手持ちイラストをベースに「 世界観 を引き継ぐ」画像の作り方

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。「 世界観 を引き継ぐ」画像の作り方を書きます。

「手持ちのイラストを基に、同じ世界観・色調で新しい画像を作りたい」──これを実現するには、リファレンス画像(参考画像)をプロンプトに組み込む方法を使います。

Imagenでも、Nano Bananaや他のAI(例えばMidjourney、Gemini、Stable Diffusionなど)でも基本の考え方は共通です。

🎨 手持ちイラストをベースに「 世界観 を引き継ぐ」画像を作るには?

ImagenはGoogleのWhisk – labs.google/fxから利用できます。利用にあたってはクレジットがかかります。必要に応じて有償版のProなどを検討ください。

ステップ①:まず、リファレンス画像(手持ちイラスト)をアップロード!

まずは、自分が描きたい画像の“ベースになるイラスト”をAIに見せる必要があります。

Imagenのような画像生成AIには、「画像をアップロードして参照させる」機能があります。画面下にあるプロンプト枠を使って指示文と参照画像のアップロードを行います。

これを使って、AIに「この絵の雰囲気を真似して!」と伝えます。

💡 ポイント:アップロード時に、AIがその画像を「学習する」わけではなく、「スタイルを参照する」だけ。だから安全です!

ステップ②:画像をアップロードしたら「参照プロンプト」を作る

アップロードすると、その画像にURLまたは内部IDが割り当てられます。
そのIDをプロンプト文の中に組み込みます。

たとえば Imagen(または同様のAIツール)なら、こんな感じ👇

[uploaded_image:12345]
Prompt:
この画像と同じ色調と世界観で、
夕暮れの街を歩く青年を描いてください。
柔らかい光、やや淡いトーン、手描き風タッチで。

こう書くと、AIは「アップロードされた画像(ファイル名「12345」)」の色味・筆致・雰囲気を参照して、新しいシーンを生成してくれます。

ステップ③:プロンプトで「どこを変えて、どこを残すか」を明確に!

ここがめっちゃ大事です!
AIは「すべてをコピーする」よりも、「どの部分を引き継ぐのか」を指定してあげると精度が上がります。

例)

あなたのイラストが「夕暮れのファンタジー街」だったとします。
その雰囲気を保ったまま、「朝のシーン」を作りたい場合👇

参照画像: [uploaded_image:12345]
Prompt:
上記のイラストと同じ世界観・筆致・キャラクターデザインで、
朝の光に包まれた同じ街を描いてください。
空は淡いピンクとオレンジ、全体はやや明るいトーン。

👉 こうすると、“別の時間帯の同じ街”が自然なトーンで生成されます。

ステップ④:複数の画像をリファレンスにすることもできる

もし「キャラクターの雰囲気はこの絵で、背景の色味はあの絵で」という場合、
複数枚の画像をアップロードして、プロンプトに一緒に指定できます。

[uploaded_image:キャラクター参照]
[uploaded_image:背景参照]

Prompt: キャラクター参照画像の人物を、 背景参照画像のような色調と照明の中で描いてください。 スタイルはどちらも統一感を保つように。

これで、異なる素材の“いいとこ取り”ができます。

ステップ⑤:出力後にNano Bananaで微調整!

Imagenで生成した画像をベースにして、
「もう少し色味を淡くしたい」とか「背景を少しぼかしたい」という時には、Nano Bananaで調整します。

Nano Bananaの“Image Refine”機能を使うと、次のように指示が出せます👇

Refine:
背景の明度を少し下げて、夕方らしいトーンに。
キャラクターの輪郭をやや柔らかく。

すると、AIが全体の世界観を壊さずに、自然な補正をしてくれます。
これがほんと便利。

ステップ⑥:英語で書くとさらに安定!

Imagenの場合、日本語でも動きますが、英語の方が理解精度が高いです。
DeepLなどで英訳してから入力すると結果が安定します。

例:

In the same art style and color tone as the reference image,
create an illustration of a young man walking through the city at sunset,
with soft lighting and warm, pastel colors.

