DaVinci Resolve18で新登場した機能「深度マップ」とは何か。
「シンドバット」ではなく「シンドマップ」と言います。
気になる人も多いでしょう。調べました。
被写体を遠近でマスクするDepth Mapとは
Depth Mapとは動画に写った物体をAIが判別して自動的に遠くにあるものと近くにあるものを分別してくれる機能です。
Photoshopを使っている人なら「アレね」の機能です。
これまでのDaVinci Resolveはカラー調整のマジックマスクやクオリファイアを使うことで背景と前景を切り分けてました。
しかし、動画にするとどうしてもうまく切り抜けない部分が出てきます。そこで起用されたのが色ではなく距離で切り分けるやり方です。
フォーカスを触ることで被写界深度の深い隅々までピントがあった動画素材でも、編集段階でポケ感を作ることができたり、背景だけ違う色調にすることができます。
Depth Mapの利用は有償版に限られています。無償版では途中まで進めます。
この機能はカット、エディット、Fusionの両方で使えます。
素早く作業したい場合はカット、エディットから。作り込みたい場合はカラーが推奨されています。
が、特にFusionと連携して操作することで威力を発揮します。
Depth Mapの使い方
Depth Mapはカラーページからも使えますが、今回はエディットページから[OpenFX][Resolveリファイン]の中にあるものを使います。
まず、3Dの立体映像にしたい動画をエディットページのタイムラインに置きます。
Depth Mapは[Effects][OpenFX][ResolveFXリファイン]と進んだところにあります。
ドラッグ&ドロップでクリップに適用すると、クリップがモノクロの濃淡に変化します。
濃淡はカメラから見た被写体の距離(デプス)を表しています。
デフォルトでは白に行くほど近い距離、遠いほど黒になっています。
動画を再生すると、被写体の動きに対応するように濃淡も移動します。
お気づきかもしれませんが、以前のバージョンでは被写体の移動をトラッキングするには別途手間がかかっていましたが、その手間が省けます。
細かな調整はインスペクタをの[OpenFX]から行います。
一列目は表示速度。BetterとFasterがあります。
二行目はプレビューのオンオフ。三行目の[Invert]はモノクロの設定を反転します。
[Depthmap Preview]は元画像とモノクロ画像の切り替えです。遠近のマスクを調整するにはモノクロ画像を使います。
[Resulting Map Adjustment]の[Adjust Map Levels]にチェックを入れると、その下の遠近スライダーが有効になります。この機能を使うことで近い部分だけ選択することなどができるようになります。
境界線が気になる場合は、その下にある[Map Finess]で輪郭の微調整も可能です。
ざっくりこんな感じに近景の人物像だけを切り抜くことができました。
タイムラインの下層に別動画を入れればこのようにマスク効果も期待できます。
【DaVinci Resolve 18】嬉しいアップデート4選
Depth MapをFusionに適用して作る3D動画
遠近感の切り分けができることで本来2Dの動画を3Dのように見せることもできます。
風景などを撮影した2Dの素材を深度マップで処理することで3Dの立体映像にすることができます。
まとめ
オブジェクトの切り出しは、これまで画面の色味を判定してマスクする方法が主流でした。今回DaVinci Resolve18に搭載されたDepth Mapは画面の遠近感をAIが判断して区分けするまったく異なるアプローチです。
初心者でも使い方を理解すれば色々な可能性が広がるので是非チャレンジしてみてください。