After Effectsを使ってリングが回転するアニメーションを作りました。
[線のトリミング]を使い、円形の輪郭線の始点と終点にキーフレームを打ちます。するとリングの上を線がアニメーションし始めます。
これをDaVinci Resolve17で作るにはどうしたらいいのでしょうか。
DaVinci Resolveで 円を描く には
After Effectsで外枠だけで塗りが透明の円をつくるには円ツールを使います。円ツールには塗りと線をそれぞれ透明にするチェックボタンがあります。塗りの部分に透明すれば線の部分が残るので線幅を拡大縮小させることでリングをつくることができます。
DaVinci Resolve17で円を作るには、[Fusion]ページで[Ellipse](楕円)を使って作ります。
ノード上に配置した[Ellipse]で円を描き、インスペクタの[Solid]のチェックを外します。[Border Width]の値をスライドバーを動かすことで輪郭線の幅を広げると円が出来上がります。
DaVinci Resolve17ではもう一つの方法があります。
面と面を重ねてはみ出た「塗り」の部分を輪郭線にして線を作る方法です。
例えるなら日食でいう「金環食」ですね。月の影からはみ出した太陽のように、重なった[Ellipse]ノードの一方をが透明枠からはみ出すことでリングになるのです。
二つの作り方にはそれぞれ長所と短所があります。
[Solid]のチェックを外します。[Border Width]の値をスライドバーを動かす 方法は円が外側に広がりながら幅が狭まって消えるようなアニメーションを作るときには不向きです。
楕円形ツールで二つの円を重ねる
DaVinci Resolve17を起動し[Fusion]ページをひらきます。
[BackGround]ノードと[Ellipse]ノードをダブルクリックしてノード上に配置し[MediaOut]に接続します。[BackGround]ノードを選択し、インスペクタから配色を決めます。
[Ellipse]ノードを選択し、インスペクタで任意のサイズにします。
次に、[Ellipse]ノードをCtrl+CとCtrl+Vで複製します。
[Ellipse]ノードが二つに重なるので、[BackGround]ノードに近いほうを選択してインスペクタの[Paint Mode]を[Subtract]に変更します。「減算」という意味です。[Subtract] にすると円が画面から消えます。
ちょっと脱線しますが、[減算]をほかのソフトで見てみましょう。
これはPhotoshopで減算したもの。二つの黄色いレイヤーのうち、上に置いたレイヤーに減算を設定しました。すると下に置いたレイヤーの黄色と上の減算した黄色とが打ち消し合って背景の黒が透過して見えています。
このように、上に置いた色から、[BackGround]ノードに近い円の色(つまり同じ色のことです)を引き算することで色情報がゼロになり結果、消えて見えるのです。
[BackGround]ノードから離れた方の円を選択し[border with]を拡大します。すると内側がくりぬかれたドーナツ状のリングができました。
リングの一部を線で消す
リングの一部を消すにはマスクを使います。
shift+spaceから検索を呼び出し、maskで[MaskPaint]を呼び出します。
[MaskPaint]をノードに設定します。[1]並び順を間違えると動作しないので注意ください
後はリングの一部を覆い隠せばアニメーションができます。
[MaskPaint]を選択したままプレビューモニターの上にあるアイコンから[PolylineStroke]をクリックします。
[PolylineStroke]のボタンを押すと出てくるメニューで、曲線にしたりするような微調整が可能になります。
リングの四点を決め、線の真ん中くらいを順にクリックします。
すると四角ができるので、線の中央ぐらいを選択してリングを覆うように成型していきます。
ある程度形ができたら[Smooth]を選択します。すると選択した線が円のように滑らかになります。
ここで[PolylineStroke][Controls]の中にある[Brush Controls]のBrash Shapeから丸いアイコン(Circular)を選択します。
続いて[Size]を変えるとプレビューモニターに描かれたリングの幅が変わります。
これでマスクの準備ができました。
マスクをアニメーションさせる
[BackGround]ノードから離れた方の円を選択します。インスペクタの[paint]を[Multiply]にします。 Multiply とは「乗算」を意味します。
再度 [MaskPaint] ノードにもどり、[Write On] のスライダーを動かすと線が消えたり現れたりするような動きができます。
あとは目盛りの赤いバーを動かしてキーフレームを打てば線が動くアニメーションができます。
タイムラインのシークバーを0にもっていき、[Write On] のスライダーの終了点を0にします。
するとリングの線が消えます。
任意のフレームAまでシークバーを移動し、[Write On] のスライダーの終了点を1にします。
これでリングを描くアニメーションができました。
リングを回転させる
次に円を消すアニメーションを作ります。
任意のフレームの手前にシークバーを持っていき、ダイヤマークのキーフレームを打ちます。
これがスライダーの開始点が動きはじめるタイミングになります。
シークバーの終了点のところで、[Write On] のスライダーの開始点を1にします。
途中に戻して開始点にキーフレームを打ち、終了点の少し先にキーフレームを打ちます。
するとリング状を走るようなアニメーションが完成します。
まとめ
After Effects に比べると円をアニメーションさせるだけでも数倍手間がかかることがわかります。
しかし、円を描くアニメーション技術は、様々な場面で使われる汎用性の高い技術です。覚えておくと長く使えるのでぜひ身に着けましょう。
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