撮影した動画の中から前景の人物だけ切り取りたいとか前景と背景の間にタイトルを入れたいと思ったことありませんか。
しかし、有償版DaVinci Resolveの「深度マップ」機能を使えば、被写体の遠近を分析して、前景と背景を分離してくれます。この記事では「深度マップ」 の使い方を解説します。
深度マップ (Depth Map)の使い方
深度マップとは、AIが動画内の物体を自動で識別し、遠くにあるものと近くにあるものを分離する機能です。従来は色や輝度で被写体を切り抜く手法が使われていましたが、深度マップでは距離を基準に切り分けます。これにより、撮影時の被写界深度に関係なく、編集で柔軟な調整が可能になります。
深度マップの使い方
1. エディットページで動画をタイムラインに配置
まず、編集したい動画をエディットページのタイムラインに配置します。
2. Depth Mapの適用
Depth Mapは[Effects][OpenFX][ResolveFXリファイン]と進んだところにあります。
ドラッグ&ドロップでクリップに適用すると、クリップがモノクロの濃淡に変化します。
濃淡はカメラから見た被写体の距離(デプス)を表しています。
デフォルトでは白に行くほど近い距離、遠いほど黒になっています。
動画を再生すると、被写体の動きに対応するように濃淡も移動します。
※無償版のDaVinci Resolveでは深度マップの効果は体験できますが、書き出した動画にはウォーターマークが表示されます。
3. 調整と微調整
細かな調整はインスペクタをの[OpenFX]から行います。
一列目は表示速度。BetterとFasterがあります。
二行目はプレビューのオンオフ。三行目の[Invert]はモノクロの設定を反転します。
[Depthmap Preview]は元画像とモノクロ画像の切り替えです。遠近のマスクを調整するにはモノクロ画像を使います。
[Resulting Map Adjustment]の[Adjust Map Levels]にチェックを入れると、その下の遠近スライダーが有効になり近い部分だけを選択することも可能です。また、[Map Finess]で輪郭を滑らかに調整できます。
前景だけを切り出すことも可能です。削除された背景は透過状態になっています。
タイムラインの下層に別動画を入れればこのように二つの動画を合成することもできます。
応用例: 3D映像のような効果
この機能を使うと、2D動画でも奥行きを強調して3D風の映像を作ることができます。風景や背景動画を深度マップで処理することで、より立体的な表現が可能になります。
チュートリアル動画
まとめ
DaVinci Resolveの深度マップ機能は、初心者にも簡単に扱えます。被写体の切り出しや、2D映像を3D風に演出するなど、さまざまな映像表現が可能です。ぜひこの機能を使って、クリエイティブな編集にチャレンジしてみてください。
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 深度マップ を書きます。