動画投稿を始めて戸惑ったのは、動画の色調整に関する技術です。
logとlutの違いなんてわかりますか。私はわかりません。
多分わからないのは私だけではないと思います。技術エンジニアや撮影関係者を除いて理解できている人は百パーセントいないと断言します。
最近直面したのが、動画の色調を一瞬で調整するlogとlutという専門用語。
これにRAWが加わると、よほど技術に興味がないと覚えきれませんよね。
この記事では、logとlutについて調べてみました。
“log”と”lut”の技術、必須のコンテンツ、いらないコンテンツ
結論から言うと、私が経験してきたような情報系動画にはlogもlutも知らなければ死ぬほどの知識ではありません。
LogとはRAWと並ぶ形式のこと。Latとは補正するためのツール。
と覚えました。
動画の「LOG」とは ・RAWデータから色調・彩度・諧調を処理した圧縮データ。 ・編集とカラーグレーディング前提の記録方式。 ・高いダイナミックレンジで、白飛びや黒潰れを無くせる。
技術的にもなければ困ることはないのです。
情報系番組は伝え方ではなく伝える内容を優先します。伝え方とは一種の装飾のようなもの。装飾にかける暇があったら伝えるべき内容を深掘りしろと、現役時代は言われたものです。
反対に、この知識がないとおまんまの食い上げになるのは、映像美を追求する分野。例えば映画やアート作品、プロモーションや広告映像などがそれに当たります。
logもlutも映像のもつ潜在力を引き出し、最大限に発揮するための技術。言い換えれば化粧品の宣伝のような「潤いを与える」技術なのです。
では技術の正体とはいったいなんなのでしょうか。
logとは何か
まず、logです。ログとは、Logarithm(ロガリズム)の頭文字3文字をとった略語です。「対数」という意味です。
logの定義を検索しました。
「人間の感覚に近い露光量の差を表現できる技術」という解説もありますが、わかりやすく説明するのは難しい内容のようです。
わかるのは、元来、映画フィルムのデジタイズに使われた技術であること。デジタル映像信号処理 技術のひとつであることくらいです。
かなり難しい技術なので私は色補正がしやすくなる撮影技術だと、ざっくり考えることにしました。
動作環境
次に、自分の制作環境でlogが必要かと言う問題です。
logを使いこなすためには、撮影と編集の二つを見ていかなくてはなりません。
まず撮影です。
結論から言うと、logを扱える撮影機材はかなり高級機になります。普及品クラスの機材には装備されていないと言うことがわかりました。
日頃撮影に使うDJI OSMO Pocetはどうでしょう。調べてみると「D-Logのようなプロファイルは搭載されていない」と言うことがわかり、ややガッカリ。
上位機種のDJI OSMOには搭載されているようなので、必要になれば考えることにします。[1]Osmo PocketはD-sine LikeというD-Logに似た画質で撮影できるのですが、あくまでも似ているだけでLog撮影ができるわけではありません。 上位機種である … Continue reading
次に編集です。
私が使うDaVinch Resolveにはlogを扱う機能が付いていました。
つまり、撮影機材さえ調達できれば、自宅の環境で映画やアート作品、プロモーションや広告映像のような映像美を追求できるようであることがわかりました。
やるかやらないかは別問題です。
log撮影の見え方
log撮影の実態を理解するには、実物を見のが早道です。
一般的な動画と、log撮影した動画との違いはどう見えるのでしょうか。
LOG撮影の特徴は寝ぼけたような質感。色の薄いサテンのような光沢がかかって見えます。高価な機材を使って撮影した動画が低価格のカメラに負けているようにも見えます。
log撮影の特徴は、後から補正できるような色の成分が多めに入っていることだと言われます。
ですから、一寝ぼけたように見える動画も、後から色調を補正することで安いカメラとは比較にならない鮮やかな色合いを出すことができます。
iPhoneでもできるlog撮影
log撮影ができるのは高級機に限られていましたが、最近ではiPhoneでもアプリを使うことでlog撮影が可能になりました。
iPhoneで劇場用映画が撮影できると話題のアプリ”FilMic Pro”です。
FiLMiC Proにはlogに対応したモードでiPhoneが動画撮影できる機能があります。撮影したデータ量は膨大になりますが、そのことを理解しさえすればlog撮影したデータを手に入れることができます。
編集
logデータは実績ある編集ソフトで編集することができます。Davinch Resolveでも編集は可能です。
LUTとは
LUTとは (Lookup Table ルックアップテーブル)の略で、コード化された数式のこと。情報量のたくさん詰まった「LOG」素材の色や光の情報を呼び出してくる「データ」処理ツールです。
ざっくり言うと、いわばテンプレート集のようなものなので、撮影機材ごとに特化したLUTが数多く出回っています。
撮影機材にLUTを利用すれば、カラーホイールやトーンカーブなどを使わずに、動画の色調を一瞬で調整することができます。
使い方は簡単で、編集ソフトに読み込めばすぐに使えるようになります。
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まとめ
今回は馴染みの薄いlogとlutと言う用語に付いて考察しました。
ドラマやエンタメ系の番組を除いてニュースや番組はほとんど撮影した映像をそのまま編集して放送します。放送という仕組みの中では不要不急の扱いを受けているのが色に関する世界なのです。というわけで、編集をしながら一つずつ勉強を始めたところです。
References
↑1 | Osmo PocketはD-sine LikeというD-Logに似た画質で撮影できるのですが、あくまでも似ているだけでLog撮影ができるわけではありません。 上位機種である Osmo Pocket にはD-Logが搭載されています |
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 logとlutの違い を書きます。