
街角撮影中に気を遣うのは人の顔アップを撮らないようにすること。
その人が特定できるようなサイズで撮ったりすると権利侵害のクレームをうけることがあり、あとあと厄介です。
とはいっても、どうしても人の顔って映り込んでしまいますよね。
撮影した映像を公開する際、危ない場面はモザイクをかけることで見えなくしてしまえば問題ありません。
でもモザイクをかける対象が複数ある場合はどうしたらいいのでしょうか。
解決策をご紹介します。
目次
モザイク 処理は案外簡単
以前、モザイクの消し方を記事にしました。大抵の編集ソフトにはモザイク処理の機能が備わっています。私が使うのは無料ソフトDaVinci Resolveです。
前回の記事では一カ所にモザイクをかけるだけでした。その頃は複数カ所処理する方法は見つけられませんでした。
その後ようやく答えにたどり着きました。答えとは「ノード」の中にありました。
複数モザイクはノードを使う

DaVinci Resolveにはシリアルノードという機能があります。ノードとはIT用語で、点と線で構成図を書いたときの点の部分という説明です。
でもこれだけでは分かりません。この辺のところをわかりやすく解説してくれるガイドがなかなか見つからなくて苦労しました。
たまたま私はPhotoshopを使っていたので「レイヤーみたいなものだ」というアドバイスがヒントになりました。元の画像の上にのせるアニメのセル画のような存在です。
元の画像に上にのせたセル画の上にぼかしを入れ、そのぼかしを動く被写体に追従させるのです。対象が複数あれば、複数のセル画つまりノードを置いて、それぞれにぼかしをかけて、まとめればいいのです。
DDaVinci Resolveで複数モザイク
能書きはこれくらいにして作業を始めます。


まず最初に、元の映像の上にモザイクをかけるレイヤーをかぶせます。上記の場合は初期画面では01のみが表示されています。右クリックしてノードを追加します。

すると01の横に新たな枠が生まれました。この枠が一種のフィルターの役割を果たすのです。

次にモザイクをかけたい箇所を特定します。
モザイクをかけたい対象は人の顔。動いていますが大丈夫。追尾機能を使うことでモザイクを追尾することができるのです。
マスクをかぶせる
メニューバーの中央にある丸をクリック。すると左下に記号が並んだ一覧が現れます。マスクです。今回は人の顔にあわせた丸い枠を選択します。

すると上にあるモニターに丸い形をした照準が現れます。この照準をモザイクをかけたい対象にマウスを使ってあわせます。
モザイクを追尾させる

マウスを遇わせたら次は追尾させる手続きに移ります。
マスクの右横によく似た丸い記号があります。これが追尾ボタンです。選択すると下にタイムラインが現れます。
デフォルトでは[クリップ]が赤く選択されていますが、細かく追尾するため横の[フレーム]を選択します。

選択した状態で画面にある追尾円をマウスで調整すると、円の中心が赤くなり、同時にタイムラインに白い点が記録されます。
フレームごとに円の位置を記録しているのです。

次にタイムライン上の移動バーを操作してカットの位置を探ります。

モザイクをかける対象が移動したら、追尾円も移動します。するとタイムライン上に白い点が追加されます。
対象物が拡大したら、追尾円も拡大します。反対に見えなくなったら最小にします。

こうしてモザイクをかけたい部分にマスクをかける準備が整いました。次に[ResolveFXブラー]から[ブラー(モザイク)]を選択して、02のノードにドラッグ&ドロップします。

画面の追尾枠にモザイクがかかりました。モザイクの粗さはお好みで調整します。

赤い丸の中のスライドを動かすことでモザイクが変化します。
複数カ所にモザイクをかける

一つのノードは一つのことしかできません。複数の処理をするためにはノードを追加することで対応しています。
つまり複数モザイクをかけたい場合は、元画像に複数のノードを追加してそれぞれに作業を指示すればいいのです。
この映像の場合は、01の映像にノードを次々に追加していきます。

モザイクを同時に四カ所かけてみました。
完成した映像がこちら。今回は人の顔に近い円形でしたが、複雑な形も輪郭線で囲うことで対応できます。
まとめ
モザイク処理は単純作業に近いことから作業量が多いと時間を取られます。したがって動画が完成尺になってから最終段階でかけることをお勧めします。
モザイクについては