように配置。
- ズームしてピクセル単位で合わせると“効き”が違う。
- グラデーションマスクでフェード
- 反転レイヤーを選択 → 「マスクレイヤーを追加」。
- グラデーションツール(G)で黒→白の線形グラデーションを上(接地点)=白/下=黒で引く。
→ 接地点が一番濃く、下にいくほど消える。これが自然。
- 反射の強さを調整
- 反転レイヤーの不透明度 20〜45%。
- 床が“超ツルツル”なら50〜70%まで上げてもOK。
- ブレンドモードは基本 通常。暗い床ではスクリーン、明るい床では乗算も試すと馴染むことあり。
- ぼかしで床質感を足す
- 反転レイヤーを選択 → レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > ぼかし(ガウス)。
- 半径 1〜6px。床がマットなら強め、鏡面なら弱め。
- ぼかしはライブフィルターにしておくと後で戻せます(非破壊)。
これで王道の“床リフレクション”が完成。接地点のピタッと下方向のスッと消え、この2つが鍵。
手順B:スマホ/ロゴの“製品モックアップ反射”をキレイに
- 製品/ロゴをスマート配置
- 被写体をひとつのグループに(ロゴ+光彩などをまとめる)。
- グループごと複製→垂直反転→下へ配置。
- 接地点の微調整
- 移動ツール(V)で上下に1px単位調整。
- 矢印キーで微妙なズレを詰める。左右も同じ位置関係になるように。
- グラデーションマスク
- 反転グループにマスク。白→黒の線形グラデーションを短めに引く(製品反射は急速に消えるのが自然)。
- ゆるいぼかし+ノイズ
- ライブフィルターのガウスぼかし 半径 0.8〜2px。
- さらにノイズ(加える)2〜4%を反射側にうっすら入れると、“床の粒子感”が出て馴染む。
レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > ノイズ(単色/均一でOK)
- 色の転写(上級だが効く)
- 反射レイヤーの上にソリッドの黒をソフトライト 10〜20%で被せると、床の暗さを拾った雰囲気に。
手順C:水面・ガラス風の“ゆらぎ反射”(表現寄り)
水たまり・湖・ガラス壁面に映る、少し歪んだ反射を作りたいとき。
- 基本の反射を作る(手順Aの1〜4と同じ)。
- ディスプレイスメントで揺らす(擬似)
- 反射レイヤーを選択 → レイヤー > 新規ライブフィルターレイヤー > 変位(Displace)。
- 変位マップがなければ、自作のノイズ画像や波模様(描画した白黒ノイズ)を使う。
- 水面なら水平に強め(X軸 5〜20px)/垂直は弱め(Y軸 1〜6px)。
- ざらつきすぎたら不透明度とスケールを下げる。
※変位が難しい場合は波紋(プラグイン相当)の代わりにゆがみ(メッシュワープ)でもOK。
- ぼかし(移動ぼかし or ガウス)
- 水面は揺れているのでガウス 2〜6px。
- 風がある設定なら移動ぼかしで水平方向に1〜3px。
- 反射の暗部を締める
レイヤー > 新規調整レイヤー > カーブを反射グループの中に。- 低域をほんの少し下げて黒を締めると映り込みらしくなる。
- 色被りの足し算
- 反射側にカラーオーバーレイ(薄いシアンや群青)をソフトライト 10〜15%。
→ 水やガラスが周囲色を拾った感じが出る。
- 反射側にカラーオーバーレイ(薄いシアンや群青)をソフトライト 10〜15%。
手順D:パース(奥行き)がある床への反射
床が奥に消失する構図だと、反射も遠近感を合わせないと嘘っぽい。
- 反射レイヤーをグループ化(反転+マスク+ぼかしをひとまとめ)。
- 遠近ツール or メッシュワープ
