失敗しない インタビュー 動画の編集法 DaVinci Resolve

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 インタビュー を書きます。

映画やアート系の動画と違い、情報系番組の編集ははっきり言って”クソ”がつくほど地味です。

作業の大半はインタビュー録音から言葉をノートに書き写したり、カット編集した映像を繰り返し入れ替える単純なもの。才能というものをまったく必要としない仕事のように見えました。

しかし、地味なように見えるこの作業こそ動画編集の基本。

特にインタビューの編集には実時間を費やさざるを得ない上、言葉を一言削ったり、またカットを入れ替えたりすることで内容が大きく変わることがあります。

「編集の基本は建築に似ている。土台や構造はあとから手直しすのは難しいが、壁面装飾やインテリアは簡単に取り替えることができる」

編集に関心を持つ若い人ほど、ビジュアル・エフェクトにこだわる人が多いようですが、仕事のできる編集マンほど、手間のかかるインタビューを丁寧に扱っていたことを思い出しました。

動画編集ソフトを扱って感じたのは、インタビューにスポットを当てた教材はないかという悩みでした。

“カット編集”の早道

何度も繰り返しますが、編集にかかる作業の大半は人の声の編集とカットの入れ替えです。そのことは編集ソフトDaVinci Resolveの開発元でもしっかり分かっていて、単純な作業をいかに楽できるか工夫しながら開発していことがこの動画からわかります。

動画編集 実践編#2|インタビュー動画の編集

チュートリアル動画のポイントは、収録した素材から使える音を的確に切り出すことです。

作品という大きな始点から見ると、使える音とは、視聴者の感情を揺さぶる言葉をさします。感情というとオーバーに思われるかも知れませんが、観た人が「なるほどそうか」と納得する短いフレーズをさします。編集という点から見ると、使える音とはクリアーに聞こえる音です。邪魔なノイズを取り除くことは情報を聞きやすくする上で大切です。

本来なら、収録段階で完璧な音が録れれば問題はありません。プロの語り手ではない場合、インタビューにはどうしても無意味な音や言い間違いが入ります。チュートリアルでは切り出した音声を鋭利な刃物を使ってそぎ落とす手順が細かく説明されています。

動画を見て、習得すると格段に仕事が早くなる技を三つ見つけました。

  • 作業エリアを拡大する方法
  • 仕事が早くなるショートカットキーの使い方
  • ループ再生と編集点の打ち方、削り方

作業エリアを拡大する方法

DaVinci Resolveでインタビュー編集を行う場合、まず素材からざっくり切り取ったインタビューシーンをタイムライン上に載せます。

料理で言うと肉の塊を小分けして調理台の上に載せるようなもの。文章で言うと段落や章ごと原稿用紙に貼り付けるようなものです。

ここでは「てにおは」のような言葉尻をさわるようなことはしません。

タイムラインに並べたカットを見ると、映像や音声が初期状態では帯のように見えます。このままでは見にくいので見やすくしなくてはなりません。

タイムライン編集オプションを表示する

画面をわかりやすくするのが映像のアイコンです。押すとタイムラインの表示を拡大したり、音声を 波形にして見やすくしてくれます。

ビデオと音声の表示オプションはそれぞれ三段階に分かれていて、ひょうじするサイズや内容を変えることができます。

さらに見やすくしたい時は、トラックの高さをスライドするとクリップの高さが変えることができます。

いずれにしてもマウスを使わずに操作できるので仕事の効率が高まります。

ショートカットキーの使い方

チュートリアルを見て学んだのがショートカットキーの使い方です。

たとえば、完成尺に近いタイムラインを一目で全体が見渡せる大きさにするとき。マウスで操作すると手間がかかります。そんなときはCtrl+Zが便利です。

Ctrl+Z タイムラインのカットを標準サイズにする

私の場合マウスで再生や逆再生をすることが多く、単純な作業に結構時間を取られていました。

  • Ctrl+F  編集中に全画面で試写したいとき便利。再度押すか、ESCで編集画面にもどる。
  • Ctrl+/ ループ再生になる。編集店を試写するときなど便利。
  • キーボードJ、K、Lのボタンにそれぞれ逆再生、停止、再生の機能が割り付けられている。倍速もできます。
  • ↑と↓ クリップ単位でプレイヘッドを移動します。
  • Ctrl+ / ループ再生をオンオフ。 ループ再生は停止した位置で/を打つと、その点を起点にループ再生します。編集後の確認に便利。 
DaVinci Resolveを使うなら絶対に覚えておきたいショートカット16選 | Vook(ヴック)

編集点の打ち方

編集点もマウスを使わずキーボードで操作できます。

キーボードのIでカット頭のイン点を決める

カット頭となるイン点はI、アウト点はOに対応しています。

キーボードのOはアウト点を示す

操作を一度覚えると作業速度が格段に速くなります。

また、編集後カットを試写する際に、自動でループ再生をする機能も仕上がりを細かくチェックするためには役立つ仕組みです。

このチュートリアル動画を会得するだけで、これまでマウスで作業していた作業効率を劇的にアップさせることが出来ます。

スピードの変化はCtrl+R

チュートリアル動画の後半には、映像のスピードを変更する技が紹介されています。

映像のスピードはフュージョンと呼ばれる演出ページでも設定できますが、ここで紹介されていたのはカットごとの設定です。

途中から速度を変化させたいカットを選択肢、Ctrl+Rを押すとタイムライン上の映像に速度変更を示す矢印の列が表示されます。

速度を変更したいポイントに再生ヘッドを持って行き、右クリックをすると速度変更の表示が出ます。

そこで速度変更点をクリックするとカットの前後が分割されてそれぞれ速度を変えることができるという仕組みです。

私も挑戦してみましたがうまくいきませんでした。

うまくいかないというより、この機能は、有料版DaVinci Resolve Studio向けの機能のようで、無償版ではサポートされていないサービスなのかもしれません。

カット点の違和感を軽減するディゾルブ

自撮り動画でよく使われるのが、語り手ワンショットの素材を音で繋ぐ時に生じるジャンプカットです。

ジャンプカットとは、同じ画角の素材を繋いだときに生まれるぎこちないカットです。

放送局の番組ではジャンプ編集はやってはならないタブーとされてきました。

どうしても同サイズの絵を繋がなくてはならない場合は、別録りしたインサート映像をカット点の上に短くかぶせるなどして、衝撃を感じさせない配慮が求められてきました。

チュートリアルの最後に、このジャンプカットの軽減策として紹介されていたのがディゾルブです。

ディゾルブとは前のカットと後ろのカットのつなぎ目を、それぞれ前後に余白を作って重ね合わせることで、溶け合うようにカット点をぼかすという技法です。

興味深かったのが、それぞれの画像の透明度をグラフにして見せ、それを操作することで変化の度合いをコントロールする技法の紹介でした。

こうした技法を細かい部分まで習熟しておくと、インタビュー編集技術の速度が上がり、それによって編集のスキルが底上げされることが期待できます。