モザイク処理 は難しくないDaVinci Resolve18

モザイク処理は難しくない
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 モザイク処理 を書きます

撮影した素材につかってはいけないものが映っていた・・・どうしよう。

映ってはマズイものが映っていたら編集ソフトでモザイクをかけましょう。

最近のテレビ番組ではモザイクを使わず薄くぼかす「ブラー」処理が主流です。

モザイクもプラーモ掛け方の基本構造は同じです。

ツイッターのようにモザイクのかけ方がわからない人もかなりいるみたいです。

雑踏や、飲食店の店内などを撮影中によくあるのが、写り込んだ人の顔。

そのモザイク処理を迫られることがあります。

DaVinci Resolve 18を使って挑戦してみましょう。

「DaVinci Resolve18が難しくてわからない」と言う人は初心者向けの入門書を数冊読んでみることをお勧めします。可能ならば無償版のDaVinci Resolveをパソコンにインストールして、実際に手を動かすと学びが早いです。

多機能なソフトですが、基本は「カットページ」です。今回のモザイクは「カラー」ページを使うことになるので初心者からツーランクアップした人レベルの技になります。

モザイク処理 は難しくない

person holding camera

モザイクは制作者としてはやりたくない処理の一つです。なぜなら、

  • 画面が汚くなる
  • 被写体がグレーであることを公言している
  • 撮影前の了解がないなど、取材交渉の手抜きがバレる

特に人の顔の処理など、万が一の事態に対する言い訳に過ぎない気がします。[1] … Continue reading

モザイク処理はちょっと細かい手順になりますが、一度覚えてしまえば簡単です。

DaVinci Resolveは、映像を扱うプロの間では人気のソフト。

プロが使う一部の機能を外した無料版はスグレモノです。

大きな流れ

モザイクは編集した映像クリップにかけて行きます。

※素材を損なうことはありませんのでご安心ください。

走っているトラックにモザイクをかけたいとします。

まず、タイムライン上でモザイクをかける始点と終点を決めます。

  • 編集したカットの中からモザイク処理したい部分を見つけ出し、その始点と終点を決め、映像をカットする。
  • カットに映った問題の箇所、モザイクをかけたい部分に印を付ける
  • ノードの画面にある印を付けたカットに、 「OpenFX」» ライブラリ » ResolveFX ブラー » にある”ブラー(モザイク)”をドラッグ&ドロップする
  • モザイクの密度を調整する
  • 映像クリップを書き出す

ざっくりいうとこんな手順です。

動きのある素材でも大丈夫です。編集ソフトにはトラッキング(追尾)という仕組みがあります。この使い方はのちほど説明します。

DaVinci Resolveの欠点は、操作パネルがむき出しでどのスイッチを押したらいいか途中で分からなくなることです。

慌てて作業に入るのではなく勘所を頭の中に入れてから進めるのが正解です。

回り道のようですが成果が上がります。

モザイク追尾作業の実践編

こちらの動画を例にとって説明します。

23秒の男の人と42秒の通行人、4分17秒の親子連れにモザイクをかけます。

カミソリのようなアイコンを選択
  1. モザイクをかけたいクリップをタイムラインに表示します。
  2. クリップの中からモザイクをかけたいものが登場する部分を探し出します。
  3. 操作卓のカミソリのようなアイコンを使ってクリップを始点で分割します。
  4. 続いて終点を同じ手順で分割します。
映像の編集点上でクリックすると映像が分割される

簡単に言えば、始点と終点を設定することで、モザイクできる範囲が決まるといった感じです。

つなぎめは正確に切断されているのでぎくしゃくすることはありません。

カラーページでモザイクをつける方法

「ウインドウ」を選択して、その中の「○」印を選択

クリップを選択します。

画面下のメニューから「カラー」を選択し「ノード」»「シリアルノードを追加」を表示します。

画面左下の表示の中から「ウインドウ」を選択して、その中の「○」印を選択します。

するとクリップに同心円状のマークが登場します。

これが対象にモザイクをかける照準マークです。

するとクリップに同心円状のマークが登場します。これが対象にモザイクをかける照準マークです

マークを人物の顔などモザイクをかけたい部分に持って行く

このマークを始点のカット状のモザイクをかけたい部分に持って行きます。

モザイクをかけたい絵の上に同心円を置く

クリックするとモザイクを乗せるためのマスクが完成します。

この映像の場合は、円が大きすぎるので、このままではモザイクの面積が大きくなってしまいます。

同心円の四隅を調整することで円の大きさや形などの範囲の調整ができるので、適正な大きさにします。

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マークが追尾するか確認する

追尾を確認する

映像の中にあるモノに合わせて、モザイクを動かすことをモーショントラッキングといいます。

照準を操作することでモーショントラッキングするか確認します。

画面左下の表示の中から 「トラッカー」を選択します。

順方向、逆方向にトラッキングボタン(トラッカーの方にあるボタンを使うこと)やキーボードの左右矢印キーを使って移動し、作成したマスクが移動していればOKです。[2]もしマスクがずれてしまっている箇所があったら、「クリップ」を「フレーム」にして修正します。

マークした部分にモザイクをかける

モザイク処理 (ブラー)

追尾するマークにモザイク処理を行います。

操作パネル右上にある「OpenFX」をクリック » ライブラリ » ResolveFX ブラー » と進み”ブラー(モザイク)”をドラッグしてノード上に表示されたクリップ に上にドロップします。

