「なんでこの映像、昼の海だったはずなのに…夜になってるの?」
これ、After Effectsを知ってる人からしたらちょっとしたテクニックかもしれない。でも、初めてこの合成ができた時の感動は、ほんとに魔法みたいで…。
今回は、昼間に撮影した“海の風景”を、幻想的な“星空の夜”に変える方法を、初心者の方にもわかりやすく紹介します。しかも、マスクを一切使わずに!
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🌊昼の海が、一瞬で星空の夜に。After Effectsの裏技で作る幻想的な風景
🎯今回やること:昼の海 → 星空の夜にする!
必要なものは、たったの2つ。
- 昼間に撮った海の映像(空と水平線がしっかり写っているもの)
- 夜空(星空)の画像か動画(できればタイムラプスだとさらに素敵)
普通は「空の部分をマスクして星空をはめ込む」のが定番だけど…
正直、時間も手間もかかって面倒!
だから今回は、「ルミナンスマット」というちょっとした裏技を使って、“明るい部分だけ”をサクッと透過して、星空を差し込む方法を紹介します。
✨ルミナンスマットってなに?
ざっくり言うと、映像の“明るさ”を使って透過エリアを作る機能です。
- 明るい部分 → 透ける
- 暗い部分 → 残る
つまり、空のような「明るい部分」だけを透かして、そこに星空を差し込めば…
☀️ 真昼 → 🌌 夜空に変身!!
🔧実践ステップ:5分でできる!
Step 1|素材を準備しよう
- 昼間の海の映像(空と水平線がちゃんとあるやつ)
- 星空の写真か動画(ループ素材なら最高)
プロっぽく見せたいなら、海の反射も夜空っぽく加工できると◎
Step 2|海の映像を複製する
- 海の動画レイヤーを Ctrl+D(⌘+D)で複製
- 複製した方のレイヤーに モノクロエフェクト(エフェクト > 色調補正 > 彩度を下げる) を適用
これで、明るさ情報だけの「ルミナンス用マット」が作れました。
Step 3|ルミナンスマットを設定!
- 星空の映像を、一番下のレイヤーに置きます
- 海の**カラーのレイヤー(元映像)**をその上に
- さらにその上に、モノクロのマット用レイヤー
- カラーの海レイヤーを選んで、**トラックマットを「ルミナンスマット」**に設定
すると…
💫空の部分だけが透明になり、下の星空が見えてくる!!
「え、これだけで!?」って思わず声が出るレベルで簡単です。
Step 4|海に映る星空を加える(あれば理想)
星空の素材を複製して、反転させて海に重ねると、星が海に反射している風景が作れます。
- エフェクト →「ミラー」や「ディスプレイスメントマップ」で揺らぎを加えると、さらにリアル!
- 海面に少しだけ青みや透明感を残すと自然
ルミナンスマットで空は夜になったけど、海の色が「昼っぽいな…」って時は👇
・「色調補正」→「カーブ」や「トーンカーブ」で全体を暗く
・「色相・彩度」で青〜紺系の色味にシフト
・ノイズやグレインでザラつき足すとシネマチック
こうすると、全体が“夜の海”に包まれた世界観になります!
🌊水平線が動いてしまうときの対処法【3つの選択肢】

動画素材の水平線が動いてしまう場合はどうしたらいいの
とても良い質問です!
昼の海を夜空にする際、水平線がカメラの揺れやドローンの動きなどで動いてしまう場合、星空と綺麗に合成できず、「なんかズレてる…」「合成バレバレ…」ってなりがちです。
でも安心してください。ちゃんと対応方法あります!
✅ 方法①|
トラッキングで星空を一緒に動かす
一番ナチュラルで本格的な方法です。
🔧手順:
- 海の映像に「モーショントラッキング」を適用(ウィンドウ>トラッカー)
- 水平線付近の分かりやすいポイント(雲の境目や建物など)をトラッカーとして選択
- トラックしてキーフレームを生成
- 星空レイヤーにその動きを「ヌルオブジェクト経由」で適用
- 星空をヌルに親子付け(またはトラッカー情報を直接適用)
▶ 星空の動きが海と一緒に揺れてくれるようになり、自然な合成になります!
✅ 方法②|
水平線を固定する(スタビライズ)
もし星空よりも海の方を固定したい場合。
🔧手順:
- 海の映像に「ワープスタビライザー」を適用(エフェクト>ワープスタビライザー)
- 水平線が中央にくるように安定させる
- 映像全体が固定されていれば、星空は固定のままでOK
▶ ただし、副作用として画角が少しズームされたり、歪むこともあるので注意。
✅ 方法③|
あえて“ズレ”を演出に使う
これはちょっとアート寄りですが…
- 星空レイヤーに少しだけ動きを加える(トランスフォームでゆらゆら)
- 星が「水に反射して揺れている」ように見せたり
- あえてちょっと不安定な演出にして“夢の中”っぽさを出す
▶ 「違和感」を“意図した演出”にする発想です。
🎯プロのアドバイス
カメラがちょっと動いてしまう素材は、After Effectsのトラッカー機能 or スタビライザーを活用するのが王道です。
「ルミナンスマット」+「モーショントラッキング」の組み合わせが使えれば、
昼から夜だけでなく、映画レベルのシーンチェンジ演出が誰でも作れますよ!

🎬 最後にひとこと。
映像編集をやってて、こういう「時間を飛び越える演出」ができると、ほんとワクワクするんです。
昼だったものが、一瞬で夜になる。
空の景色を変えるだけで、映像の意味すら変わってくる。
しかもこの方法、マスクを1回も使わないっていうのが最高に嬉しい(笑)
「ちょっと編集に自信ない…」って方でも、感覚的にサクッとできるテクニックなので、ぜひ試してみてください!
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。
After Effects で簡単に星空を合成する方法を書きます。