こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。
防震装置付きカメラが普及した今、滑らかな映像作品が増えました。
初めて防震装置のことを知ったのは今から24年前、1995年に発生した阪神淡路大震災の頃のことでした。
当時、放送はアナログからデジタルに切り替わる前夜。テレビも旧来の正方形に近い画面でした。ハイビジョンという新しいメディアに向けて様々な周辺機器が開発されていました。
そんなある日、空撮を撮るヘリコプターに、三軸防震装置が搭載されたのです。
三軸とは上下左右斜めの三方向でカメラを支えることで振動やブレを吸収する仕組み。それまでの空撮は搭乗したカメラマンが手持ちで撮っていたのです。
防震装置で撮影した映像の滑らかさは番組制作者の度肝を抜きました。
目次
編集レベルでブレを取り除く方法
今では当たり前のように使われる防震装置。
しかし様々な理由で防震装置が付いていない映像を使わざるを得ない場合があります。
そんな映像も、編集ソフトの力でブレを軽減することができます。
仕組みは単純です。
画面がブレたら、ブレた向きと反対の方向に少しだけ画面を動かすのです。
すると画面全体は上下左右に動きますが、視野の中心は動きが吸収されることで止まっているように見えるのです。
Premiereはワープスタビライザー
Premiereではエフェクトのワープスタビライザーを使うことで手ブレの補正ができます。
- 動画をタイムラインに配置する
- エフェクトパネルからワープスタビライザーを選択する
- タイムラインにドラッグする
- 解析が終了したらエフェクトコントロールパネルをクリックしてモーションなしを選択する
- 再生をして確認する
ざっくりいうと、一旦動画の動きを読み込ませて、自動的に動画の枠そのものを動かすという仕組みです。
困ったことに、この方法だと画面の外枠が出たり入ったりすることになります。それを避けるために、編集ソフトは画面全体を通常よりやや拡大して枠が動いても見切れないようにするのです。
では、Davinch Resolveではどうするのでしょうか。
Davinch Resolveの手振れ防止策
Davinch Resolveの補正作業はカラーページで行います。カラーページとはカラーグレディング(色付加、色調整を行うページ)です。
- 補正したいカットを選択
- ノードを追加する
- [ウィンドウ]から[スタビライザー]を選択
- 解析のため動画をスタート
- 再生が始まる
- 終了したところで[スタビライズ]をクリックする
手ブレを取り除きたいカットを選んでそのカットの複製をとり、頭から再生することで動きを解析、動きに合わせてカット全体を[スタビライズ]する。という流れです。
二、三回練習すれば飲み込める作業です。
外枠の動きを止めるには
スタビライザーで手ブレを補正すると気になるのが外枠、境界線の動きです。
黒い枠が気になります。
画面の大きさを少し大きくすることで境界線の枠を消すのが[ズーム]ボタンです。
[ズーム]にチェックを入れることで、画面全体が自動的に気持ち大きくなり、黒い枠が削除されます。画面がトリミングされた分拡大されるということになります。
しかし、映像に手ブレが目立つと見辛い上、安っぽい仕上がりになりますので補正した方が安心です。
まとめ
編集である程度補正ができるのが最近の映像技術の進歩です。
しかし、編集頼みは最後の手段。撮影時点で最高の素材を撮るように心がけましょう。
よろしければチャンネル登録お願いします。