動画投稿のメリットは 取材から撮影、編集まで一人で作業ができることです。
しかし、初心者がすべての工程をパーフェクトマスターするのは大変です。
ムリせず続けるためにはなにかを捨てなくてはなりません。
私が最初に捨てたのは映像の質を良くする技術・カラーグレーディングでした。
先ずは、しっかりした映像コンテンツを作れるようになりたかったからです。
ある程度全体が見渡せるようになった今、カラーグレーディングにチャレンジすることにしました。
カラーグレーディングとは何か
映像制作の現場では、撮影した映像の品質を高めるために色を補正したり、足したりして品質を高める工夫をします。
カラーコレクションとカラーグレーディングです。
カラーコレクションとは変色した映像を本来の色合いに戻すことです。
撮影した映像は天候などの光の具合や、撮影したカメラ自体が持つクセから、本来の色合いと違う映像になってしまうことがあります。
カメラの癖で変色して見える映像を、自然の見た目の色味に直すのです。
逆に、撮影した映像を意図的に変えて演出効果を狙いたい時は、編集ソフトを使って色味を変えます。
画像は色の元になる三原色の集まりなのでこの配分を変えるのです。
色味を変えて別物にすることを。カラーグレーディングと呼びます。[1] … Continue reading
カラーコレクションは自分の見た目という目標があるので、作業は比較的楽です。
しかし、グレーディングは自分が作りたい映像に、素材となる映像を近づける、作り出す作業なのでメチャメチャ大変です。
グレーディングを学びたい人は、一旦見た目に近い色に戻すスキルと、その映像に自分の作りたい世界観を足していく力の二つのスキルを持つことが必要なのです。
グレーディングの手順
実際に撮影した動画を元に自分の世界観を作っていくにはどうしたらいいのでしょうか。
映像をカラーグレーディングしたい時便利なソフトがDaVinci Resolve18です。
DaVinci Resolve18は動画の色味データを分析して加工することができます。
初心者に難しく感じるのは、複雑な工程を手順通りに進んでいかないとうまくいかないことです。
しかし、決められたルートを辿っていけば誰でも映像を自分好みの色味に変えることができるので挑戦しがいのあるソフトです。
カラーグレーディングができる映像には条件があります。それはRAW形式もしくはLOG形式で撮影された動画に限られることです。
それ以外の形式で撮影した素材は補正できるデータが失われた「現像済み」の映像になるため、補正のため必要な映像情報が失われているからです。
ざっくりした手順は次の通り。
見た目に近い色味に戻す(カラーコレクション)には次の流れで行います。
- コントラスト(明るさ)を補正する
- 色を引き出す(彩度をつける)
- ホワイトバランスを調整する
流れを見てわかるように、カラーコレクションの作業自体はシンプルです。
自分の中にしっかりとした自然に近い映像がないと迷うことになるので、数多くの補正作業を積み重ねることで自分の中の物差しを育てましょう。
次に、その映像をグレーディングしていく工程です。
ここからは見た目の色を基準に、色味を足していく作業になります。
グレーディングは映像の内容により様々な方法があり正解はありません。
- カラーホイールで色味を調整する
- 人間の肌の色をスキントーンで調整する
- 画面の一部の色を変えたり消したりする
- LUTを当てて質感を統一する
以上の流れです。
この作業を効率的に行うために、DaVinci Resolve18では「ノード」と呼ばれる編集方式を使います。
ノードは幾つでも増やすことができ、それぞれのノードに特定の機能を持たせることができます。
イメージからいうと、アニメーションのセル画のような物です。
アニメでは下絵にセルをかぶせることで、色を変えたり消したりしたり、全体の色調や質感を変えたりしますが、カラーグレーディングも同じように元の映像の上に様々なフィルターをかけることで作りたい色味を実現するのです。
初心者がDaVinci Resolve18を使ったカラーグレーディングを学ぶにはチュートリアル動画を見るのが早道です。
カラーグレーディングを学んでいい人
プロの映像制作では、カラーグレーディングを行う人のことをカラリストと呼びます。
カラリストになる条件は、その人でなければ作れない世界観を色で表現する力のあるなしです。
職種に固有名がつくと言うことは需要が生まれていることを表します。
特に若い人にとってはカラリストは狙い目の仕事だと思います。
動画広告市場は2900億円の市場に伸びています。
動画のつくりは極めてシンプルだ。パラパラ漫画と同じ原理で画像を組み合わせ、そこにエフェクトをかけることで言葉を強調させたり、スピード感を出したりする。撮影を必要としない動画 制作費数万円の「動画広告」が激変させた市場|BUSINESS INSIDER https://t.co/oO634xQXGq @BIJapanさんから
— furutani (@kenfru3) 2019年10月3日
動画広告に限らず、動画制作の需要は減ることはありません。
さらに市場の拡大ははじまったばかりです。
カット編集やテロップ入れ程度の編集ができる人は山のようにいますが、動画制作の技を身につけた人は多くありません。
競合がいない分ポジションを取るのは難しいことではないのです。
まとめ
映像制作の世界は幅広く、取材や記録映画の世界ではグレーディング技術が不可欠かというとそうではありません。
反対に、映像の質が求められるのは商用動画の世界です。
あっと驚くようなビジュアルが客を引きつけます。いわばビジネスが先にあるモデルです。
商用映像の目的は利益を得ることです。コストを回収する目論見を立て収益のメドがたつ範囲で映像作品をつくります。
情報の伝達を目的とする放送とは目標そのものが違うのです。
- 市場が限られている
- 撮影機材に制約がある
- データ量が膨大になる
高品質な映像は利益につながります。
利益を上げるために予算がつぎ込まれ、腕のあるプロが集まります。
初心者が一人前になるためには一定以上の水準にまで腕を上げる必要がありますが、需要があって初めて腕を生かすことができます。
自分の目指す分野を見極めて、スキルの上達を目指しましょう。
References
↑1 | 映画製作では、カラーコレクションはビデオのカラー調整に用いられる作業を、カラーグレーディングは映画フィルムのカラータイミングの工程を指すと言われています |
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 カラーグレーディング を書きます。