【選書】 川上量生 「ネットが生んだ文化誰もが表現者の時代」とは

ネットが生んだ文化誰もが表現者の時代
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 川上量生 を書きます。

これまで新聞社や放送局、出版流通などが独占してきた情報発信の世界が大きく変わっています。

ネットの世界から世の中の変化を見てきた著者がインターネット時代の新たなカルチャーを解説した本です。

川上量生「ネットが生んだ文化誰もが表現者の時代」

本書では、ばるぼら、佐々木俊尚、小野ほりでい、荻上チキ、伊藤昌亮、山田奨治、仲正昌樹などの執筆陣が非リア、炎上、嫌儲、コピーの4つの観点からネット上の精神風土を解説します。

全体構造を俯瞰して、各論を深堀していく足掛かりになりそうです。

川上さんの話で特に印象に残ったのが、「ネットの民は敵に回すと厄介だが、味方にすると頼りない」という言葉でした。

なぜかというと、敵に回すと過激な主張が阿多田の間に燃え広がりますが、その火力を期待して意図的にまとめようとしてもまとまらないのです。

彼らには団結という概念がないからなのだそうです。

  • 二次創作の構造は「動物化するポストモダン」東浩紀、「物語消費論」大塚英志が先行して論じられています。
  • ネットの中の炎上でよくあるケンカに「匿名の是非」があります。
  • つきつめると、結果的には「実名を使いたい人が実名を支持する」という結論になります。
  • 「ネットはツールだから」という人はよくいるが、それは「ネットに住んでない人」の典型的な考え方です。
  • 「オタクは書き言葉、リア充は話し言葉」という指摘があります。しかし、ネット上の住人すべてが書き言葉が得意化というとそうでもなく、書き言葉が得意な人がいじめをやって「炎上」させています。
  • 炎上の構造はネットとリアルの乖離が問題なんです。リアルはネットを見てないし、リアルがネットを見てないとネット民は思ってます。

川上さんの始点から見たネット民の構造は消費社会の構造を見るうえでの切り口になりそうです。