するとタイムライン上にある追尾マークがモザイク状に変化します。

モザイクの密度や濃淡は右上のパネルで調整できます

このままではモザイクの見え方が雑なので、適当な画質に調整します。

調整はOpenFXの設定でピクセル数のスライダー等を動かすことで行います。

これでクリップの対象にモザイクをかけることができました。

同じような作業を映像全体に行います。

チュートリアル動画


Davinci Resolve初心者習得チャンネルさんがわかりやすいチュートリアル動画を投稿しました。参考になります。

書き出し

モザイクの処理は、スーパー入れや色や音の調整などポスプロ作業の中で行います。

全てが完成したところで書き出しを行うためです。

たまにモザイクをかけたあと他の工程が終了していないのに書き出す人がいますが、これは間違いです。

モーショントラッキングでモザイクを [DaVinci Resolve 15編] | MacFeeling Blog

After Effects(アフターエフェクト)を使う方法

adobeのAfter Effects(有料)を使ってモザイクをかける方法はこちらから。

モーショントラッキング|After Effects Style|初心者からはじめるAfter Effectsの使い方

動画のレイヤーの上に、ブラーでぼかしたレイヤーを切り抜いて置き、それをアニメーションの中にあるモーションをトラックして追尾させる方法です。

精密な処理はできますが、手数がかかるので”とりあえずモザイクがかかればいいや”と考えている人にはお勧めしません。

この場合は素材からモザイクをかけて中間素材をつくりたい場合などに向いています。

用語を頭に入れよう

初めての人にとって、むつかしいのが用語です。

  • ノード
  • ライブラリー
  • ブラー

この三つは頭に入れておきましょう。

“ノード”とはグラフィックソフトのPhotoshopなどでいう”レイヤー”です。”ライブラリー”は引き出しのようなイメージ。”ブラー”とは映像のぶれのこと。転じてぼやけた状態。レンズボケ処理のこと。モザイクなどが含まれます。

“OpenFX”” ResolveFX ブラー”など最初のうちは操作方法より用語の理解の方が大変だったりします。

意味を知ってしまえばモザイク消しは超簡単です。

注意・一度かけたモザイクは外せない

woman in teal scarf

たまに、モザイクの消し方を聞かれる場合があります。

一度モザイクされた映像を元に戻す方法はありません。

ウォーターマークを動画から除去する方法

次に問い合わせが多いのがウォーターマークについての質問です。

無料の動画編集ソフトはいつも製造元のウォーターマークが付いています。

ウォーターマークは映像に載せられた文字スーパーのようなもので、映像素材そのものと不可分に結びついてしまっています。

したがって文字部分だけ除去するわけにはいきません。

処理されたように見えるのは、周囲の画像をコピーして塗りつぶしたりモザイク処理をすることでぼかしているからです。

動画からウォーターマークを除去するソフトTOP4

ApowerEdit – 最良の動画編集ソフトウェア

複数個所モザイクをかけるには

一か所だけモザイクをかける方法はわかりました。しかし、一画面の中でモザイクをかけたい場所が複数あった場合。それも時間差を少し置いて現れた場合はどうするのでしょう。開始と終了の部分を最初の対象物にあわせてカットしてしまうと、次の対象物にモザイク処理がすごく面倒になる気がします。最初の対象物にモザイクをかけ、いったん書き出して、その書き出した素材をもとに同じことを繰り返すのでしょうか。謎です。

記事を書いた後、解決策が見つかりました。答えは「ノード」を使うことでした。使い方は別の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

まとめ

「YouTubeにもぼかし機能があるからそれでいいんじゃない」という人もいます。

私も試しに使ってみましたが、細かな部分にうまくモザイクが入らなかったり、入ってもかかり方が薄かったりします。

望み通りに修正作業をしようと思ったらソフトを使う方が正解です。

スマホで動画制作を続けている方には

映像編集にはいい音楽を使いましょう。おすすめのワイヤレスイヤホンをご案内します。

たまに放送番組の中で通行人の顔にモザイクがかかっていない理由

放送番組の中には、本来ならモザイクがかかっているべき人の顔にモザイクがかかっていない場合があります。

事件や事故、イベントやお祭りなど不特定多数の人がいて、個別に承諾を得るのが難しい公の場所の映像などです。

なぜでしょうか。

放送の場合に限りますが、「撮影の承諾」は「公表(放送)の黙示の承諾」と見なされます。

撮影されるから見て録音や録画がされていることが明らかな場合をさします。

お祭りやイベントなど、撮影される可能性が高い場所などでは、撮影される側が明確な拒否をしないかぎり、自動的に撮影に同意しているとみなされます。

取材する側は「相手から匿名性を確保するために映像や音声の加工を要求された場合は安易に受け入れるべきではない」というのが基本姿勢です。

安易に受け入れて加工をしてしまうと情報の信頼性や説得力を損なう恐れがあるからです。

だからといって取材の相手が撮影や録音を明確に拒否している場合は取材も撮影もできません。

あくまで撮影は十分注意しながら行うことが大切です。

モザイク処理は最後の手段であることを忘れてはなりません。

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References

References
1 モザイク処理の理由としてよく混同されるのが肖像権です。放送番組では肖像権を認めていません。個人情報保護以外の理由でモザイクをかけることは好ましくないとされます。それでもあえてモザイクをかけるのは意図せず映像に写り込んでしまって不利益を被る人のための”配慮”です。
2 もしマスクがずれてしまっている箇所があったら、「クリップ」を「フレーム」にして修正します。