色補正で差をつける! DaVinci Resolve のPowerGrade徹底ガイド(初心者編)

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 DaVinci Resolve のPowerGrade徹底ガイドを書きます。

初心者です。DaVinci での動画の色合わせ・・・・超めんどくさいです。なんか手軽な方法ありませんか。

ほんと、そう。撮影した素材を編集して色味を整えようとして、何時間もかけて「なんか違う」、「また撮り直しか…」なんて思う人多いです?

私も最近まで同じ穴に何度も落ちて痛い思いを味わいました。ところがです。ある機能に出会ってから、その迷いがグッと減ったんです。

それが、DaVinci Resolveの PowerGrade(パワーグレード)

「色味を一発で決められたらいいのに!」と思う初心者にこそ、この機能が「時短+クオリティアップ」の鍵となります。

今回は、初心者だからこそ得するPowerGrade(パワーグレード)使い方”を、リアルなシーンも交えてお伝えします。

色補正で差をつける! DaVinci Resolve のPowerGrade徹底ガイド

そもそも「PowerGrade」って何?

Resolveの色補正ページで「このカット、こういう雰囲気にしたい!」と一つずつ調整していくのは楽しい反面、手間もかかります。そこで登場するのが PowerGrade

簡単に言えば「複雑なノード構造を含んだ“見た目の仕上がり”をプリセットとして保存・再利用できる機能」なんです。 

具体的には:

  • 自分で苦労しながらノード使って最適設定した色補正(コントラスト・マスク・カーブ・スタビライザー等)を「スチル」として保存。
  • それを別のクリップ・別のプロジェクトでも「PowerGradeアルバム」に入れて呼び出せる。(←これマジすごい) 
  • さらに、保存することで「何をどう調整したか(ノード構造)」もそのまま引き継げる。つまり、ただ色を変えるだけの“LUT”ではない、深めのプリセット。 

この機能を知ると、「あ、色補正ってもっと楽になりそうだ」と感じる人、結構多いと思います。

初心者がPowerGradeを使うと得するシーン5つ+具体例

では、私が実際に編集していて「ここで使ったらすごく助かった!」というシーンを、初心者目線でリアルに紹介します。

シーン①:大量撮影した同じロケーション動画を一括で色味統一

例えば、屋外で「インタビュー&B-roll」撮影。午前と夕方で光の色が変わってしまった…そんな時に。

→午前のクリップでベース補正をして、「黄金時間っぽい暖かい雰囲気+深めの影」を作成。これをPowerGradeとして保存。夕方のクリップにもそのまま適用。微調整だけで統一感ある仕上がりに。

得する理由: 時間を大幅節約+見た目のばらつきを減らせる。

シーン②:定期投稿のYouTubeチャンネルで“自分のルック”を作る

毎週アップしてるYouTube動画。あなたのチャンネルには「少しティルト気味・コントラスト強め・少しヴィンテージ」みたいな雰囲気があるとします。

→最初にその雰囲気を作ってPowerGrade保存。次回以降も同じルック(自分の個性を感じさせる独自の色合い)を使っておけば、「あ、この人のチャンネルだ!」というブランディングにもなる。

得する理由: 視聴者に“あなたの色”を伝えられる+編集時間の安定化。

シーン③:トラブルショット(光が足りない/手ぶれ)を救う

例えば、室内撮影で光が足りず「青味がかって」「ノイズっぽい」素材があるとします。

普通なら「露出上げて→色温度直して→ノイズ除去して…」と手間のかかる段階を踏まなくては修正困難です。

→まず落ち着いてこの素材に対して補正を作成。その情報をもとに「露出上げる+暖かめ+ノイズ軽め」というノード構成を作って保存。つまり一種のテンプレセットですね。このセットを使うことで、次回似たような素材の補正がやってきたを時にはすぐ使えます。

得する理由: トラブル時も慌てずルーティンが使える。

シーン④:他人素材(クライアント提供)を仕上げる時のスタート点として

クライアントから「この映像、雰囲気整えてほしい」と依頼。

素材は様々。カメラ・光・レンズ違い。初心者だと「どこから手をつければ良いか分からない」となることも。

→そんな時は、全体を修正しようとせずに、できるところから始めるのがポイント。そこで登場するのが、「まずここだけ手を入れると雰囲気が出る」ように調整したPowerGrade。それを依頼素材に適用し、「ここから微調整」というスタートができます。

得する理由: 初心者でも“編集迷子”になりにくい。

シーン⑤:将来の“自分”への資産として蓄える

編集していくうちに「お、このノード構成いいな」と感じたらPowerGradeとして保存しておく。この保存の積み重ねが、のちのちちりツモで役に立つ時がやってきます。