🎬 実際にやってみたときの体験談

私もLofi動画に使う画像を作りたくなって、
1枚の“メインビジュアル”をリファレンスにして、
「その世界の中にいる別キャラ」をImagenで生成してみたんです。

あのころに戻りたくなるような景色」──つまり“ジブリ風の夏の情景”のような、懐かしくて胸がぎゅっとなる雰囲気、です。

一度作っておけば、Imagen や他のAI画像生成ツール用プロンプトのテンプレート としても使えますい。👇
さらに便利なのは、手持ちのイラストや参照画像がある場合にも組み合わせて使えます。

🌻テンプレート:「あのころに戻りたくなるような景色」

(ジブリ風・夏の情景を再現したいとき用)

🖋日本語プロンプト例

懐かしい夏の午後。  
田舎の小道、蝉の声が響く中、柔らかい夕日が差し込んでいる。  
木造の家々、少し色あせたトタン屋根、風に揺れる洗濯物。  
空は淡いオレンジから群青へと溶けていく。  
どこか切なくて、あのころに戻りたくなるような空気感。  
ジブリ風の色彩と筆致、優しいタッチで。  
アニメ調、柔らかい光、やや粒子感のある描写。  

💬英語版プロンプト(Imagen向けに安定)

A nostalgic summer afternoon in the Japanese countryside.  
A narrow path lined with wooden houses and fading tin roofs,  
warm sunlight filtering through the trees,  
the sound of cicadas in the distance.  
Soft orange and blue sky blending together at dusk.  
A scene that feels like a memory — warm, gentle, and slightly bittersweet.  
Studio Ghibli-inspired art style, soft lighting, painterly texture, anime aesthetic.

🎨バリエーション例

🌅 1. 夕暮れの海辺

古い防波堤の上に座る少年。  
波に反射する夕日、オレンジと青が混ざる空。  
潮風に髪が揺れて、遠くでカモメの声。  
ジブリ風のタッチで、どこか懐かしい夏の夕暮れを。

🏡 2. 田舎の通学路

麦わら帽子の少女が自転車で坂道を下る。  
背後に広がる青空と入道雲。  
遠くの稲穂が風で揺れる。  
手描き風、温かみのある色調、青春の記憶を感じる構図で。

🌾 3. 夏祭りのあと

夜の神社の境内。  
人影の消えた屋台、淡い提灯の光がゆらめく。  
地面に落ちた花火のかけら、かすかな煙。  
静けさと懐かしさが混ざるジブリ風の夜景で。

🧩リファレンス画像を使う場合の組み合わせ例

(ImagenまたはNano Bananaの入力フォーマット)

[uploaded_image:summer_scene_reference]

Prompt:
この参照画像と同じ色調と世界観で、
田舎の夕暮れを描いてください。
柔らかい逆光、淡いオレンジとブルーのグラデーション。
手描き風タッチ、懐かしさと静けさを感じる雰囲気で。

英語にするなら:

Use the reference image for color tone and mood.  
Create a countryside sunset scene with soft backlighting,  
gentle orange and blue hues, and a hand-painted style.  
The atmosphere should feel nostalgic, calm, and emotionally warm.

最初は似てるようで違う絵ばかり出てきたんですけど、
3回目くらいで「あ、つながった!」って瞬間が来ました。
光の方向、空気感、筆のタッチ──すべてがピタッと合う。
まさに「同じ世界の別のワンシーン」ができたんです。

🔧ちょっとしたコツ

  • 色味指定を具体的に書く(例:オレンジ+群青)
  • 光の向きを入れる(逆光・斜光など)
  • “感情ワード”を入れる(懐かしい・切ない・優しい)
    → これでAIの解釈が一気に深まります。

🔧 まとめ:AIに“見せて伝える”時代

言葉で説明するだけじゃなく、画像で伝える
これが、AI画像生成の新しい常識です。

  • Imagenで「リファレンス画像を使って世界観を共有」
  • Nano Bananaで「細部の色味や構図を整える」

この2ステップで、あなたのイラスト世界を拡張できます。
もう“偶然いい感じになる”のを待たなくていい。
AIに「この絵みたいにして」って言える時代、ほんと最高です。