フィルター > ゆがみ > メッシュワープで、奥側に向かって少し圧縮。- 消失点方向に縦に詰めると、遠くほど反射が薄く短い見え方になる。
- グラデーションを奥に向かって長く
- マスクの黒→白の白側を接地点に寄せ、黒側を遠くへ引き延ばす。
- 床が濡れている設定なら逆にすることも(遠くまで残る)。
さらに自然にする“プロの仕込み”6つ
- 接地点にハイライト
- 被写体の足元(接地付近)に1〜2pxの細い白ラインをソフトライトで入れると、面と面が触れた感じが出る。
- 反射の切り抜け
- 反射が床の境目や物体で部分的に途切れるなら、反射マスクを黒ブラシで削って“遮られ感”を演出。
- 床のテクスチャ転写
- 床の模様(木目・タイル)を反射グループの上に複製→クリッピング→ブレンド:オーバーレイ/ソフトライト 10〜30%。
- 反射に床の細かな明暗が載り、合成感が消える。
- 色収差ふうのにじみ(控えめ)
- 反射側だけ赤チャンネルを1px横ズラし(レイヤーを複製→チャンネル操作)。やりすぎ注意、1〜2pxで十分。
- 被写界深度の再現
- 被写体が手前にピント、床は奥ぼけなら、反射もぼけ増しに。ガウスや被写界深度ぼかしで距離感を合わせる。
- オン/オフ比較
- 反射グループの目玉マークでON/OFFして、“無いと寂しい/あると自然”のところで止める。欲張らない。
シーン別レシピ
① 黒バックの製品写真(高級感)
- 反射:不透明度 35%
- ぼかし:ガウス 1.2px
- マスク:短めフェード(接地点から40〜80pxくらい)
- 仕上げ:黒レベル少し締め(カーブ)→縁がキリッ
② YouTubeサムネのロゴ反射(読みやすさ優先)
- 反射:不透明度 25%
- ブレンド:スクリーン(暗背景時)
- マスク:短く急に消える
- 仕上げ:本体ロゴに外側グロー(薄く)→反射はグロー無し
③ 水たまりに映る人物(ストリート)
- 反射:不透明度 45%
- 変位:X=12 / Y=3(目安)
- ぼかし:移動ぼかし 2px(水平)
- 仕上げ:反射側をやや青寄り(カラーバランス+5〜10)
④ ガラス壁面の反射(オフィス感)
- 反射:不透明度 30%
- ブレンド:オーバーレイ 20%+**通常 20%**の二段重ね(薄い光沢感)
- 仕上げ:縦方向に弱いストリーク(移動ぼかし 1px 縦)
よくある失敗とリカバリ
- 接地点がズレてる
→ 反射は必ず足元からスタート。1pxのズレが嘘臭さに直結。 - 反射が強すぎて主張しすぎる
→ 不透明度を10%下げる。迷ったら弱め。 - フェードが長すぎて“水たまり”に見える
→ 床反射は短く急に消えるのが基本。 - 床と反射の質感が別物
→ 床テクスチャの転写 or ぼかし/ノイズで馴染ませる。 - パースが合わない
→ メッシュワープで遠くを圧縮、近くを広げる。
非破壊レイヤー構成(保存版)
[被写体(グループ)]
[— 調整レイヤー(色/カーブ等)]
[反射(グループ)] ←これをまとめると管理が楽
├─ 反転した被写体(複製)
├─ マスク(グラデーション)
├─ ライブフィルター:ガウスぼかし
├─ 調整:カーブ(黒締め)※必要時
└─ ライブフィルター:ノイズ(薄く)
この形にしておけば、後から強さや距離感を即調整できます。
まとめ
鏡面反射は「現実っぽい嘘」を作る作業。
接地点の正確さ、フェードの気持ちよさ、床/水/ガラスの質感足し――この3本柱を押さえれば、あなたの画像は“急にプロの仕上がり”になります。やりすぎない。これがいちばんのコツ。












こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Affinity Photo鏡面反射テクを書きます。