数年後──自分のスキルが上がった時に、初心者時代のPowerGradeを見返すと「こんな構成使ってたのか」と成長の証にもなります。

得する理由: 時間と経験の積み重ねが可視化できる。

メリット&デメリット

メリット

  • 圧倒的な時間節約:複数クリップ・似た環境素材・定期投稿で威力を発揮。
  • 見た目の統一感が出る:色味・雰囲気・コントラストを揃えやすく、「バラつき」が減る。
  • 修正・再利用が容易:ノード構造も保存されているため、あとから「ここだけ変えよう」という調整も可能。 
  • ブランディングになる:自分の“色”を一定化できる。
  • 学びにもなる:保存しておいたPowerGradeを解析することで、どんな設定が効いてるのか学べる。

デメリット/初心者が気をつけるべきこと

  • 使いどころを誤ると“不自然”な仕上がりに:撮影環境が大きく違うと、そのまま適用では色が破綻することも。
  • “ラクする誘惑”に負けてしまうと成長が遅くなる:PowerGradeに頼り切ると、「自分で1から補正できる力」が育ちにくい。ユーザーの声からも「購入したPowerGradeは好きだけど、自分のスキルを置き去りにしない方が良いのでは?」という声も聞こえます。 
  • 保存・管理が雑だと“どれが何用?””どれが最新版?”と迷う:PowerGradeも資産なので、フォルダ整理や名称付けを怠ると使えなくなります。(保存タイトルに2025_10_22などの日付をつけるなど癖をつけるといいかも)
  • ソフト・バージョンの互換性に注意:複数の異なるDaVinciで共有する場合などてありがちなバージョン問題。古いバージョンから新しいバージョンへは移行可能ですが、逆方向は難しいという報告も。 

最新情報&初心者向けワンポイント(2025年版)

  • 環境変化:Resolveのバージョンが進むほど、ノイズリダクションやAIベース自動補正も向上しています。つまり、PowerGradeを作る“土台の補正”が以前より楽に。
  • シェア・移行:PowerGradeのアルバムを“PowerGradeアルバム”としてプロジェクトを跨いで使えるという機能を活用しましょう。 
  • ノード構成ラベル付け:初心者ほど「このノード何やってる?」と迷います。ノードに名前を付けてから保存すると、あとで見返した時に理解しやすい。 
  • 撮影環境別にフォルダ分け:例えば「昼屋外」「夕方屋外」「室内低光量」などでPowerGradeを分けておくと、次回すぐ呼び出せて安心。
  • テスト&微調整:PowerGradeを使った後、“全体をいちどリセットして比べる”ことで「適用+微調整」の効率が上がります。初心者こそこのステップを入れましょう。

初心者向けステップ・バイ・ステップ活用ガイド

  1. 彩度/コントラストを整える(ベース補正)
  2. カラーバランス・色味を決める
  3. 必要ならパワーウィンドウ・マスク・ノイズ除去などノードを追加
  4. 仕上がりを確認(他のクリップにしても雰囲気出てるか)
  5. Gallery → “StillをGrab” → PowerGradeアルバムを作成・保存
  6. 別クリップに適用 → 必要なら“露出のみ”“白バランスのみ”など微調整
  7. ノードに名前を付けて、フォルダ・カテゴリー分けして整理

基本的な使い方は、カラーグレードしたいスチルを選択。[ギャラリータブ]の左上のボタンをクリックしてから[パワーグレード]をクリックして、そこんスチルを保存しておけばどのプロジェクトでもカラーグレードを使いまわせます。

まとめ:初心者だからこそ使ってみてほしい

冒頭にも書いたように、私自身“色補正で時間がかかってヘトヘト”という経験がありました。

でもPowerGradeという仕組みに出会って、「あ、これ使える!」と感じ、編集効率がグッと上がりました。そして何より「撮った素材が格好良く見える」瞬間が増えた。編集って、技術だけじゃなく“気持ち”も入るんですよね。

初心者だからこそ、「まずは“ここだけ”ラクをして良い仕組を作る」が正解だと思います。もちろん「自己流を育てる」ことも忘れずに。ただ、その“育てる力”を待っている間、PowerGradeはあなたの強い味方になります。

今日この瞬間から、「あ、自分のPowerGrade1つ作ってみよう」と思ったら、それが第一歩。かんたんな色補正+気に入った雰囲気を作って、保存。次の素材で使ってみて、“体感”してみてください。

すると、編集作業が少しだけ楽しく、少しだけ速く、少しだけ“自分の色”に近づいていく。その実感が、編集のモチベーションをまた上げてくれます。